マネー

【お金持ちなら知っている銀行の選び方】富裕層の多くがメガバンクを選ぶ理由、「金利」と「使いやすさ」で評価 対面営業がないネット銀行は避ける傾向 

ネット銀行はシニアにはデメリットが多い

また、多くの資産を持っているからこそ「手数料が高い銀行は選ばない」のもお金持ちの特徴だ。

前述の「ネット銀行を避ける」ことと併せて、たとえ資産が多くない庶民だとしても、年を重ねたら重要なポイントになる。

「シニアは『自宅の近くにATMがない銀行』『ATM手数料が高い銀行』は選んではいけません。

65才を過ぎると、銀行は主に年金の受け取りで使うことがメインとなり、死ぬまでのつきあいになる。年金の引き出しの際に使い勝手が悪かったり、いちいち手数料がかかる銀行は避けるべき。近くに自社ATMがないなら、メガバンクであっても選ばない方がいいでしょう」(深野さん)

自宅の近くにATMがない銀行や手数料が高い銀行は選んではいけない(写真/PIXTA)
写真4枚

キャッシュレス化が進む中、維持管理コスト削減の観点などから、メガバンクを中心に銀行ATMの数は減少している。2021年度末の国内のATM設置台数は約18万台と、2017年に比べて約1万台が姿を消したという報道もある。

一方で、セブン銀行に代表されるコンビニ銀行のATMは増加しており、24時間、365日使えるため、現金の引き出しや振込において以前にも増して欠かせなくなった。それゆえ、コンビニATMの手数料は利便性を考える上では見落とせない。一律ではないため、掲載の表をぜひ参考にしてほしい。

110円から220円の範囲で設定されていることが多い中、三菱UFJ銀行と三井住友銀行は毎月25日と土日が、ゆうちょ銀行は土日が300円台と、条件によっては他行より高い。

ネット銀行ならコンビニのATMを使わずスマホのアプリで出入金ができ、家から出ずにお金を受け取ることができるが、シニアにとってはデメリットの方が大きい。

「ネット銀行には紙の通帳やカードがないことが多く、履歴をアプリで確認する必要があります。明細もスマホにメールで届くため、もし家族に知らせずに亡くなったら、口座情報がわからないまま、口座が凍結されてしまうこともありえます」(風呂内さん・以下同)

ネット銀行は、問い合わせに手間や時間がかかることもデメリットの1つ。

「通帳やカードの紛失、不正引き落としなどがあった際、すぐに連絡がつくことが重要です。ネット銀行は窓口がない・少ないため、緊急時用の連絡先やアプリですぐに機能を止められるかなど、トラブルを想定した手続きフローを確認しておきたい。これは実店舗のある銀行でも同様です」

「融資」の面では地方銀行にメリットも

銀行はお金を預けるだけではなく、借りる場所でもある。「ローン」や「融資」の面からみると、メガバンクやネット銀行を選ぶと損しやすい。メガバンクでは、“一般庶民”は融資を門前払いされることも多いからだ。

「メガバンクのメイン取引先は大企業を中心とした法人であるのに対し、地銀や信用金庫は中小零細企業や自営業者など、“地元”に力を入れている。そうした姿勢を好んで、日常の資金管理は地銀にしているという富裕層は少なくない」(前出・大手銀行関係者)

藤川さんが続ける。

「ネット銀行は、住宅ローンなどの金利が低い半面、審査に通るまでに時間がかかったり、設計や着工の段階で複数回に分けた支払いが発生した場合、柔軟な対応は期待できません」

その点、地方銀行や信用金庫といった規模の小さい金融機関の方がきめ細かく対応してもらえる傾向にある。地銀は営業区域外だと利用できないデメリットがある分、“地域密着型”の対応が望めるのだ。

ただし地銀は合併などによって“銀行がなくなるリスク”があるため、人によってはメガバンクよりメリットが大きい一方、その地域に住んでいなければメリットはほぼゼロに等しいため、選ばない方がいいケースもある。検討する際は全国に支店があるかどうかや、地域へのかかわり方などを調べた上で比較しよう。

住宅購入や定年後に事業を始めるなどでローンや融資を考えている場合、ゆうちょ銀行は避けた方がいいかもしれない。

「定期貯金を担保にした自動貸付サービスなどはありますが、住宅ローンの取り扱いがなく、お金を借りる可能性を考えると、メインバンクにするには使い勝手がよくない。

ゆうちょ銀行の最大のメリットは店舗数が圧倒的に多いことですが、そもそもあちこちに銀行ATMがある都市部に住んでいるなら、ゆうちょを選ぶメリットはそれほどないと言えます」(深野さん)

コンビニATM手数料一覧
写真4枚

※女性セブン2025年5月8・15日号

関連キーワード