夏の強い紫外線を浴びた肌に、秋が深まると同時に目立ち始める“シミ”。「カバーするためのメイクが大変」「気になっていたシミがさらに濃くなった」…。秋に深まるシミの悩みについて、最新の治療にも詳しい『湘南美容皮フ科 五反田院』院長の林篤志さんに聞いた。

シミの大きな原因は紫外線。加齢による真皮の衰えも一因に
加齢とともに増えていくシミ。一見同じように見えるが、実は種類や原因が異なり、それにともなって治療法も変わってくるという。
「シミには大きく3つの種類があります。1つ目は“日光性色素斑”。老人性色素斑とも呼ばれる、はっきりとした茶色いものです。一般的にシミというと、この日光性色素斑を指すことが多いですね。
2つ目は遺伝が関係するいわゆる“そばかす”、3つ目は女性ホルモンや紫外線摩擦が影響する“肝斑”です」

「日光性色素斑の主な原因は、その名の通り紫外線。皮膚の表皮には、メラニンを生成するメラノサイトという色素細胞があります。本来、メラノサイトは紫外線の刺激から細胞を守る働きをしているのですが、紫外線の強い刺激を受けるとメラニンを過剰に生成し、シミの原因となります。
さらに、最近、真皮の老化がシミの発生にも影響することが解明されてきました。真皮は表皮の下にあり、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを作り出すことで、肌に弾力やハリなどを与えている部分です。一見、表皮に現れるシミには関係ないように見えますが、紫外線や加齢などによって真皮にダメージが加わると、表皮にも刺激が伝わりシミができるということがわかってきました」(林さん・以下同)
紫外線のダメージの蓄積や真皮の老化などがシミの原因と聞くと、加齢とともにシミが増えるのも納得できる。また、アジア人などの黄色人種の肌はメラニンを生成しやすいため、肌質もシミが増える一因となっているという。
『シミ取りレーザー』なら一度の治療でシミを一掃できる
できてしまったシミをセルフケアで改善するのはやはり難しいもの。近年では、気になってきたシミをクリニックで治療することも、身近になりつつある。
「1回でシミを治療するなら『シミ取りレーザー』がおすすめです。専用のレーザーをシミにピンポイントで照射して、メラニンを含む表皮の細胞を破壊。火傷のような状態になるので一時的にシミが濃く見える期間がありますが、かさぶたが取れると1回でシミが薄くなります。かさぶたが取れるまでのダウンタイムは、約2週間です」

<Before>

<3日目>

<17日目>

ダウンタイムがない光治療も人気
「ダウンタイムが2週間もあるのは無理」という場合は、『IPL』での光治療という選択肢も。
「『IPL』は光治療機で、シミの原因となるメラニンに反応します。ダウンタイムがほとんどなく、5〜10回かけて少しずつシミを薄くしていく治療です」
シミ取りレーザーは肌に埋まっているメラニンの塊を一瞬で破壊する、光治療は塊をヤスリで少しずつ削っていくとイメージすると、わかりやすいかもしれない。
「注意していただきたいのが、肝斑です。肝斑にこれらの刺激の強いレーザーを照射すると、さらに濃くなってしまうことがあります。そのため肝斑には、トラネキサム酸などの内服薬と短い照射時間で行う『ピコトーニング』などを組み合わせた治療を行うことが一般的です」
シミ(日光性色素斑)と肝斑を見分けることは簡単ではないため、専門の医師の診察を受けるのがおすすめ。40~50代はシミと肝斑が混在しているケースも少なくないので、ひとりひとりに合った治療が必要になってくる。
シミのない肌をキープするためには、定期的なメンテナンスを
自身も年に一度はシミ治療を行なっているという林さんだが、シミ治療は早めが肝心だと話す。
「ご高齢の方の顔に、ザラザラした茶色のいぼのようなものがあるのを見たことがありませんか? これは脂漏性角化症といって、メラニンを含む表皮の細胞が長年の経過の中で過剰に増殖してできたものです。ここまで進行すると、炭酸ガスレーザーなどで治療するといった別の方法が必要になるため、シミが気になってきたら早めの治療を行うことが重要。クリニックでの定期的なお肌のチェックとメンテナンスをおすすめします」
ダウンタイムをマスクで隠せる秋冬は、シミ取りレーザー治療のベストシーズン。長期の休みが取れる年末は、特に来院者が増えるという。今年の秋冬は、蓄積したシミ悩みをクリニックで一掃してみては?
『湘南美容皮フ科五反田院』
https://www.s-b-c.net/hifuka/gotanda/