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《より安全な“総菜の選び方”》専門家が推奨するのは「加工度合いの少ないもの」「調味されていないもの」 和食系は栄養素が抜けていることも 

安全な総菜の選び方とは(写真/PIXTA)
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 自炊の手間を省く手段として重宝されているのが、スーパーやコンビニの総菜だ。しかし、その総菜のほぼすべての商品で添加物が使用されており、その添加物には健康に悪影響を与えるリスクがあるものも多い。では、どのような総菜であれば、比較的安心なのか──。【前後編の後編。前編から読む

「調味されていない総菜」

 添加物がほぼ必ず使用され原材料の産地もわからず、店内でどの程度の調理がされたかもわからない──だとすれば私たちはどのように総菜を選べばいいのか。食品ジャーナリストの安部司さんは「加工度合いの少ないもの」を挙げる。

「焼き魚や野菜の炒めものなどは加工工程が少ないので、添加物が入り込む余地も少なくなり、素材の味のごまかしもききにくくなるので、ある程度のクオリティーが担保されます。

 店内調理であるならば、どの程度店内で調理されているのか店員に確認するとより安心です」

どのような環境で調理されているか、できる限り確認したい(写真/PIXTA)
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 食の安全に詳しいジャーナリストの小倉正行さんが推奨するのは、調味されていない総菜だ。

「おひたしやごまあえなどすでに調味されているものは、調味料への不安もあるし、塩分の調整もできないため味が濃いことが多い。ドレッシングが別売りのサラダや焼きいも、マッシュポテトなどを買って、味つけは自分ですることをおすすめします」

「じゃがいも」か「マッシュポテト」か

 加工食品ジャーナリストの中戸川貢さんは、商品によって選び方は異なると指摘する。

「ポテトサラダやコロッケを選ぶ場合は、主原料にじゃがいもと記載されているものを選びましょう。ポテトフレークやマッシュポテトから作られていると、そもそもの安全性があまり担保できません。

 それから気をつけてもらいたいのはきんぴらや煮物といった和食。体にいいと思われがちですが、家庭での調理と違って、野菜をいったんゆでてから味つけしているケースが多く、そうすると栄養素がほとんど抜けてしまっています」

 添加物が含まれていることは前提のうえで、中戸川さんはファミリーレストランよりは総菜の方がまだいいと続ける。

「ファミリーレストランはそもそも食品表示がありませんから、何がどのくらい入っていて、添加物がどれほど使われているかはまったくわかりません。それに比べれば、食品表示を見ながら選べる総菜は、まだ多少の安全性の余地があると言えます」

 さらに中戸川さんがいま注目するのはコンビニだ。

「コンビニはパックなど包装容器の改良に力を入れていて、保存料などを使用しない、ほぼ無添加の総菜がたくさん並んでいます。店内調理ではないので、表示もしっかり書かれているし同じ総菜を買うならスーパーよりもコンビニの方が安心と言えるかもしれません。

 おにぎりもコンビニで買うことをおすすめします。例えばセブン-イレブンでは明太子やたらこのおにぎりへの発色剤使用を自主規制しています。発がん性リスクが指摘される亜硝酸ナトリウムなどの発色剤はボツリヌス菌の食中毒を防ぐために使用されるケースがあります」

 すなわち、コンビニのパッケージの工夫や消費期限を短く設定して菌が繁殖しないようにすることで添加物を使用しなくてすむようにしているのだ。

 私たちの生活の味方である総菜は選び方次第では“敵”にも“最強の相棒”にもなりうる。調理の手間をなくすぶん、健康にかける気遣いには多少の手間をかけて選びたい。

惣菜選びのチェックポイント
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(了。前編を読む

女性セブン20251030日号

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