健康・医療

《本当に頼れる病院とは?》発症すれば命にかかわる大動脈疾患 発症を未然に防ぐために手術するか「治療しない」か…病院や医師の選び方

大動脈疾患について本当に頼れる病院や医師の選び方とは(写真/PIXTA)
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 日本人の死因第2位は「心疾患」。ひとたび心臓が動くのをやめてしまえば、待っているのは死だ。しかし、心臓の声に耳を傾け、わずかな異変を見逃さない病院との出会いが、運命を大きく変える。あなたの“生涯のパートナー”を守る病院は、こうして見つけられる。ジャーナリスト・鳥集徹氏と本誌・女性セブン編集部が、心血管疾患について“本当に頼れる病院”の見極め方を取材。第3回は大動脈疾患についてお届けする。【全3回の第3回。第1回から読む

「治療しない」という選択肢も考慮

 発症すると命にかかわるのが大動脈疾患だ。これには動脈硬化で血管の一部が薄くなり瘤状に膨れる「大動脈瘤」と、血管の内側が裂けて大動脈の壁の中に血液が流れ込む「大動脈解離」がある。

 発症すると突然の激痛に襲われ、大出血や血流障害で最悪の場合には死に至る。近くの人が胸や腹の激痛を訴えて倒れた場合には、一刻も早く救急車を呼んでほしい。救命が可能な状態のときには、破裂や解離を起こした血管を切除して、人工血管に置き換える手術が行われる。心臓手術の中でも難しく、死亡リスクも高い。

 したがって、大動脈疾患を専門とする心臓血管外科医が所属する救急病院や心臓専門病院へ運ばれるかどうかも、運命を左右するといえる。

 また、検査などで未破裂の動脈瘤や解離が見つかった患者に対して、発症を未然に防ぐために手術が行われることがある。近年では、カテーテルで人工の筒を挿入し、破裂を未然に予防する「ステントグラフト」と呼ばれる治療も普及した。大動脈瘤は動脈硬化に伴い増えるので、高齢者が治療の対象になりやすい。

 ただ、見つかっても「治療しない」という選択肢を考慮すべきだと豊橋ハートセンター副院長で、心臓血管外科医の大川育秀医師は訴える。

豊橋ハートセンター副院長で、心臓血管外科医の大川育秀医師
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「高齢者は治療せず、内科で体調を維持した方が、その人のためになる場合もあります。そう言うと、『もう治療は諦めろ』と言っているように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。

 80代以上の人は入院をきっかけに体力が低下してしまう場合もあります。それを考えると、治療して後悔するよりも、残された時間をどう過ごすかを考えることも大切だと思うのです」

 リスクの高い心血管疾患が見つかった場合には、こうした話も率直にしてくれる病院で治療を受けた方がいいかもしれない。ではあらためて、どんな病院を選ぶのが理想なのだろう。川崎幸病院副院長で心臓血管外科医の高梨秀一郎医師が話す。

「病院選びには、治療実績の多さがひとつの目安になります。多くの患者さんが集まっている病院は、地域の医師から信頼され、紹介されている証でもあります。

 もちろん実績だけで判断する必要はありません。最終的には、自分や大切な家族の体を安心して任せられると感じられる病院や医師を選ぶことが、何よりも大切です」

 病院選びは、治療実績や担当医師からの納得できる治療方針の説明、地域の開業医からの評判など、さまざまな情報から判断することが大切だ。

 

名医が選んだ「心臓血管外科」で頼れる病院
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名医が選んだ「循環器内科」で頼れる病院
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(第1回から読む)

【プロフィール】
鳥集徹(とりだまり・とおる)/同志社大学大学院修士課程修了(新聞学)。新著『妻を罵るな』が発売中。

女性セブン2026129日号