《知っていると安心》これで耳石が戻る!良性発作性頭位めまい症の対処法
良性発作性頭位めまい症は突然発症するためパニックになる人も多いが、簡単な理学療法で改善できる。
「剝がれ落ちた耳石が三半規管に入るのが原因なので、耳石を元の位置に戻すと治ります」(丹羽さん)
首に痛みがある場合は、体ごと左右に寝返ろう。1日2~3回行うこと。
【1】まずは仰向けになる。

【2】ゆっくり右側を向いて、そのまま10秒間キープ。

【3】ゆっくり正面に顔を戻し、そのまま10秒間キープ。

【4】ゆっくり左側を向いて、そのまま10秒間キープ。

【5】正面に顔を戻して10秒間キープしたら【2】~【5】を5回繰り返す。

専門医が指南!めまい改善&予防のためのセルフケア
ここかからは、簡単なリハビリテーションから常備していると安心の漢方薬まで、「めまい改善&予防のためのセルフケア」を紹介。
「動体視力と小脳を鍛える訓練によって、視線を変えたときや、頭を動かした際のめまいは改善できます」と、前出の丹羽さん。該当するケアを3か月~半年間、毎日続けることが大切だ。
上下左右に急に視点を変えたときのめまいの改善
「ポイントは、眼球だけ動かして頭は動かさずに行うことです」(丹羽さん・以下同)
【1】椅子に座り、両腕を肩幅に開いて肩の高さまで上げ、前方にまっすぐ伸ばす。両手を握って親指を立て、その親指を左右、交互に見る。左右1セットで10回繰り返す。

【2】右手を目の上30度の高さに、左手は目の下30度の高さに伸ばす。両手を握って親指を横に向け、その親指を上下交互に見る。上下セットで10回繰り返す。

上下左右にゆっくり動くものを目で追うときのめまいの改善
車や電車から景色を眺めたときや、エレベーターの中から外の様子を見たときにめまいを感じたら試してみよう。
【1】椅子に座り、利き手をまっすぐ前に伸ばして握り、親指を立てる。伸ばした腕を左に30度、右に30度と動かして、その親指を目で追う。左右1セットで10回繰り返す。

【2】利き手をまっすぐ前に伸ばして握り、親指を横に向ける。伸ばした腕を上に30度、下に30度と動かして、その親指を目で追う。上下1セットで10回繰り返す。

急に振り向いたときのめまいの改善
名前を呼ばれて振り返ったときなどにめまいを感じたり、振り返るのがつらかったりする場合に行おう。
椅子に座り、右腕を肩の高さでまっすぐ前に伸ばしたら、手を握って親指を立てる。親指を見つめたまま、頭を左右(水平)に30度ずつ振る。左右1セットで10回繰り返す。

急に首を後ろに反らしたときのめまいの改善
高い位置にある物干し竿に洗濯物を干したり、高いところにあるものを取ろうとしたときにめまいが起こる人に。

椅子に座り、右腕を肩の高さでまっすぐ前に伸ばしたら、手を握って親指を横に向ける。親指を見つめたまま、頭を上に30度、下に30度上げ下げする。上下1セットで10回繰り返す。

監修/丹羽潔さん
◆教えてくれたのは:脳神経内科医・丹羽潔
にわファミリークリニック院長。東海大学医学部卒業後、ドイツやアメリカでも医療を学び、2005年より現職。めまい外来のほか頭痛外来も行う。著書に『めまいを治す63の技+α』(保健同人社)など多数。
取材・文/上村久留美
※女性セブン2025年9月18日号