
19年前、秋篠宮家に待望の男の子が誕生した。それは、皇位とは縁遠い次男に嫁いだ紀子さまの運命が大きく動いた瞬間だった。そしてまもなく行われる成年式の裏側では、とある思惑が渦巻いて──小誌『女性セブン』が迫った“特別な宮家”の実態を詳報する。
うだるような暑さが続く8月の東京都心。外の空気とは打って変わって、静謐な空気と張り詰めた緊張感に包まれた皇居・宮殿では、成年式本番を控えた悠仁さまが、儀式の手順を何度も反復されていた──。
9月6日、悠仁さまは19才の誕生日を迎えられる。
「誕生日当日から9月10日までの5日間にわたり、男性皇族が成年を迎えたことを内外に表明する『成年式』の行事が行われます。式が無事終われば、悠仁さまも晴れて成年皇族の仲間入り。将来の天皇である悠仁さまにとっては大きな節目であり、歴史的にも重要な行事です」(宮内庁関係者)
大学が夏休み期間に入った8月、悠仁さまは式典のリハーサルのため、幾度も皇居に足を運ばれていた。
「式中の動線や細かな所作など、頭に入れておかなければならない事柄が山ほどあります。皇室では40年ぶりの成年式ということもあり、悠仁さまはプレッシャーも感じておられるかと思いますが、息抜きもしっかりされているようです。
8月18日から22日まで、大学で所属されている団体の合宿で、沖縄県へ足を運ばれていたそうです。現地ではライフワークともいえるトンボの観察などに精を出されたとか。悠仁さまはバドミントンサークルにも所属されていますが、そちらの合宿は終戦記念日と重なることから、欠席されたそうです。とはいえ、多忙の合間を縫っての沖縄合宿への参加は、悠仁さまの“トンボ愛”の深さの表れでしょう」(前出・宮内庁関係者)

学生生活も謳歌されている悠仁さまとは対照的に、一意専心で成年式の準備に当たられているのが、紀子さまだ。
「皇室内でも有数のご公務の数々をこなされる紀子さまですが、成年式を前にご公務をセーブされ、準備に全身全霊を傾けられていました。時には職員に対して厳しい口調が出てしまうこともあったようです。将来の天皇である長男の晴れ舞台ですから、ナーバスになられるのも無理からぬことでしょうが……」(前出・宮内庁関係者)
それだけ重要な行事であるとも言えるが、“前例に沿った形で行う”とされた悠仁さまの成年式において、これまでとは大きく異なる点が1つある。
「9月6日の夜に行われる親族らを招いての内宴、さらに10日昼に行われる三権の長らを招いた正式な午餐会が、都内の高級ホテルなどで催されることになっているのです。陛下と秋篠宮さまの成年式の際は、皇居・宮殿内で行われています」(前出・宮内庁関係者)
これは、秋篠宮さまの強いご意向によるものだという。
「陛下と秋篠宮さまの成年式は、当時の天皇皇后両陛下が主催するものでした。しかし今回の主催は、秋篠宮ご夫妻です。秋篠宮さまは、“宮殿は天皇陛下の行事のために使われるものであるため、宮家の行事のために使うのは適切ではない”と遠慮され、民間施設での開催を強く望まれたのです」(前出・宮内庁関係者)
御料牧場は無償で、洗濯炊事は公務員
あくまでも「宮家の当主」としてのスタンスを貫かれた秋篠宮さま。一方で、そのご判断がかえって周囲の負担を増やしていると指摘する声もある。
「皇居内での開催であれば通常の警備で済みますが、民間施設でとなると、厳重な警備体制を敷く必要があります。莫大な費用もかかるでしょう。悠仁さまは将来の天皇であり、宮殿の使用を陛下が反対することは考えにくいのですが……。
民間施設での開催が発表された当初は、“極秘帰国”も取り沙汰されていた眞子さんが参加しやすいように、複数の入口がある民間施設を選択したのではとも囁かれるほど、不自然さが際立っていました」(別の宮内庁関係者)
成年式を前に露呈した、秋篠宮家の強硬なまでの“宮家”というスタンス。一方で、そのご意思と実態の乖離を疑問視する声も、一部の関係者からは上がっていた。
「そもそも皇室では、天皇ご一家と上皇ご夫妻からなる『内廷皇族』と、それ以外の宮家の間には厳然とした格差があります。その違いは日常で使える費用面でも歴然としている。『皇室経済法』でも、それぞれ内廷費と皇族費として明確に分けられており、当然、内廷費の方が高額です。
さらに、御料牧場の生産物は内廷皇族には無償で提供される一方で、宮家の場合は有償です。また、内廷皇族の炊事や洗濯といった身の回りのお世話は国家公務員が担当しますが、宮家の場合は皇族費によって私的に雇用する使用人が担うといった具合です」(皇室ジャーナリスト)
このルールに則れば、秋篠宮家は御料牧場の生産品を「購入」し、身の回りの世話をする使用人は私的に「雇用」していることになる。しかし、小誌が実態を宮内庁に問い合わせたところ、《秋篠宮家は御用牧場の生産品は無償で提供を受け、身の回りの世話は国家公務員が行っている》と明言した。つまり、秋篠宮家は単なる宮家とはいえない待遇を享受しているのだ。

この“異例の回答”について、ある宮内庁関係者はため息交じりにこう説明する。
「秋篠宮家は、平成の時代は御料牧場の生産物は購入しており、支払われた代金は国庫に納められていました。しかし御代がわりによって秋篠宮さまが皇位継承順位1位の『皇嗣』となられたことで、秋篠宮家は内廷皇族と実質的に同等の扱いとなったのです。こうした対応の変化について、宮内庁は国民に対して明快な説明をしていません」
これにとどまらず、御代がわりで秋篠宮家の待遇は大きく向上している。
「秋篠宮さまの皇族費は以前の3倍になり、職員についても50人程度の皇嗣職が新設されて、大幅に増員されました。この規模は、平成時代に皇太子ご一家を支えた東宮職と同等です。また、秋篠宮邸の改修にあたっても、皇嗣となったことで海外からの賓客が増えることを前提に、総額で約50億円もの金額が費やされました。
この背景には、紀子さまが“将来の天皇”を擁するご一家として、適切な体制を整えたいと願われていたこともあるようです。もちろん皇嗣家には、さまざまな整備が必要ですが、一方で、宮家の立場も主張するときがあり、そこが腑に落ちない。
これでは、皇嗣家としての厚遇を享受しながら、宮家としての自由な立場も手放さないという都合のよい“特別待遇”を周囲に要請していると指摘されても不思議ではありません」(前出・皇室ジャーナリスト)
このようなねじれ現象について、皇室制度に詳しい名古屋大学大学院の河西秀哉准教授はこう解説する。
「現在の宮内庁は長官も含め、側近も数年単位で人が入れ替わることが大半で、歴史や制度を踏まえて体系的に判断する体制が整っていません。それ故、その場その場で秋篠宮ご夫妻に判断を任せることになってしまっているのです」
将来の天皇である悠仁さま、そしてそのご実家である秋篠宮家のお立場に、国民の疑念の目が注がれることがあってはならない。
※女性セブン2025年9月18日号