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《お金持ちかバックに団体がついてないと厳しい》元TBS高野貴裕アナ「選挙出馬」で味わった“厳しすぎる現実”「怖い、本当に怖い」(前編)

政治活動に退職金を全部突っ込んでいる

――会社を辞めるときは、政界進出の気持ちが固まっていた?

「はい。決めた上で、人事に相談しました。会社は『辞めてくれるな』と引き留めてはくれたのですが、いま45才で、新しいチャレンジをするには最後のチャンスかなと思い、決断しました。

選挙に出るには、社員のままでは難しいというのが結論でした。一般的には、社員の政治活動は基本OKだとは思うんですが……TBSは報道機関ですからね。忸怩たる思いで勤め先を辞めました。僕は政治がおじいさん、おばあさんだけのものになってしまうのはよくないと思っています。だから、現役世代で声を上げられる人は動いた方がいいのかなという気持ちもあり、僭越ながら、チャレンジさせていただいたということです。

22年務めたTBSを退社した。
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ちなみに、出馬を決めて実感しましたが、選挙にはお金がかかりますね。みなさんご存知ないかもしれませんが、政治活動は自腹なんです。政党にもよるとは思いますが、公認候補とはいえ都民ファからのバックアップはほとんどありません。。数十万円程度の補助があるだけで、これには驚きました。もちろん、新人の公認候補に対しては、知見がある方、経験がある方が現場に来てくれて一緒にチラシのポスティングを助けてくれたりはしてくれますが、やはり大変です。

テレビ局で22年間キャリアを積んできて、退職金を全部突っ込んでいる状態です。現在は無職ですし、怖いですよ。本当に怖い、もし当選しなければどうしよう?とも思います。だから、不退転の気持ちで、背水の陣ですよ。

ここまでしないと政治活動が出来ない世の中ってどうなのかなとは思います。本当に世の中を変えたい、明るい生活、社会を整えたいと立ち上がった人間が、こういった状況に直面するんだってことを初めて知りましたし、厳しいですよね。

親子で屋外に繰り出して遊ぶことも多い。
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ちなみに選挙区によっても、かかるお金がまちまちなんですよ。というのも、世帯数が違うじゃないですか。僕が立候補する世田谷区は人口93万人なんです。そうなると、配布するチラシの量もかなり多くなります。やはり昔からの地盤を継いでいる人や、よっぽどのお金持ち、バックに大きな団体がついている方とかではない限り、厳しいと思います」

 

(後編に続く)

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