
いつまでも自分の足で歩くためにはストレッチや運動が大切。それはわかっていても、ひざや腰に痛みがあると、なかなかままならないもの。だが「寝たまま」なら、体に負担もかからず、らく~にできる!特に起床後すぐに体をほぐすことは、命を守ることにも直結。いますぐ「ごろ寝」でレッツストレッチ!
寝たままストレッチでスッキリ目覚める
寝転がったままでできるストレッチは、特に起床後すぐにやることで効果を発揮する。
起床後すぐに体を起こすと、急に血圧が上がることで脳梗塞を発症する恐れや、足元がふらついて転倒するリスクもあるため、ストレッチは単に体をほぐすだけでなく、命の危険を予防し寿命を左右する。外科医の川村明さんも「起きてすぐに体をほぐしておくことが必要」と言う。
「就寝中はあまり体を動かさないため、寝起きは筋肉が硬直し、血流が滞っています。その状態で起き上がるとひざや足首がうまく動きません。起き上がる前に、体をほぐして『動ける体』にしておく必要があるのです」(川村さん・以下同)
目覚めたら布団の中で体を伸ばし、筋肉を動かすことから一日を始めることだ。
「筋肉を動かすと血流が増え、全身の冷えやむくみの改善、老廃物の排出が促進されます。脳も活動モードになるため目覚めもスッキリ。免疫力も上がります」
整体師の南雅子さんは、「横になったまま安全にできる、ごろ寝ストレッチが寝起きには最適」と言う。
「立って行う運動よりも関節や骨への負担が少なく、体全体も動かしやすい。転倒リスクもありません。それに寝たまま行うからこそ、ちょうどいい自重効果が得られ、5分程度ストレッチを行うだけでも体が整いやすくなります」(南さん・以下同)
ごろ寝ストレッチは、朝だけでなく、もちろん日中や夜に行ってもいい。
「体のゆがみが取れるので疲れも軽減されて、よく眠れるようになります。毎日続けることで体が整えられますが、痛みを感じる場合は無理をせず、心地よく感じる程度にしましょう」
かかとを刺激できるストレッチもあり、骨を丈夫にする効果も得られる。
「骨形成の速度が落ちるのは、かかとが最初です。骨密度を上げるためにはかかとに刺激を与えることが重要です。ごろ寝ストレッチでかかとの上げ下げなどをすれば、適度に刺激が与えられ、骨粗しょう症や骨折予防にもつながります」
100才まで自分の足で歩くためにも毎日行い、動ける体をつくり続けよう。
ストレッチ前の準備とやること
《準備》寝る前に枕元などに用意するもの
【1】コップ1杯程度の水
ペットボトルなどに入れて枕元に置いて寝よう。
【2】長めのタオル(約1m)を1枚
ストレッチで使用する。
【3】アロマ
ラベンダーやベルガモットなど、好きな香りのアロマスプレーやオイルなど。
【4】室内は20℃前後に設定
ストレッチで体をほぐしても、室温が低いと寒く感じて筋肉が硬くなってしまう。

《朝》ストレッチ前にすること
【1】起きてすぐに伸びをする
筋肉や関節を思いっきり伸ばしておくと、睡眠中に滞った血流が促進され、脂肪燃焼効果が高まる。
【2】水を飲む
睡眠中に失われた水分により、起床時は軽度の脱水状態に。寝起きにひと口水を飲むと筋肉の柔軟性が高まる。
【3】「今日も元気に!」などポジティブな言葉を発する
口元のウオーミングアップを兼ねて、ポジティブな言葉を声に出すと、気持ちも上がる。
《昼中》昼寝後にすること
【手をもむ】
眠気を感じたらアラームをかけて15分ほど仮眠をとろう。起きたら手をもむと目覚めがよくなる。
《夜》ストレッチ前にすること
【1】布団に入る1時間前に入浴を終える
入浴後、体が温まっている状態でストレッチを行うと、体がほぐれやすく、疲労回復やリラックス効果も上がる。
【2】お気に入りの パジャマを着る
肌触りのいいお気に入りのパジャマを着て行うと、毎晩ストレッチをするのが楽しみになる。
【3】アロマをセット
好きなアロマの香りの漂う部屋でストレッチを行うと、気持ちもリラックスして、ストレスも緩和される。
朝ストレッチ1「口元と全身をほぐす声かけストレッチ」
起きてすぐに手足の指を動かすことで末端から筋肉がほぐれ、動ける体になる。「ストレッチを行う際に、『今日もいい日になる』『すべてうまくいく』など、前向きでポジティブな言葉を自分にかけると、一日元気に過ごせます」(南さん)。

【1】「足指がよく動く」などと声を出しながら、足指でグーとパーを5回繰り返す。これで末端に刺激が与えられ、血液やリンパの流れがよくなる。


【2】「指の動きもスムーズ」などと声を出しながら、両手を上に伸ばして、両手の指でグーとパーを5回繰り返す。

【3】「指が楽に開く」などと声を出しながら、両手をまっすぐ上に伸ばして指を組み、手のひらをひっくり返す。

【4】「首がよく動く」などと声を出しながら、指を組んだまま腕を床と平行になるように伸ばす。首の伸びを意識し、顔を左右に各5回倒す。


朝ストレッチ2「O脚を改善し、姿勢をよくするカニ歩き」
股関節がゆがむと太ももの内側の内転筋の衰えに直結し、ひざが外に広がるO脚に。姿勢が崩れてつまずき、転倒の原因となる。内転筋を鍛えて、一生歩ける体を目指そう。
【1】あお向けに寝て、両手は手の甲を上にして、体から少し離れた場所に置く。両ひざを立てて、両足は肩幅に開く。

【2】ひざは開いたまま、かかとを動かさず、足先のみを内側に向ける。

【3】次に、足指裏を床につけたまま、かかとと足先を交互に内側に向ける動作を3回繰り返す。



【4】最後に両足をそろえ、足先からかかとまでピッタリとつける。1〜4の動作を3〜5回繰り返す。

朝ストレッチ3「ひざの動きをよくするひざ裏伸ばし」
ひざが曲がるとまっすぐ立てなくなり、姿勢の悪化から骨盤がゆがみ、腰痛、腸のトラブルなどあらゆる不調の原因に。ひざ裏をしっかり伸ばして骨盤を立て、全身の血流をよくしよう。

あお向けに寝て、左足のひざを立てる。右足裏にタオルをかけて足を上に伸ばす。ももの後ろやひざ裏が伸びていることを意識し、5秒キープ。左足も同様に。
昼中ストレッチ1「体の巡りをよくするグーパーもみもみ」
日中の活動力を高めるストレッチ。テレビを見ながら、家事の合間に行うと血流がよくなる。

【1】手を組み、両指の先で手の甲をグーグーと押す。

【2】手を開き、手のひらの底を合わせたままパーッと両手を開く。1と2の動作を10回繰り返す。
よく眠れるようになる夜のストレッチ
日中、動いていると筋肉は緊張状態になり、体のゆがみの原因になるほか、自律神経が乱れて睡眠の妨げになる。寝る前にお尻~足の筋肉をほぐそう。
夜ストレッチ1「ヒップラインもアップするひざ抱え」
お腹やひざ裏を収縮させた後に足を伸ばすと、緊張と弛緩によって血流がよくなる。「足の指先をつかんで伸ばすことでも足裏が刺激され、体がほぐれて自律神経が安定します」(川村さん・以下同)。

【1】あお向けに寝て、両腕で両ひざを抱える。

【2】両足の先を両手でつかんでぐっと引っぱる。

【3】両足の先をつかんだまま、息を吐きながら両足を上げ、ひざ裏を伸ばして5秒キープ。無理のない範囲でOK。
夜ストレッチ2「体の力を抜き、自分をねぎらう脱力ストレッチ」
良質な睡眠のためには体の緊張をとり、脱力することも重要だ。「寝る直前に行うのがおすすめです。『今日はお疲れさまでした』と自分に声をかけると、入眠もスムーズになります」(南さん)。

【1】あお向けになり、手の甲を上にして体の横に置く。両足を肩幅に広げて床につけた後、右足のみ上げる。

【2】右足を上げた状態からストンと床に落とす。左足も同様に行い、左右各2〜3回行う。
【3】右手をスーッと上に伸ばし、そのままストンと床に落とす。左手も同様に行い、左右各2〜3回行う。

【4】1〜3を行う際、「ありがとう」など自分をねぎらう言葉をかけながら行う。
◆教えてくれたのは:南雅子さん
整体エステGAIA代表。著書に『死ぬまで寝たきりにならない1日1分ごろ寝整体』(SBクリエイティブ)がある。
◆教えてくれたのは:川村明さん
かわむらクリニック院長。著書に『10歳体が若返る!奇跡の寝たまま1分ストレッチ』(宝島社)がある。
取材・文/廉屋友美乃
※女性セブン2026年3月5日号