
女優の米倉涼子(50才)に突然浮上した麻薬疑惑。『週刊文春電子版』が10月11日、米倉の自宅で8月に家宅捜索が行われたこと、麻薬取締法違反容疑でマトリ(厚労省関東信越厚生局麻薬取締部)が本格的な捜査を進めていることを報じた。人気女優の疑惑は晴れるのか。【前後編の後編】
格好いいうちに区切りをつけたい
凜としたたたずまいと圧倒的な存在感で人気を博し、国民的女優としての地位をほしいままにする米倉。彼女が芸能界の道に足を踏み入れたのは1992年、高校生のときだった。
「友人のすすめで『全日本国民的美少女コンテスト』に応募し、加賀まりこさんの“この子は絶対に選んだ方がいい”という強い推薦を受けて、審査員特別賞を受賞しました。
その後はファッション誌の専属モデルとして活躍し、女優への転向を宣言したのは1999年。2001年に『非婚家族』(フジテレビ系)でアルゼンチンタンゴを踊る役を演じ、共演の真田広之さんに芝居の手ほどきを受けたことがきっかけで、真剣に演技に打ち込むようになったといいます」(芸能リポーター)
2003年にNHK大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』に出演して注目を浴びると、翌年、『黒革の手帖』(テレビ朝日系)の主演に抜擢され、同局が制作する松本清張シリーズに欠かせない存在となった。
「最大のヒット作は、米倉さんが華麗なメスさばきで人々の命を救う天才外科医を演じた『ドクターX〜外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)でしょう。2012年から2021年にかけて第7シーズンまで制作された同シリーズは、常に20%前後の高視聴率をはじき出し、最高視聴率35.2%という驚異的な記録を打ち立てました。劇中の“私、失敗しないので”という決めぜりふは流行語となり、米倉さんは街中でも“大門先生”と声をかけられるようになったといいます」(前出・芸能リポーター)
だが、ドラマが記録的なヒットを続ける一方で、米倉の体は悲鳴を上げ始めていた。

「2013年に放送されたシーズン2以降、米倉さんは常に視聴率の重圧に押し潰され、毎回、帯状疱疹を発症していたそうです。2019年には脳脊髄液減少症を発症し、頭痛やめまい、まっすぐ歩けないといった症状に悩まされ、一時は引退を考えるほど追い詰められていたといいます」(前出・芸能リポーター)
さらなる病魔が彼女を襲ったのは2021年頃。急性腰痛症と仙腸関節障害で背中を曲げることもできなくなった米倉に、ついにドクターストップがかかった。満身創痍の米倉はライフワークでもあったミュージカル『シカゴ』のブロードウェイ公演の降板を余儀なくされたという。
「できる限りの治療やトレーニングに取り組み、直前まで出演する方法を模索していたそうです。それでも、症状は悪化する一方で、ハイヒールを履くだけで激痛が走る。とても舞台に立てるような状態ではなく、米倉さんはSNSで悔しさを露わにし、公演を楽しみにしていたファンに向けて《ごめんなさい、本当にごめんなさい》と謝罪の言葉を繰り返していました」(前出・芸能リポーター)
復活を目指して2023年8月に脳脊髄液減少症の手術を受けた米倉が、無理を押して参加したのが『劇場版ドクターX』の撮影だった。
「現場でも激しい腰痛に苦しんでいました。短い距離を歩くのがやっとという状況で撮影は一時、中断されましたが、再開を望んだのは、ほかならぬ米倉さんだったといいます。“格好いいと言ってもらえるうちに区切りをつけたい”という、悲壮な覚悟でシリーズの最後を締めくくる劇場版をやり遂げたのです」(前出・芸能リポーター)
ドラマや映画では、タフで華麗な女性像を演じてきた米倉だが、その素顔は誰よりも繊細で、長引く闘病生活で身も心も疲弊しきっていた。