
日々の暮らしの中で、「食事作り」は毎日続いていくもの。だからこそ、「無理せず続けられるものがいい」と、料理家のウー・ウェンさんは話す。実はウー家の食卓は、気取らない“和食”が中心。子供たちが巣立ち、家族の形も変化する中で、“家族の健康”を第一に、ずっと作り続けてきた「いつものごはん」を教えてもらった。
「ご飯、おみそ汁、魚、おひたしなどのシンプルな和食がいちばん」と話すウーさんの食卓は、中国の“医食同源”の考え方に基づき、和食を作る際にも、その教えが生きている。肉じゃがは素材の味を活かして塩だけでさっぱり。ご飯にはカルシウム満点のじゃこを黒酢で炒ってたっぷりと混ぜる。少ない調味料で作るため、食べ疲れない。
「食べることは健康の源。家族の健康を守るために料理をしてきて、これはずっと変わりません。自分ひとりなら料理はうんとラクして、簡単なものでいいじゃない(笑い)」
「小松菜と油揚げのおひたし」のレシピ
シャキッとした青菜におだしがじんわり。青菜だけでも充分おいしい。
《作り方》(2人分)
【1】小松菜1束(250g)は硬めにゆでて水にさらし、水気を切る。3cm長さに切り、さらに水気を絞る。
【2】鍋にだし汁1カップ、細切りにした油揚げ1枚分を入れて中火にかけ、煮立ったら2〜3分煮る。
【3】しょうゆ小さじ1、塩小さじ1/3を加えて味を調え、火を止める。【1】を入れて合わせる。
「塩肉じゃが」のレシピ
じゃがいもとお肉だけで潔く。仕上げに山椒を振っても美味。

《作り方》(2人分)
【1】じゃがいも(メークイーン)2個はひと口大に切る。
【2】鍋にごま油大さじ1/2、【1】、豚薄切り肉150gを入れ、炒めて油を全体になじませる。肉の色が変わったら、酒・水各1/2カップを入れて煮立たせ、弱火にしてふたをし、15〜20分煮る。塩小さじ1/2、白こしょう小さじ1/3を加え、味を調える。
【3】器に盛り、ざく切りにしたパクチー適量を添える。
「わかめのおみそ汁」のレシピ
海のミネラル“生わかめ”をたっぷりと。豆腐やしじみも定番の具材。
《作り方》(作りやすい分量)
【1】塩蔵生わかめ20gは水でさっと洗い、3〜5分水に浸けて戻し、ひと口大に切る。
【2】鍋にだし汁3カップを入れて煮立たせる。煮立ったら弱火にし、みそ大さじ1と1/2を溶き入れ、【1】、小口切りにした長ねぎ10cm分を入れ、ひと煮立ちさせる。
「じゃこと大葉の混ぜご飯」のレシピ
これだけで栄養満点。いつもの和食。栄養満点“じゃこの黒酢炒め”は常備菜にも。
《作り方》(2合分)
【1】フライパンに太白ごま油大さじ1、じゃこ50gを入れ、油がなじむよう中火で炒める。黒酢大さじ2を入れてなじませ、こしょう少量を振る。

【2】ご飯2合分に【1】を入れて混ぜる。さらに大葉のみじん切り20枚分、白いりごま大さじ3を加えて混ぜる。

◆教えてくれたのは:料理家 ウー・ウェンさん

中国・北京市出身。ウー・ウェンクッキングサロン主宰。母親から受け継いだ中国家庭料理や医食同源に根ざした料理が人気で、中国の暮らしや文化を伝えている。『ウー・ウェンの麺 ごはん』(高橋書店)など著書多数。
撮影/木村拓 スタイリング/駒井京子 取材・文/岸綾香
※女性セブン2025年9月25日・10月2日号