健康・医療

糖質制限は×、菜食より肉食が○など「ヤセる食べグセ」とは?

「ヤセたい!」と願う人は、「太ったのは運動不足のせい」「ダイエットには厳しい食事制限が必要」と思いがちだが、それらは思い込みで「運動への過信」「食生活の軽視」をやめるべき、という運動指導士の森拓郎さん。

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ヤセるために大事なのは、運動することよりも「極悪の食」の見直し!(写真/アフロ)
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栄養学を学び、食事指導を重視してきた森さんが、このほど、「ヤセる食べグセ」をクイズ形式で綴った『ヤセたければ走るな、食べろ! – みるみる腹が凹むズルい食べグセ – 』(ワニブックスPLUS新書)を上梓。

Q:効果が出やすい食事法は?

×「徹底的な糖質制限」
○「朝昼は低脂肪、夜は低糖質」

Q:ヤセる夕食メニューは?

×「野菜中心でカロリーを抑える」
○「肉、魚、卵をガッツリ食べる」

など、これまでの“ダイエットの常識”を逆説的に説いた森さんに、「ヤセる食べ方のコツ」を聞いた。

ヤセたいなら「糖質制限」より「低糖質+低脂肪」!

──単に「糖質」を摂ることよりも、糖質と脂肪をセットで食べる方が太るんですね。

森さん:はい。ダイエットといえば「糖質制限」をする人が多いですが、極端に0にしないと効果が出ないのであればそれは無理のあるやり方だと思うし、一時的に減量してもまた糖質を取り始めたら元に戻ってしまいますよね。

要は取り過ぎを抑えればいいだけなので、僕は『糖質×脂質トレードオフ食事法』と名づけた食べ方を推奨しています。朝と昼は「低脂肪食」、夜は「低糖質食」にすることで全体的に低カロリーになります。「糖質制限」のように極端に我慢しなければならないものがないのでストレスがなく、リバウンドもしにくくなります。太らないための大原則は“糖質と脂質を同時にガッツリ摂らないこと”。どちらか片方だけをしっかり摂っても、肥満には繋がりにくいのです。

──夕食は「野菜中心で低カロリー」より、「肉魚卵をガッツリ」の方がいいというわけは?

森さん:必要なビタミン・ミネラルがバランスよく入っているのが動物性食品の肉魚卵で、それさえ食べていれば、野菜は付け合わせで食べる程度で必要な栄養はほぼ摂れます。逆に肉魚を減らして野菜ばかり食べていると、野菜はほとんどが食物繊維と水分なので栄養不足になってしまう。さらにドレッシングこそが肥満の原因で、体脂肪の燃焼を阻害するオメガ6の油を含み、ノンオイルでも糖質が多く含まれています。

多くの人はサラダをたくさん食べると栄養バランスが整うと盲信していますがそれは間違いで、野菜をたくさん食べると栄養バランスが崩れてしまうんです。楽にヤセたい人こそ、“肉食中心”をおすすめします。ただし牛肉の場合、脂身の多い肉には飽和脂肪酸が多く含まれているので赤身肉を。

──MEC食(Meat、Egg、Cheeseの頭文字をとった食事法)ということでしょうか?

森さん:MEC食ほど極端ではなく、もう少し簡単です。考え方としては似ていますが、MECは脂質が多く太りやすいチーズを積極的に摂りすぎてしまうのが問題です。MEC食は、糖質を減らす分、健康法としてはいいと思いますけど、ダイエット的に僕は「肉魚卵」を提唱しています。

そもそも「糖質制限」も「MEC食」も、糖尿病の人や高度の肥満、生活習慣病などになっている人に医師が推奨している食事法ですが、健康で標準体型の人は、今の食の極悪の部分をちょっと削って、必要な部分を足すだけで3~5kgくらいヤセられるんです。基本的にお医者さんは、BMI22の標準体型を目指して指導しますが、逆にBMI20以下の人がMEC食や糖質制限をしてしまうと、BMI21~22まで増えてくることが起きます。

【次ページで森さんがさらにヤセる食べ方を解説!】