シンプルなポタージュもカプレーゼもひと手間でグンとおいしくなる
コースの始まりを彩る前菜は、家庭では副菜として活躍してくれる。シンプルな料理だからこそ際立つ、洗練されたおいしさの秘訣が詰まっている。
「かぼちゃのポタージュ 」のレシピ
牛乳を使わないから濃厚なかぼちゃの風味がダイレクトに味わえる。
「牛乳などを加えず、かぼちゃだけで作る贅沢なスープ。じっくり炒めるひと手間で、かぼちゃの甘みが凝縮されます」(矢島さん)

《材料》(2人分)
かぼちゃ…200g 塩…適量 オリーブオイル…15g(大さじ1強) サワークリーム…15g (あれば)ピスタチオ…5〜6粒 オレンジオイル(またはオリーブオイル)…適量
《作り方》
【1】かぼちゃは皮をむいて薄切りにする。
【2】フライパンにオリーブオイルを熱し、【1】を入れて塩少量を振り、弱火でじっくり炒める。ときどき蓋をして蒸しながら加熱し、やわらかくなってきたら軽くつぶしながら、ペースト状になるまで炒める。鍋底が焦げつきそうになったら、水少量(分量外)を加えてこそげ取る。
【3】水700ml(分量外)を加えて混ぜながら10分煮る。塩で味を調え、ミキサーに入れてなめらかになるまで攪拌し、器に盛る。サワークリームをのせ、ピスタチオを砕いてのせ、オレンジオイルをかける。
《Point》
かぼちゃに“おまじないの塩”を。

「水分が抜けて、素材の味が濃くなります」(矢島さん)

「ペースト状になるまでじっくり炒めることで、かぼちゃの旨みと甘さを引き出しつつ、ウリ科の野菜特有のくさみを飛ばします。ときどき蓋をすると早く火が通ります」

「いちじくとモッツァレラのカプレーゼ」のレシピ
いちじくの甘みとチーズのコクがマッチ。
「モッツァレラチーズを常温に戻しておくのもポイント。口どけと調味料の味のなじみがよくなります。いちじくの代わりに、マスカットや熟れた柿でもおいしいですよ」(矢島さん)

《材料》(2人分)
いちじく…2個 モッツァレラチーズ…4個 バジルの葉…8枚 塩・粗びき黒こしょう・オリーブオイル…各適量
《作り方》
【1】モッツァレラチーズは常温に戻す。
【2】いちじくはくし形切りにし、【1】は食べやすく切る。
【3】器に盛ってバジルを飾り、いちじくに塩を振る。オリーブオイルをかけ、粗びき黒こしょうを振る。
《Point》
いちじくに塩を振ることで味にメリハリがつく。

「あらかじめいちじくを塩で和えても◎」(矢島さん)
◆教えてくれたのは:TACUBO オーナーシェフ 田窪大祐さん

国内外で修業後、2016年、東京・代官山に『TACUBO』をオープン。薪で焼き上げる肉など素材にこだわった料理が人気で、予約枠は即埋まるほど。白金台店、テイクアウトのドルチェを扱う『DOLCE TACUBO』も展開。
◆教えてくれたのは:TACUBO シェフ 矢島直樹さん

国内で修業後イタリアに渡り、ミラノ、トスカーナなど各地の名店で研鑽を積む。帰国後の2024年、『TACUBO 代官山』のシェフに就任。
◆TACUBO 代官山

東京都渋谷区恵比寿西2-13-16 ラングス代官山1F
16:00〜23:00(L.O.20:00)※完全予約制
日曜定休(不定休あり)
https://tacubo.com/
撮影/澤木央子 取材・文/平井薫子
※女性セブン2025年10月16・23日号