
新しい年を迎えて早くも半月。慌ただしい日常生活が始まり、どっと疲れが出ている人も多いはず。年を重ねるごとに月日が過ぎゆくスピードに圧倒され、せわしない毎日を送る中で心を整えるとっておきのセルフケア習慣が話題。メンタルケアはもちろん、脳の活性化による認知症予防や、一定時間の没入体験によりストレスホルモンを低下させ自律神経を整えることで健康効果も期待できる「メディカル写経」を伝授する。書道家・永山玳潤氏のお手本に沿って般若心経を書き写すことで、功徳が得られ本来の清らかな心を取り戻そう。
集中して丁寧に向き合うことが最高のマインドフルネス
仏教の経典を書き写す写経は集中力を高めるなどの効果がうたわれるが、書家で心理カウンセラーの永澤典子さんは「単にお経を書き写すだけではなく、心身を整えるための優れたセルフケア」と話す。

前頭前野の血流がアップ
「一文字ずつ集中して書くことで、脳の司令塔である前頭前野の血流が増え、集中力アップや感情のコントロール、さらには認知症予防にもつながるトレーニングになります。同時に、執着を手放すという仏教的な教えを学び、誰もが本来持つ慈悲心を取り戻すことで心理的回復を一度に体験できるのが大きな特徴です」(永澤さん・以下同)
写経で主に用いられるのは、仏教の経典の中で最も短く、聖武天皇の時代から親しまれる「般若心経」だ。

「まず深呼吸をして悩みを脇に置き、45分以上集中してみてください。書き終えた後に自分の心の状態を俯瞰することで、より高いストレス軽減効果が得られます。『般若心経』はわずか262文字ですが、そこには600巻の『大般若経』の教えが凝縮されており、書き写すだけで大きな功徳があるといわれています。さらに音読も加えれば、脳の活性化と教えの定着にいっそう効果的です。

“病は気から”と言うように、心が満たされれば免疫力や回復力にもいい影響を及ぼします。雑念や執着をはがし、本来の清らかな心と元気な体を取り戻すことこそが、メディカル写経がもたらす本質的な価値なのです」

株式会社Show-Mon Artの清水健人さんと永澤さんが主催する「メディカル写経会」(2025年12月13日)では、「JRA 有馬記念」の題字揮毫などで知られる書道家でアーティストの永山玳潤さんが文字の書き方を指導し、瑞華院了聞住職の福井威人上人の法話も。参加者たちはセルフケアの効果を体感できる。


◆永澤典子さん

聖路加国際病院の日野原重明先生の監修のもと、1969年開設の赤坂・永沢クリニック理事、書家、心理カウンセラー。「トータルケア」を目標に患者の心を癒す医療を大切にしている。
◆永山玳潤さん

伝統を重んじた本格派書道を貫きつつ、革新的なアート作品も生み出す書道家。「天岩戸神社」奉納やライブパフォーマンスなど多岐に渡る活動を行う。
取材・文/福井智子 撮影/横田紋子(本誌)協力/瑞華院了聞・福井威人上人 株式会社Show-Mon Art(https://show-monart.com/)
※女性セブン2026年1月29日号