「若い頃に比べて髪にボリュームがなくなった」「分け目が目立つようになった」など、年齢を重ねるとともに、髪にも変化を感じるもの。特に秋は、抜け毛が増えて心配になる女性も多いはず。そこで、女性の薄毛の原因や気軽に挑戦できる最新治療について、『湘南AGAクリニック新宿本院』院長の齋藤浩一さんに聞いた。

春と秋の季節の変わり目は、抜け毛が増える時期
実は、秋は抜け毛の季節といわれている。シャンプー中の抜け毛の量を見てギョッとしたという経験がある人もいるのでは。この時期に抜け毛が増える理由を齋藤さんに聞いた。
「紫外線量が多い夏は頭皮を守るために髪の量が増え、その役目を終えた髪の毛が秋になると抜けるんです。冬になると寒さから守るためにまた髪が増えて、春に抜けます。
春と秋の年に2回抜け毛が増えるのですが、秋に毛が抜けやすくなるのは人間が二足歩行になって頭皮が紫外線を浴びやすくなったために起こった変化です。ただし、現代人は空調の中で生活することが多いので、そのサイクルが乱れている人も増えてきてはいます」(齋藤さん・以下同)
女性はホルモンの影響で薄毛が進行する
加齢とともに薄毛が進行する理由は、女性ホルモンの変化が影響していると話す。
「女性の場合は40才頃から女性ホルモンのエストロゲンの量が急激に減っていきます。いわゆる更年期に向かっていくわけですが、エストロゲンは髪にプラスに働いているホルモンなので、減少する事で髪にも直接的な変化が出てきます。
具体的には、髪の量が減って毛の束が以前より細くなった、髪の分け目が広く目立つようになった、髪のコシがなくなってペタンとしてしまう、といった変化が40代以降の女性に起こりやすいですね」
女性の薄毛のほとんどが全体的に薄くなる『びまん性脱毛症』
男性の薄毛と違い、女性の場合は全体的に薄くなるのが特徴だという。
「男性の場合はおでこの生え際のM字部分が後退したり、頭頂部の薄毛が特に目立ってきたりするのですが、女性は『びまん性脱毛症』といって全体的に薄くなるのが特徴です。
とはいえ、分け目や頭頂部は女性でも薄毛を感じやすい部分なので、『エレベーターの中のカメラに映った自分の頭頂部を見て、髪が薄くてドキッとした』と相談にいらっしゃる方もいますね。
頭頂部を見る機会は少ないと思いますが、薄毛が進行しているサインは自分でも確認することができます。髪をおでこの真ん中で分けて、分け目の幅が5mm程度の線になっていれば問題ありません。しかし、髪の密度が低下して、薄く見える範囲が眉間(2〜3cm)より広くなっている場合は、薄毛が進行しているといえます。

軽に始められるレーザー治療『発毛レーザーFoLix』が登場!
髪のボリュームが減ったり、コシがなくなったりすると髪型が決まらないうえ、老けて見える原因にもなる。そんな切実な悩みを解消するレーザー治療が登場した。
「’23年にアメリカのFDA(食品医薬品局)の認可を受けた『発毛レーザーFoLix』というマシンで、当院では’24年9月に日本で初めて導入しました。
これまで治療で使われてきた内服薬のミノキシジルは効果が出る一方、体毛も濃くなるといった副作用があるため、敬遠する女性も多かったんです。
しかしこのマシン治療は、レーザーを頭皮に当てるだけで副作用もなく、発毛効果も充分感じられます。治療はレーザーで頭皮の奥にある毛根にダメージを与えることで休止中の毛根を目覚めさせ、発毛を促進。また、レーザーによるダメージを回復させる過程で成長因子が活性化され、毛母細胞が増殖するため太く強い毛を発毛させることができます。


照射するときに電気のピリピリとした感じがありますが、これまで『激痛で耐えられない』という人はいませんでしたよ。痛みに弱い人には麻酔も用意しています。
アメリカの事例ですと、1か月ごとに1回の照射で分け目が狭くなったり、皮膚の中に発毛前の毛が増えて頭皮が青白く見えるようになったりと、目に見える変化が徐々に表れ、半年ほどで髪が増えた印象になります」
『毛根再生注射』で劇的に発毛
もっと積極的な治療を希望するなら、毛根再生注射がおすすめだという。
「自身の健康な毛包組織を採取してそれを砕き、髪の毛の薄い部分に注入します。少し大がかりのように感じますが、治療は30分程度。これは劇的に変わりますよ。
毛包組織は成長因子を分泌する細胞なのですが、砕くと活性化するんです。それを注入すると発毛に必要な成長因子を分泌してくれるので、発毛を促進することができます。
1回の注入で成長因子の効果は半年くらい続くので、効果が出ていればもう半年後にもう1回。その後も1年に2回ずつ継続するのがおすすめです」


毛根が死滅する前に早めの治療がおすすめ
「薄毛はデリケートな問題なので他人から指摘されることはほとんどないのですが、やはり髪が太くボリュームがあると、若々しく見えますよね。その逆も然り、というわけです。
1つの毛根にある髪が生えては抜けて、また生え変わるサイクルは40回ほど。40回生え変わったらもう髪は生えてきません。1サイクルは2年から6年ですから正常であれば、最長240年くらい髪は生え変わるはずなのです。
しかし、加齢や環境などの影響でサイクルが早くなったり、毛根が途中で死滅したりすると発毛が難しくなります。生活習慣などが原因で髪の成長が遅くなる“休止期”に入っているだけなら何才からでも発毛は可能なので、治療は早く始めるに越したことはありません」
『湘南AGAクリニック新宿本院』
https://www.sbc-aga.jp/clinic/branch/agashinjuku/