
《一夫多妻や不倫、あるいはポリアモリーは、次々と相手を替えながらも、関係の深さや強さが見いだせるという幻想に基づいている(中略)ドン・ファンの神話が示すように、数が増えれば名前は薄れ、愛の衝動の統一性は失われる》
これは、バチカン市国に所在する、カトリック教会のローマ教皇庁が公表した「『Una Caro』(一つの肉):一夫一婦制の賛美。排他的結合と相互帰属としての結婚の価値に関する教義的覚書」と題された文書の中の一節だ。この覚書は、西洋で性的関係が多様化していることを念頭に、教皇レオ14世の承認のもとに緊急声明として出されたものだ。
「ポリアモリーとは、恋愛において1対1のパートナーシップにこだわらず、同時に複数の相手と関係を結ぶ交際スタイルおよびその実践者を指す言葉です。ただ、関係者全員とポリアモリーの自由を互いに認めあい、それぞれのパートナーと誠実に交際することが大前提であり、一夫多妻制や浮気、フリーセックスとは一線を画しています。欧米では、LGBTとともに性や恋愛の自己決定権を求める動きのひとつとして、ポリアモリーが市民権を得つつあります」(ポリアモリーに詳しいフリーライター)
ポリアモリーを公言しているセレブリティも少なくない。子役出身で、ディズニーチャンネルの『シェキラ!』で大ブレイク、今やインスタグラムで2347万人のフォロワーを抱え、若くてしてハリウッドセレブの仲間入りを果たした女優、ベラ・ソーン(27才)もその一人だ。さらに彼女はパンセクシャルであることも公表しており、2019年には、男性ラッパーのモッド・サンと女性ユーチューバーのターナ・モンゴーとの同時進行の恋愛関係を米メトロポリタン誌のインタビューで明かし、話題になった。
そのインタビューの中では、《男の人と女の人と同時に付き合うなら、その2人が本当にちゃんと合わないといけない。うまくいけば2人と週末を過ごして、皆で楽しく過ごせる……本当に楽しい経験だし……同時に2人を愛するのが好き(中略)多くのパートナーは最初“えっ?”って感じだったけど、話し合った後に“わあ、それって実はちょっと美しいかもね”って言うようになるの。今の人生では、自分を一番幸せにするものを見つけたい》とも発言している。