健康・医療

《日常動作でできる引き締めメソッド》キツい筋トレより強度が低い動きを継続するのがカギ 「洗顔」「食器洗い」「入浴」などの際に行う方法を健康運動指導士が解説

洗顔する女性
「洗顔」「食器洗い」「入浴」などの際に行う方法を健康運動指導士が解説(写真/イメージマート)
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運動は嫌いだけど、やせたいし、いつまでも元気に動きたい──。そんな虫のいい話が、あったんです! ほっそりボディーを作るためにキツい筋トレをするのはもうおしまい。“筋肉の形状記憶”効果を利用して、ふだんの動作の中で“ちゃっかり引き締め”を始めよう。

筋肉の形状記憶を利用し、細くしたい部位を集中的に引き締め

ジムにも通わず30年以上ウエスト58cmを維持する健康運動指導士の植森美緒さん。そのコツは?と聞くと、

「悪い姿勢を続けると猫背が定着するように、筋肉は形状記憶する性質があります。それを利用し、自分が細くしたい部位を集中的に引き締める。それだけです」(植森さん・以下同)

そんなことで効果が出るの?と思うほど簡単だが、それが体形を維持するポイントだという。

「何らかの運動を挫折した人ほど『ラクして効果が出るはずがない』と思うはず。でも、引き締めたければキツい筋トレより強度が低い動きを継続的に行う方が効果的なのです。簡単な動きでも、1日1回やれば1年で365回。“ちりつも”効果はバカにできません」

二の腕やお尻など、ふだん動かさない部位はたるみやすい。そこを生活の中でうまく使う工夫が大切だ。

「たとえばトイレの便座に腰かけ、壁を両手で10秒力強く押すだけで、二の腕の引き締めになります。ジムに行かなくても、トレーニングのチャンスは身近なところに眠っているのです」

引き締めるだけでなく健康寿命の延伸にも役立つと植森さんは言う。何才から始めても遅くはないそうだ。

日常動作で引き締めメソッド

【1】洗顔時に下腹部シェイプ

ひじ、ひざを洗面台につけ、お腹を引っ込めながら顔を洗う。

洗顔時に下腹部シェイプ
洗顔時に下腹部シェイプ(イラスト/あらいぴろよ)
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「お腹全体をぐっと凹ませ、この体勢を洗顔中キープします。洗面台にひじをつけるので負荷も小さく、腰痛予防にもなります。ハードですが、洗面台からひじを離し、腰を深く落とせば全身に効きます」

【2】寝そべりながらウエストシェイプ

片方の手に頭を乗せ、横向きに寝た状態でお腹(ウエスト)を10秒ギューッと強く引っ込める。左右ともに行う。

寝そべりながらウエストシェイプ
寝そべりながらウエストシェイプ(イラスト/あらいぴろよ)
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「脇腹からお腹全体に効く動作。サイズダウンを目指すなら、強めの引き締めを何度か繰り返して行いましょう。引っ込める力をゆるく、長く(数分〜数十分)すると、カロリー消費に貢献します。その日の体調や気分で行ってください」

【3】お腹に効く“入浴カラオケ”

浴槽にもたれるように座り、お腹を凹ませた状態をキープしながら、好きな歌を1曲歌い上げる。

お腹に効く“入浴カラオケ”
お腹に効く“入浴カラオケ”(イラスト/あらいぴろよ)
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「ラクな姿勢ですが、お腹の動きを観察でき、お腹全体に効きます。お腹を凹ませたまま歌わないと効果が落ちるので気をつけて。また、お腹は“力を入れる”だけでは引き締まらないので、より大きく凹ませるのがキモ!」

【4】食器洗いの間にヒップアップ

流し台にお腹をつけ、お尻を軽く締めながらつま先立ちになり、片足を後ろに軽く持ち上げ、10秒キープ。左右行う。

食器洗いの間にヒップアップ
食器洗いの間にヒップアップ(イラスト/あらいぴろよ)
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「やや負荷が大きい動作のため、片足1回ずつでもお尻の形が変わります。足を高く上げるほどヒップアップ効果がありますが、自分のできる範囲でOK。上げるのがキツい場合は、後ろに引いた足のつま先を床に押しつけるようにしてください」

【5】レンチンを待つ間に太もも引き締め

背筋を伸ばして立ち、お腹を凹ませ、手を腰に置いて片足を前方に上げる。10〜30秒キープ。左右行う。上げる足の高さや時間は、できる範囲でOK。

レンチンを待つ間に太もも引き締め
レンチンを待つ間に太もも引き締め(イラスト/あらいぴろよ)
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「モデルになったつもりで腰を高く保つのがコツ。お腹、太ももの前側、背中を引き締めます。ここを鍛えると足を前に出しやすくなって歩幅が広がり、転倒予防効果も大。ぐらつく場合はテーブルや壁などに片手を添えましょう」

【6】吊り革使いで二の腕すっきり

手の甲を自分の方に向けるように電車の吊り革を持ち、自重で吊り革を押し、10秒以上キープ。左右行う。

吊り革使いで二の腕すっきり
吊り革使いで二の腕すっきり(イラスト/あらいぴろよ)
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「吊り革を前に押し出すときは弾みをつけず、じわじわと押すイメージで。背筋を伸ばし、お腹を凹ませながら行ってみてください。利き手と反対の二の腕がたるみやすいので、そちらを重点的に行ってもOKです」

◆健康運動指導士・植森美緒さん

健康運動指導士。「日常動作を変えれば人生が変わる」をモットーにしたダイエット・健康法を提唱。自らも実践し、ウエスト58cmを維持。『生きてるだけで、自然とやせる! やせる日常動作大図鑑』(ダイヤモンド社)ほか著書多数。https://www.mio-u.net/

取材・文/佐藤有栄

※女性セブン2025年4月17日号

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