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《新しい味覚えたか》愛子さまが訪れた「錦鯉発祥の地」をクマが襲撃「本来食べない魚を食べた」【専門家の解説】

全国各地で“愛子さまフィーバー”を巻き起こしている(2025年9月、東京・世田谷区。撮影/JMPA)
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未曾有のクマ被害が各地で起きているこの秋。天皇家の長女・愛子さまが9月に足を運ばれた新潟県では、これまでのクマの生態からは考えにくい事態が起きていた。

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「日本の国旗にそっくりですね」

愛子さまは9月6~8日にかけて、「防災推進国民大会2025」へのご臨席と、地方事情のご視察のため新潟県を訪問された。最終8日に立ち寄られたのが、小千谷市内にある「錦鯉の里」で、白い胴体に頭部の赤い斑紋が特徴の「丹頂紅白」という品種をご覧になった愛子さまは、先述のように感想を述べられた。

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その小千谷市内で、11月12日夕方、クマが目撃されたのだ。

「クマは養鯉池で鯉を捕食していました。体長約1mで、池の上に掛けられていた網を破って鯉を捕まえたようです。周囲には魚の鱗や死骸が散乱していました。近くにはクマのものとみられるフンもあったようです」(警察関係者)

小千谷市は錦鯉発祥の地とされ、約50の養鯉業者のいけすが点在している。だが、長らく錦鯉を育てている業者関係者でも、「錦鯉がクマに食べられたというのは初めて聞いた」という。クマの生態に詳しい、岩手大学准教授の山内貴義氏が解説する。

「本来、ツキノワグマは魚を食べません。おそらく、はじめは魚のエサを狙って養鯉池に入り込んだのでしょう。魚に与える配合飼料はクマにもおいしく感じるのではないかと思います。そういった個体が偶然に魚を食べ、それで魚の味を覚えた可能性はあります。私の知る範囲では、数年前から内水面で養殖しているマスやヤマメなどが食べられた事例がありました。それ以前まではそういったことは耳にしたことはありません」

クマが錦鯉やイワナなど養殖の川魚に手を出した背景には何があるのか。

「クマは泳ぎが上手で、水が苦手ということはありません。それでもこれまで魚を口にしなかったのは、山に充分な食べ物があったからです。今年はクマの主食であるドングリ類が不作で、魚を食べないといけないほどよっぽど山に食べ物がないということなのでしょう」(前出・山内氏)

同様の理由で、人身被害も広がっている。2025年度のクマによる死者数は、10月末時点で過去最多の12人を数える。10月16日には岩手県北上市の温泉旅館『瀬美温泉』で男性従業員が露天風呂の清掃中にクマに襲われて命を落とした。遺体には食害された形跡があった。その8日前にも、温泉から約2km離れた場所でクマに食害された遺体が発見されていた。

「そのクマは当初、人間を敵として襲った可能性が高く、死んだ動物を食べる習性から遺体を食べたことで、人間が獲物になると学習した。そしてそのクマが、最初から捕食目的で温泉の従業員を襲った可能性は充分あります」(前出・山内氏)

クマの食性が、今後大きく変わっていったとしたら――やってくるのはさらなる悲劇かもしれない。

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(2025年10月、写真/JMPA)
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(2025年10月、写真/JMPA)
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母校のイベントでリフレッシュする愛子さま(2025年11月、東京・豊島区)
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(2024年11月、東京・豊島区)
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