健康・医療

《隠れ高血圧「モーニングサージ」「夜間高血圧」》見抜くためには起床1時間以内と就寝前の2回測定を 日中に測っても“本当の数値”が出ない可能性

「モーニングサージ」「夜間高血圧」を見抜く方法とは(写真/PIXTA)
写真4枚

 いま高血圧治療を受けている全国1600万人以上の患者のうち、女性は約866万人と半数以上を占める。高齢化とともに男女とも高血圧を発症する人は増え続けていて、潜在患者数は4300万人ともいわれる。放置すると命を脅かされる危険があり、多くの女性を悩ませる「国民病」とどう向き合うべきか。最新事情を追った。【全4回の第3回】

漫然と測っているだけでは見抜けない「モーニングサージ」「夜間高血圧」

 血圧には個人差があるからこそ、自宅で定期的に測定して実態を把握することが欠かせない。日本の高血圧の診断基準は「140/90mmHg以上」だが、自宅では血圧値が低く出やすいことから家庭血圧は「135/85mmHg以上」とされている。

 かかりつけ医から血圧が高めだと指摘され、自宅で毎日血圧を測定しているという人は多いだろう。だが、測定方法にもコツがある。日中に測っても“本当の数値”が出ない可能性がある。東邦大学名誉教授で循環器専門医の東丸(とまる)貴信さんが語る。。

「最もポピュラーなのは、起床後1時間以内と、夜寝る前に測るやり方です。どちらともしばらく安静にしてから2回測ります。その平均値をとるのが大事です」(東丸さん・以下同)

 一般的に朝は心身が活動を始めるタイミングなので血圧が高めになりがちだが、就寝前の数値と比べてあまりに高いときは、「モーニングサージ」の可能性がある。

「朝、目覚める前後に急激に血圧が上昇するモーニングサージは、塩分過多や喫煙、加齢がリスク要因になるとされます」

 モーニングサージは病院での診断や健康診断では発見しにくいので、朝の自宅測定を大切にしたい。

 夜寝ている間に血圧が上がる「夜間高血圧」にも警戒が必要だ。

夜間高血圧は、脳卒中や心筋梗塞を発症するリスクが高まる(写真/PIXTA)
写真4枚

「睡眠中のリラックスした状態では副交感神経が働いて血管が広がるため、通常は日中に比べて血圧が10〜20%程度下がるとされます。しかし臓器障害や自律神経障害、不眠症やストレスを抱えるかたなどは夜間高血圧になりやすい。夜間でも血圧が高いままだと心臓の負担が大きくなり、血管にもストレスがかかり続けて脳卒中や心筋梗塞を発症するリスクが高まります」

 特に女性は閉経後のエストロゲンの急激な減少や自律神経の乱れから夜間高血圧になる恐れがあると指摘される。夜間高血圧の診断基準値は「120/70mmHg以上」が目安と定められるが、モーニングサージと同様に気づきにくいという難点があり「隠れ高血圧」と呼ばれる。

「朝と夜に血圧を測定し、寝る前は低いのに朝の血圧が高い人はモーニングサージや夜間高血圧の可能性があります。専門の医療施設では24時間血圧計などで細かく測定する場合もあります。計測していて違和感があったら医療機関を受診し、医師に相談しましょう。血圧を毎日測り、記録することは体に起こっている異変を見抜く重要な習慣です」(谷本さん)

 高血圧と賢くつきあうには、わずかな徴候を見逃さないことも不可欠なのだ。

「そもそも高血圧は自覚症状がないまま進行するので“サイレントキラー”と称されます。だからこそ定期的に測定して経過観察を続けて、動悸やほてり、めまいやしびれといったサインが生じたら早めに受診してください」(東丸さん)

高血圧治療を受けているのは男性よりも女性が多い
写真4枚
同じ数値でも人によってリスクの高さは違う
写真4枚

(第4回につづく)

女性セブン202625日号 

関連キーワード