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《無期懲役でもいい》杉良太郎「ピアニスト芥川玲子」の“特殊詐欺被害”告白に怒髪天「即詐欺だと思って」

左から警察庁の山田好孝生活安全局長、前田、芥川、杉
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犯人側は、芥川の親族が元検察官であることまで把握していた。そのうえで「ご親族に迷惑をかけたくないのなら、今すぐ、身の潔白を証明しましょう」などと焚き付けられ、芥川は「その言葉を言われた瞬間に“一刻も早く対応しなくては”と、正義感で突き進んでしまった」と振り返る。

電話の相手が入れ替わることにも惑わされた。登場人物は計4人。3番手の“大阪府警捜査2課のコンドウ”を名乗る女から預金額を聞き出され、SNS経由で逮捕状などが送られてきた。LINEで逮捕状が届いても違和感がなかったのは、その前段階で届いた「守秘義務命令書」が非常に綿密な内容ですでに“洗脳”されていたからだと分析する。ちなみに「守秘義務命令書」なる書類は、存在しない。警察がLINEで事情聴取をしたり、逮捕状を見せたりすることも、実際には絶対に行われない。

さらに“検事のカミヤ”と名乗る男から、「あなたの口座で犯罪が行われていることが確認されている。このことを口外すれば4~5年の懲役刑にあたる重罪だ」と暗に警察に相談することを禁じた。カミヤは犯罪の関与を金融庁で調査するため、芥川の預金を1つの口座にまとめて全額送ることを要求。身の潔白が証明されれば全額返金されるという言葉に安心もして、カミヤに指示されるがまま、振込に応じてしまったという。

お金の話が出た時に疑わなかったかと杉から問われると、「お金の話になったのは最後のほうで、その時にはすでに操られていて……」と、芥川は唇をかんだ。

「詐欺団は催眠術にかけるような巧みな語り口調で、相手に反論させないような訓練をされている。役者は芝居をしようとするから見透かされてしまうけれど、詐欺団は“ナマ”のしゃべりだから、芝居じみたわざとらしさが感じられないんですよ」

杉の言葉に芥川も、「捜査に協力的だとコロッと態度を軟化させるなど、温度感が変わるのが伝わってくる。それこそ演技じゃないというか、親身になってくれているように錯覚してしまうんです」と、頷いた。

「詐欺団は“どうして、そんなことまで知っているの?”と驚く情報まで握っている。お母さんも疑わなかったというところが、個人情報の力なのでしょう。それを盾に“あなたの人生のストーリーを知っています”と言われたら、信じてしまいますよ。悪意を見極める判断力が鈍ってしまう。だからこそ、知らない人から電話がかかってきてお金の話が出たら即『詐欺だ』と判断することが大事なんです。

まず、知らない番号には出ない。詐欺だとわかったら、すぐ電話を切る。ウチの固定電話にもかかってきますが、『もうかけてこないで』と言って切っています。詐欺団も次から次へ電話しなきゃいけないので忙しいから、かけ直してくることは滅多にないですよ。特殊詐欺は7割以上が国際電話からですから、国際電話がかかってこないように手続きをすることです。留守電や防犯機能付きの電話機も有効です。国民ひとりひとりが“明日は我が身”と自覚をもって、しっかり対策をしてほしいと願います」(杉)