健康・医療

《専門家10人にアンケート》血管がよみがえる「食品」「生活習慣」ランキング 食品1位「納豆」を摂るべきベストな時間は「夕食時」

3分ごとに早歩きとゆっくり歩きを交互に行う

血管が老化すると血管全体が硬くなる動脈硬化によって、脳卒中や心筋梗塞が起こるだけでなく、体のすみずみまで栄養を運ぶ能力が低下して、全身の老化を進めてしまう。それらを防ぐ習慣として、ランキングの1位に輝いたのが有酸素運動だ。産婦人科専門医の本多釈人さんが言う。

「運動は血流を改善させるため、多くの血液が流れることで血管が広がりしなやかになります。悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きもあり、肥満予防にもなるため、ウオーキングやジョギング、水泳などを習慣にしましょう」

有酸素運動で血流がよくなると、血管の内皮細胞が一酸化窒素を分泌して血管を広げることも研究から明らかになっている。

「歩くときには3分ごとに早歩きとゆっくり歩きを交互に行うことで、より血流が改善されて血管の柔軟性を効果的に高められます」(谷本さん)

1位の有酸素運動に4位の筋トレを合わせて行うと、さらに効果が高められる。

「筋トレで大きく筋肉を動かすと一酸化窒素(NO)が筋肉から放出されます。NOは血管の柔軟性を高めます。お腹や足にぐっと力を入れてふっとゆるめるだけでもNOの分泌につながります」(梅津さん)

睡眠の質だけでなく時間の長さも大切になる(写真/PIXTA)
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体を休めることも必要で、「充分な睡眠をとる」が2位にランクインした。

「睡眠は副交感神経を優位にすることで血圧を下げ、血管の炎症を抑える役割があります。睡眠不足になると交感神経が活性化してしまい、血圧の上昇や炎症を促して血管に負担をかけ、動脈硬化の原因に。7時間前後の、質の高い睡眠を心がけましょう」(谷本さん)

基本的に7〜8時間、最低でも6時間以上は寝た方がいい。しぎょう循環器内科院長の執行秀彌さんが続ける。

「睡眠中は日中に受けた血管のダメージを修復する時間でもあります。アメリカの研究では1日6時間未満の睡眠だと、7〜8時間寝ている人に比べて心血管疾患リスクが20%高いという報告もあるので、睡眠の質だけでなく時間の長さも大切です」(執行さん・以下同)

寝る1時間ほど前からパソコンやスマホを見るのをやめることで、ブルーライトによる交感神経の活性化の影響を減らし、睡眠の質を高められる。

5位のストレスリセット習慣も大切だ。

「慢性的なストレスは交感神経を刺激して、血管を収縮させてしまいます。すると高血圧になり血液もドロドロになる。国際的な大規模研究では強いストレスを抱えていると心筋梗塞のリスクが2.2倍になることもわかっています。ストレスを定期的にリセットすることが大事です」

そして絶対に取り組むべきは、3位の禁煙と、6位の減塩だ。

「たばこは血管の細胞を傷つけ、動脈硬化を進行させる最大のリスク要因。禁煙を始めて1年以内に、喫煙で4倍まで高くなっていた心筋梗塞のリスクが半減することもわかっています」

減塩は1日の摂取量を1g減らすと、血圧が1mmHg下がるといわれている。日本人の平均食塩摂取量は1日9.8gで女性の目標は6.5g未満なので、平均mmHgは血圧を下げる余地がある。

「血圧が高くなると血管の細胞に負担がかかり動脈硬化が進みます。動脈硬化が進むとさらに血圧が高くなる悪循環に陥るので、血圧を下げることはとても重要。

ただ塩分摂取量を半分にすると、食事が味気なく感じてつらいので、まずは1週間を目標に減塩してください。1週間がまんすると、元の味付けが濃く感じるようになるので少し薄味にできるようになります。それをくり返して徐々に減塩していくといい」(渡辺さん)

ここで紹介した食品と習慣は何ひとつ特別なものはない。無理のない範囲で取り組んで、血管から全身を美しく若返らせよう。

血管がよみがえる「最強の食品」ランキング
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血管がよみがえる「究極の習慣」ランキング
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※女性セブン2025年9月18日号

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