お風呂でゆっくり半身浴して、たっぷり汗かいてデトックス──美容や健康のために効果があると言われることが多い半身浴だが、実はこれ、全部間違いなのだとか。
入浴の専門家、温泉療法専門医の東京都市大学教授の早坂信哉さんは「お風呂で汗をかいても、ダイエットにはなりません。やせたいならお風呂で体を動かすことがポイント」と話す。
今までの常識を覆す新・入浴法について教えてもらった。
お風呂で汗をかいてもダイエットにならない
「お風呂でかく汗は、体温を調節するために体を冷やす目的で出ているので、カロリーは消費されません。お風呂でダイエットするなら、足を動かすなど運動を取りいれて」(早坂さん)
半身浴より手浴!?
「半身浴は体が冷えるし、温め作用も水圧も半分に」(早坂さん)
そこで意外と効果がありそうなのが“手浴”だという。体を温める漢方医学を元に診療を行うイシハラクリニック副院長の石原新菜さんはこう言う。
「テレビを見ながらなどスキマ時間で“手浴”を。手首まで温めることで肩こりがすっきり」
入浴剤の新トレンドは“エプソムソルト”
「発汗作用が凄い」と、今ハリウッドセレブに人気の入浴剤“デジタルデトックスバス”。
「1袋7000円と高額なので、肌にいいミネラル豊富で温浴効果が高い“エプソムソルト”で手作りしてみて」と、ダイエットエキスパートの和田清香さん。
エプソムソルト150~200g、重曹(食用)20~25g、クエン酸15g、お茶パック等に入れたすりおろししょうが1片分を浴槽に入れて、アロマオイル数滴で香りをつけて。
肩こりは40℃で10分、花粉症は38℃で15分
「40℃前後が最も副交感神経が優位になり、体にいいとされる温度。また、食前に入ると血液が皮膚に流れ、一時的に胃腸の働きが抑制され、食べ過ぎを防ぐ作用も。時間と温度を意識して健康入浴を心がけて」(早坂さん)
【目的別おすすめの温度と時間】
・美肌、花粉症、アレルギー…38~40℃ 15分
・ダイエット…食前に40℃ 15分
・冷え性、腰痛…40℃ 15分
(途中でお湯から出てもよい)
HSP入浴は要注意
一時注目を浴びた42℃の熱い湯に10分浸かり、細胞を修復するHSP(ヒートショックプロテイン)入浴。
「アスリートには効果的ですが、普通の人はのぼせる危険も。あまりおすすめできません」(早坂さん)
お風呂内保湿が美肌の新常識
「入浴中に保湿しておくと、入浴後の肌の水分量が約2倍に高まるという研究結果が」(早坂さん)
お風呂から出たら1分以内に保湿を
さらに、石原さんは、風呂上がりの保湿の重要性を説く。
「肌の水分量は、入浴後1分をピークに下がり始め、5分後には半減、10分後には入浴前より下がってしまいます。水分量をキープしたいなら、1分以内の保湿が必須」(石原さん)
入浴の前後は白湯NG
入浴前後の飲み物にも気を使ったほうがいい。
「漢方では、白湯や麦茶(麦)は、体を冷やす飲み物。体を温めるのは、茶葉を発酵させた紅茶やルイボスティーで、これらなら冷たくてもOK。より代謝を高めたいなら、入浴前のしょうが入り紅茶がおすすめ」(石原さん)
撮影/楠聖子
※女性セブン2017年11月16日号
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