西島秀俊から「お芝居やらないのですか?」
長い雌伏の時を経て、有吉は2007年、毒舌キャラで再ブレークを果たしたが、芸人としての地位が確固たるものになるにつれ、俳優の仕事は避けるようになった。
「ただ、数少ない演技の機会には、才能の片鱗を覗かせていたんです。あるCMの撮影で西島秀俊さん(54才)と共演したときには、西島さんに演技を褒められ『お芝居やらないのですか?』と尋ねられたほど。でも、有吉さんは『いやいやいや、ぼくなんて全然ですよ。お芝居は恥ずかしくて』と恐縮していました」(広告代理店関係者)
それでも、“ボスのボス”と仰ぐ志村さんの演技には、感銘を受けていたという。

「志村さんが出演した映画『鉄道員(ぽっぽや)』(1999年)が大好きだそうで、『この映画の志村さん、めちゃめちゃかっこいい』と話していました。また、志村さんの遺作となった朝ドラ『エール』についても、その柔らかな表情を見て『めっちゃ渋いな。おじさんになって、ああいう映画とかに出たとき、かっこいい人っていいよな』『志村さん本当にかっこいいよな。人生がにじみ出ていてかっこいいなって思うよね』とラジオで絶賛していました」(有吉の知人)
コントの申し子でありながら、シリアスな演技もできる志村さんは、有吉にとって憧れの存在だった。
「有吉さんは、かつて上島さん主演のドキュメンタリー映画に出演した際も、『志村さんには見せたんですか? 何かおっしゃっていましたか』と、志村さんの反応をしきりと気にしていました。演技はやらないと公言していた志村さんですが、晩年は『エール』のほか、逝去により叶わなかった映画『キネマの神様』(2021年)にも主役で出演予定でした。
志村さんと同じく、もともと芸人が芝居をすることにあまり肯定的ではない有吉さんですが、50代に突入し、“いまならば憧れの志村さんのように、渋い演技ができるかもしれない”と腹を括ったのではないでしょうか」(映画関係者)
2人の恩師は有吉の演技をどう見るか。
※女性セブン2025年8月14日号