
「おせちを作るのは大変だし、買っても食べきれない」──そんなあなたにおすすめしたいのが、グルメ界を代表する料理人たちの「逸品おせち」。家族や友人と食事を共にすることが多い年末年始のごちそうにぴったりの、とっておきレシピを「車力門 おの澤」店主の小野澤誠さんが紹介してくれた。おせちに欠かせない3品と絶品巻きずし。赤をきかせて目にも鮮やかに。
ハレの日の料理は見た目の美しさも大切
独立後、約1年でミシュラン一つ星を獲得、いまや予約困難な和食の名店が教えてくれたのは、おせちに欠かせない料理。
「切るときに高さや厚さをそろえる、形を整えるといったひと手間で、見た目の美しさに差が出ます。これだけでもごちそう感が増しますよ」
さらに、コースの途中に提供される、名物のとろたく巻きも特別に伝授。口の中でとろける巻きずしは、ハレの日にふさわしい逸品。
「とろたく巻き」のレシピ
ホロッと崩れるシャリとぜいたくに巻いたまぐろは至福の味わい。

《作り方》(作りやすい量)
<合わせ酢>赤酢1/4カップ、米酢大さじ1弱、砂糖20g、岩塩8gを混ぜ合わせる。【1】ご飯120gに合わせ酢大さじ2強(35ml)を加え、酢飯を作る。
【2】巻きすの上にのり2/3枚を置き、上に【1】を均等に広げる。まぐろのたたき125g、周りをかつらむきしてせん切りにしたたくあん25gをのせて、巻いていく。
【3】食べやすい大きさに切って器に盛り、土佐しょうゆ、わさびをつけて食べる。<土佐しょうゆ>「米菱醤油」(P80参照)9カップ、煮切った酒・煮切ったみりん各1カップ弱(180ml)を混ぜてかつおぶし30gを加え、1日置く。
《Point》

中太巻きが最適なので、のりは2/3の大きさに切る。ほんのり温かいご飯に、赤酢とまぐろたっぷりがおいしさの決め手。市販のたくあんは外側が硬いので、厚めにかつらむきして除き、せん切りにする。
「鶏松風」のレシピ
くるみの歯触りとレーズンの甘みがアクセント。

《作り方》(作りやすい量)
【1】フライパンに鶏ひき肉150g、砂糖・酒・しょうゆ各大さじ1を入れ、炒める。火が通ったら冷ましておく。
【2】ボウルに鶏ひき肉150g、卵1個、刻んだくるみ50g、レーズン10g、砂糖・しょうゆ・みりん各大さじ1、白みそ大さじ1と1/2、塩ひとつまみを入れて混ぜる。
【3】【2】に【1】を加えて均一になるよう混ぜたら、耐熱容器に入れ、上にけしの実適量を満遍なくのせる。180℃のトースターで25分焼く。
【4】冷めたら容器から取り出し、食べやすく切る。
《Point》

肉だねは、加熱したものと生のものを同量ずつ混ぜてトースターで加熱すると、焼き縮みせず、時短にもなる。