《橋幸夫が緊急入院》所属する夢グループ社長は「認知症を公表してよかった」…スターを支えるチームの結束力と覚悟 すでに元気を取り戻し、今の目標は「韓国で歌うこと」
「うまい、うまい」とほめてくれます
ところが、5月31日に体調に異変を感じた橋は、自宅から救急搬送されていた。
「その日は地方公演を終えて帰宅し、コンサートの荷物を運ぼうと台車に手をかけたとき、突然左手に力が入らなくなってしまったようです。橋さんの異変に気づいた家族が病院に連絡すると、『すぐに救急車を呼んで、病院に来てください』と言われたそうで、病院に搬送後そのまま入院することになりました」(別の芸能関係者)
「一過性脳虚血発作」と診断された橋。脳梗塞の前触れともされるため周囲の緊張感も高まったが、すぐに元気を取り戻したという。
「病室では点滴を抜かんばかりの勢いで、『おれは仕事に行く』とやる気満々です。今回、お休みしてしまった公演のお客さまには申し訳ないですが、お医者さまの許可が下り次第、橋さんにファンの前で歌ってもらいたいと思っています。もともとお医者さまからは、『筋力を落とさないようにし、できるだけ普段どおりの生活を送ることが重要。無理のない範囲でステージに上がることは、いちばん効果的な薬です』と言われているんです」(石田社長)
「死ぬまで歌う」と宣言する橋が、いま楽しみにしているのが、韓国のステージに立つことだ。事務所の後輩で韓国人歌手のZERO(53才)とは、コンサートでもたびたび共演。橋が40年前に歌った『絆』は韓国でも人気で、今年4月には2人で同曲を“セルフカバー”した。すでに海の向こうからは、番組出演のオファーも届いているという。ZEROが語る。

「橋さんはぼくの父にそっくりなんです。ずっとかわいがっていただいて、感謝の気持ちを込めてマッサージをすると、『うまい、うまい』とほめてくれます。橋さんと私のデュエットで発売した『絆』の歌詞が出てこないときには、耳元でぼくが歌詞をささやくこともあり、不安を抱えながらステージに上がっていました。
病気を公表してからは、拍手の大きさが違い、ファンの声援がうれしくて、涙が出そうになります。いまの橋さんは『必ず「絆」を韓国のテレビ番組で歌う!』という目標を持っているので、早く実現できたらいいなと思っています」
医療は進歩しているが、現時点で認知症の根本的な治療法はなく、進行を止めることはできない。一度かかれば“忘れ続けていく日々”が待っている。それでも橋は諦めない。ステージに立つことを生きがいとする橋は、いまでも1日200kmの車移動をものともせず、先日は船での移動もこなした。韓国への渡航も健康上は問題ないそうだ。
「韓国のテレビ番組からのオファーを本人も楽しみにしていて『社長、韓国にはいつ行くんだい?』と何度も聞かれています。早くスケジュールを固めて、橋さんの歌声を韓国にも届けたいですね」(石田社長)
いつか来る、全部を忘れるその日まで、橋幸夫は歌い続ける。
※女性セブン2025年6月19日号