歯周ポケット検査は「痛い方がいい」
大切なのは歯科医だけでなく、クリニックにいる歯科衛生士にも注目すること。
「治療補助はもちろん歯石除去や、虫歯を予防するフッ素塗布など口腔環境を整えて予防歯科の要になるのが実は歯科衛生士です。知識が豊富で、歯周病の兆候があるかどうか見極められるような歯科衛生士がいるクリニックは頼れるといえます。治療前の歯のチェックをするのは歯科衛生士がやることが多いので、その際に医師に患者の口腔内の詳細な申し送りをしているなら安心できるでしょう」(弘岡さん・以下同)

歯や歯茎の状態を調べるためのプロービング検査(歯周ポケットの深さを測定する)も歯科衛生士が行うことが多いが、「痛いかどうか」は重要だ。
「プロービングには適切な圧(約25g)が決まっています。きちんと圧をかけないと正しく測定できません。
往々にして年を重ね歯周病にかかっていると、歯茎は炎症を起こしています。圧をかけると多少痛いものです」
院内の待合室や、受付の様子にも目を配りたい。
「やはり病院ですから、衛生的に清潔であることは大前提です。治療器具などがどのように管理され消毒されているかをたしかめることは難しいですが、待合室やトイレに清潔感があるかどうかは見てわかります。スタッフの髪形や髪色、必要以上に華美なメイクやネイルをしていないかどうかもチェックしたいですね。受付での対応も含め、そうした細部に院長や歯科医の資質が見えます」(夏堀さん・以下同)
信頼できるかかりつけ医を見つけるためには、気軽な気持ちで“お試し”してみるといい。
「削る、抜歯といった後戻りのできない治療ではなく、歯石を取るとか、クリーニングしてもらうなどの治療で行ってみて、丁寧な説明をしてくれるかどうかを見極めましょう。レントゲンひとつ撮るにしても、なぜ撮る必要があるのか、いま口の中がどのような状況か、きちんと説明してくれる歯科医なら信頼できます。実際に治療が始まってからでも、方針ややり方に疑問を感じたらセカンドオピニオンを受けてみて」
口の健康は全身の健康を左右し、寿命にも直結する。「8020」を叶えてくれるかかりつけ医を探すことが、人生100年時代には必要だ。

※女性セブン2025年4月24日号