健康・医療

名医が選んで食べている「コンビニごはん」「スーパー総菜」 もち麦おにぎり、おでん、サラダチキン、刺身、焼き魚…“成分がしっかりわかる”からこそ栄養管理しやすい利点 

あらゆる分野の名医たちもコンビニやスーパーで手軽に済ませている(写真/イメージマート)
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 家で自炊する「内食」と飲食店を使う「外食」の間の存在として、コンビニやスーパーなどを利用する「中食」が多様化し進化している。便利な半面、添加物や栄養面が気になる……という人も多いだろう。しかし実は、あらゆる分野の名医たちも“愛用”している。いったい何を選んでいるのか。

名医たちが意識する「たんぱく質」

 仕事に家事、育児、介護、趣味と誰もが忙しい現代。丁寧に食事を作る時間はないし、子供が家を離れ夫婦2人分の食事作りがそもそも面倒という声もよく聞かれる。かといってコンビニやスーパーで手軽に済ませることに、どこか後ろめたさを感じてしまうこともあるだろう。

 だが、1日に100人は診察するという多忙な医師、おくむらメモリークリニック理事長の奥村歩さんはコンビニの“ヘビーユーザー”だと話す。

おくむらメモリークリニック理事長の奥村歩さん
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「基本はローカーボ(低糖質)、高たんぱく、高食物繊維がポイントで、サラダチキンやゆで卵、減塩野菜ジュースを選ぶことが多いです。これらの食材は食後の血糖値スパイクを抑制できて、肥満や糖尿病の予防になる。また、血糖値が上昇すると抑制される覚醒物質『オレキシン』が維持され、昼食後に眠くならず午後の仕事もはかどります」

 同じく高たんぱくを重視しているというのは、菅原脳神経外科クリニック院長の菅原道仁さんだ。

菅原脳神経外科クリニック院長の菅原道仁さん
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「私が意識しているのは、『たんぱく質+野菜+良質な脂質』をセットにすること。その一例でいうと、抗酸化ビタミンが摂取できて血圧管理によい野菜スープ、食物繊維とミネラルが豊富で動脈硬化を予防できる海藻サラダ、食物繊維が豊富で腹持ちがよく、血糖値が安定するもち麦おにぎり、そして良質な脂質を持つ魚を一緒に食べるようにしています。サラダチキンは高たんぱくで味つけがシンプル。血管の健康維持が期待できます」

 雨晴クリニック院長の坪田聡さんも「たんぱく質は良質な睡眠につながる」と続ける。

雨晴クリニック院長の坪田聡さん
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「照り焼きチキンと卵のサンドイッチは、よく食べます。同じく、たんぱく質が豊富で酒のツマミにもなるたことブロッコリーバジルサラダもよく選びます。高たんぱく質の『オイコスヨーグルト』も効率的にたんぱく質を摂れるので手に取ることが多いです」

 ほかにも多くの名医がたんぱく質を重視するなか、眼科医の平松類さんは、「コンビニやスーパーの食品は、自炊よりもたんぱく質、脂質、カロリーがしっかりわかるので栄養管理ができる」と利点を挙げる。

眼科医の平松類さん
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「炭水化物を摂りたいときは干しいも、たんぱく質はギリシャヨーグルト、抗酸化作用を期待して冷凍ブルーベリー、ミックスベリーなど、摂りたい栄養に合わせて食品を選んでいます」

 産婦人科医の高尾美穂さんも「小分けのものをいくつか組み合わせて栄養バランスをとる」と話す。

産婦人科医の高尾美穂さん
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「いちばんよく買うのはゆで卵です。たんぱく質が手軽に摂れるし、自分で作るよりもおいしい。気に入っているのは小さなカップに入ったサラダや和え物。いくつか組み合わせると飽きずに食べられるし、栄養が偏りません」

 あきこクリニック院長の田中亜希子さんは、コンビニ食品はたんぱく質を摂るために選んでいると話す。

あきこクリニック院長の田中亜希子さん
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「鶏むね肉サラダやカニカマと卵のサラダ、参鶏湯、ゆで卵がメインのラインアップです。たんぱく質をしっかり摂りたいときにコンビニに行くことが多いです」

「おにぎり」も選び方で栄養価がアップ

 手軽に食べられるのがコンビニ食品やスーパー総菜の大きな利点だ。丸の内の森レディースクリニック院長の宋美玄さんは、サッと食べられるものでも、栄養価の高さを基準にする。

丸の内の森レディースクリニック院長の宋美玄さん
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「韓国のり巻きのキンパや肉まんはよく買います。炭水化物、肉、野菜がすべて入った“完全食”で、たんぱく質も脂質もしっかり摂れます」

 ひとりの食事をサッと済ませたいと選びがちなのがおにぎりやサンドイッチ。名医たちはそこでも独自の基準があると、ナビタスクリニック理事長の谷本哲也さんは語る。

ナビタスクリニック理事長の谷本哲也さん
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「精製した白米よりも食物繊維がありビタミンも豊富な玄米おにぎりにしたり、食物繊維とビタミンが摂れる納豆巻きを選ぶこともあります。塩分を控えるためにしょうゆはかけないか、半分以下にすることを心がけています」(谷本さん)

 味の好みよりも、やはり重要視するのは栄養価。

「味だけで選べばカリカリ梅とか野沢菜のおにぎりが好きですが、たんぱく質を摂るために大きな鮭が入ったものをよく食べます。いわゆる鮭フレークではなく、切り身がごろっと入ったタイプ。口の中でほろっとほどけるのがお気に入りです」(高尾さん)

 SAWAKO CLINIC×YS統括院長の日比野佐和子さんが選ぶのは、もち麦入りのおにぎりだ。

SAWAKO CLINIC×YS統括院長の日比野佐和子さん
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「コンビニで食品を選ぶ基準は、添加物が少なく加工度が低いもの。そして、たんぱく質や食物繊維が摂れて血糖値が急上昇しにくいものです。

 もち麦は水溶性食物繊維が豊富で、腸内環境を整えます。白米より腹持ちがいいのもポイントです」

 日比野さんは、「総菜を選ぶなら、油の使用が少ない、野菜がたっぷり摂れるもの」と続ける。

「抗酸化作用の多い緑黄色野菜がたっぷり入ったラタトゥイユやほうれん草のごま和え、ひじきの煮物はよく買います。クリニック終わりの夕食で選ぶのはローストビーフ。さばや鮭など焼き魚もオメガ3脂肪酸が豊富で、老化対策にいいので選ぶことが多いです」

 野菜多めのメニューを好んで手に取るというのは田中さんも同じ。

「スーパーやデパ地下でお総菜を買うときは、低カロリーで野菜をおいしく食べられるものを選んでいます。特においしかったのは、サラダうどん、塩麹豚しゃぶ鍋、トリッパの煮込み、モッツァレラチーズのサラダですね」

 近年は手間がかかり、においなども気になると、家で魚料理を避ける人が増えた。日本人には魚の摂取量が足りていないと語るのは谷本さんだ。

「総菜を買うなら、さばや鮎、鮭の塩焼きなどの魚をぜひ食べてほしいですね。良質なたんぱく質が含まれ血液をサラサラにするEPA、コレステロール値の改善や認知機能の低下を予防するDHAなどが多く、とても体にいい。

 焼き魚は総菜の中でも加工度が低く、安心して食べられます」

ヘルシーおやつは無塩と無糖

 コンビニやスーパーで買うのは食品だけではない。いまやコンビニスイーツは“専門店以上”とも注目され、健康志向の高い商品も多い。

「70%以上の高カカオチョコレートは、砂糖が控えめで高酸化物質が豊富です。カカオフラバノールには血管内皮機能改善や脳血流増加作用があり、いくつかの臨床研究で認知機能テストを改善した報告があるため、認知症予防に補助的に役立つ可能性が示されています。小分け包装されているものなら、量の調整がしやすいのも利点です」(菅原さん)

 ヘルシーなナッツは美容効果も期待できる。

「血糖値が乱れにくく、抗酸化物質が豊富。小腹対策にもってこいなうえ、美容に欠かせないビタミンEが豊富なナッツ類は、どこのコンビニでも買うことができます。ただ、無塩のものを選ばないと塩分過多でかえって体に悪いので注意しましょう」(日比野さん)

 塩分と同様、砂糖も摂りすぎは禁物だ。ヨーグルトや野菜ジュースなど体にいいと思っても砂糖や人工甘味料まみれでは意味がない。

「ヨーグルトは高たんぱくで腸活にもぴったりですが、無糖を選ばないと逆効果です。WHO(世界保健機関)は1日の砂糖摂取量として25gを推奨しており、スイーツやジュースを選ぶとすぐに超えてしまいます。無糖のヨーグルトにはちみつをかければ砂糖の量を抑えられ、ビタミンやポリフェノールを摂れるのでおすすめです」(谷本さん)

ヨーグルト
ヨーグルトは無糖を選ばないと逆効果になる(写真/PIXTA)
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 最近はどこのコンビニやスーパーでも置いてある冷凍フルーツも、前出の平松さんのほか、複数の医師から選ばれている。

「冷凍のマンゴーやブルーベリーをおやつに選ぶことがあります。カロリーが低くて抗酸化作用があり、ポリフェノールを含むので美容にもいいんです」(高尾さん)

 昔ながらのおやつである干しいもや焼きいもは腸内環境の改善にぴったり。

「自然の甘みで、食物繊維が豊富です。便通改善にもいいので美容効果も期待できます」(日比野さん・以下同)

 これらのおやつのお供や、眠気覚ましにコーヒーを飲むのもおすすめだとか。

「米ハーバード公衆衛生大学院(HSPH)の研究によると、1日に2〜3杯のコーヒーを飲むと心疾患リスクが21%低かったといいます。肝臓の疾患、肝臓がんに関してもがんの発症や肝硬変の死亡リスクが低かったという報告もある。

 さらに最近の研究では抑うつ状態や不安障害、認知症リスクの低下とも関連があるというメタ解析も出ています。私は最近、美容のために豆乳ラテやオーツミルクラテを選ぶようにしています」

デパ地下散策が認知症予防に

 便利でコスパがいいだけでなく、選び方次第でさまざまな健康効果を得られるコンビニ食品やスーパー総菜だが、栄養価と同時に使用されている添加物をよく見て慎重に商品を選んでほしいという。

「ハムやソーセージは発がん性リスクがあると指摘される亜硝酸塩が多く含まれており注意が必要です。また、適量であれば体にいいコーヒーも、飲みすぎると頭痛のもとになるケースがあります。週に2〜3日はノンカフェインの日をつくりましょう」(菅原さん)

 日比野さんが続ける。

コンビニやスーパーで食品を選ぶことは脳の活性化につながる(写真/PIXTA)
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「なるべく添加物が少なく加工度合いが少ないものを選ぶようにしましょう。原材料表示はシンプルなものがいいですね。中食が続けば、いくら栄養価の高いものや体にいいものを選んでも負担が生じます。適度な頻度でうまく使いこなしてください」

 コンビニやスーパーで食品を選ぶことは、脳の活性化につながると奥村さんは指摘する。

「今日は何を食べようか、新しい商品を試してみようという行動は脳を活性化させます。コンビニやスーパー以上に、デパ地下は季節の食材が並ぶので、散歩をするだけでも脳が刺激され認知症予防になります」

 名医たちの「お気に入り食品」を参考に、コンビニやスーパーの食品を食卓にうまく取り入れよう。

※女性セブン2025年12月4日号