
バラバラとけたたましい音を立て、星条旗が描かれたヘリコプターが東京・六本木の米軍ヘリポートに降り立った。タラップを一段一段踏みしめるようにして降りてきたのは、アメリカのトランプ大統領(79才)。すぐさま、皇居へ向かうために黒塗りの車に乗り込んだ彼の心は弾んでいた。間もなく6年ぶりに、天皇陛下との再会が実現する──。
10月27日の夕刻、トランプ大統領が羽田空港に到着。そこでヘリに乗り換えて都心へ移動し、大統領専用車「ビースト」で皇居へと向かった。
「トランプ大統領は陛下の顔を見た途端にうれしそうな表情を浮かべ、ガッチリと握手を交わしました。会見では、“天皇皇后両陛下、ぜひホワイトハウスに来てください”と、両陛下をアメリカに招待する発言も飛び出した。大統領直々の招待もあったわけですし、近いうちに両陛下の訪米が実現する可能性もあるかもしれません」(宮内庁関係者)
両陛下にとって、トランプ大統領は即位後初めて迎えた国賓。思い出深い賓客との再会を果たしたその翌日、皇族方は年に2度の恒例行事に臨まれていた。
「赤坂御苑にて、秋の園遊会が行われました。当日は爽やかな秋晴れに恵まれ、出席者の皆さんも晴れ晴れとした表情でした。園遊会での女性皇族方の服装は洋装、洋装、和装、和装……というように、2回ずつ交互になっているのですが、今回は1年ぶりの洋装。雅子さまはラベンダー色のスーツ姿で登場されました。愛子さまはワインレッド色のスーツで、出席者の方々と積極的に交流を深められていました」(皇室ジャーナリスト)
女性皇族が色とりどりのスーツに身を包み、赤坂御苑に花を添えた園遊会から、遡ること1週間──10月20日の正午近く、雅子さまは美智子さまがいらっしゃる赤坂御用地へと急がれていた。
「91才のお誕生日を迎えられた美智子さまへのご挨拶のため、仙洞御所へと赴かれたのです。雅子さまは光沢のあるライトブルーのドレスに、同色の帽子を合わせていらっしゃいました。雅子さまは沿道の人々に向け、お車の窓を開けて笑顔で手を振られましたが、予定よりも2分ほど遅れての到着となったためか、車窓から覗いた横顔には、かすかに緊張の色が浮かんでいました」(皇室記者)

この日、ご公務で京都を訪問されていた秋篠宮ご夫妻はご不在となったものの、そのほか多くの皇族方は仙洞御所に勢揃いした。
「愛子さまをはじめ、ほとんどの皇族方は30分ほどで帰路につかれたのですが、両陛下は1時間ほど仙洞御所に滞在され、皇族方の中でいちばん最後のご帰宅となりました。戦後80年の今年、国内外を巡られた“慰霊の旅”に関するご報告や、今年7月、『心筋虚血』で入院された上皇さまのご体調についてなど、お身内での積もる話があったのではないでしょうか。
両陛下が上皇ご夫妻を訪ねられるとなると、移動の際の警備も大がかりになります。直接対面される機会は、そう頻繁にはないのです」(前出・皇室ジャーナリスト)
そんな貴重な対面の機会となったこの日、雅子さまが選んだドレスは、美智子さまへの“ご配慮”が詰まったものだったようだ。
「雅子さまは皇太子妃時代から、新年一般参賀などの“ここぞ”という場面でこのドレスを着ていらっしゃいます。2002年や2007年の一般参賀でもお召しですから、実に20年以上、大切にされていることになります。
さらにこのドレスは、2023年の美智子さまのお誕生日の際もお召しになっていて、頻繁に着用されている。美智子さまは、雅子さまのお召し物をよくおほめになるそうで、おそらく雅子さまの中には“美智子さまのお誕生日にはこの服で”というイメージがあり、それにふさわしい一着ということなのでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)
また、このドレスからは雅子さまが美智子さまから受け継がれた“美学”もうかがえるという。
「美智子さまは皇室入りされた当初から、着回しに大変心を配っていらっしゃいました。結婚後、初めての里帰りでお召しになったトルコブルーの大振袖の袖丈を大胆に詰め、最初の海外訪問であるアメリカに持参されたほか、海外訪問用に仕立てたイブニングドレスを、襟元の形を仕立て直して変化をつけ、長く愛用されてきたのです。
お召し物をミリ単位でお直しされていたことは知る人ぞ知るお話で、雅子さまもこうしたお心を受け継いで、皇太子妃時代に仕立てられたドレスをいまも大切にされているのでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)
※女性セブン2025年11月13・20日号







