「女性管理職5割へ」清家区長が描く、組織づくり

杉本:私は経営者としてどうしても気になるのですが、清家さんは区長として約2300人の職員を率いる組織のトップでもいらっしゃいます。どのようなリーダーシップを心がけていらっしゃいますか。
清家:さまざまなバックグラウンドや働き方の希望があるので、一人ひとりの思いを踏まえて、専門性や経験が最大限に生かせる組織にしていく必要があると考えています。
杉本:私は19才で初めて就職したのが住宅販売会社でしたが、当時の上司のことはよく覚えています。まだ若く、勢いだけだった私に真正面から向き合ってくれ、見守ってくれました。いまは自分が上司の立場になりましたが、『あの人がいたから』と思ってもらえる上司になれるよう心がけています。女性区長として、ご自身の背中を見て育っていく女性管理職を増やしたいというお気持ちはありますか?
清家:もちろん能力と希望に応じてですが、女性管理職を5割に増やしたいという思いはあります。ただ、管理職になりたがる女性がまだ多くないのが実情です。そこで100人ほどの女性職員に理由を聞いたところ、管理職になると議会対応など動かせない予定が増えてしまうという声が多い。子育て中は職場内で互いにフォローをしながら休みをとれるようにしていますが、管理職になれば休みづらかったり、同僚に頼みづらい仕事がどうしても出てきます。働くモチベーションも民間とは違い、公共のために働くという使命感が求められる。そのあたりをどう対応していくか、職員と話し合いながら改善していきたいと考えています。
杉本:お話をうかがっていると、区のトップとしてだけでなく、一人ひとりの働き方や人生に向き合おうとしている姿勢が伝わってきます。清家さんのような方が増えて行政の現場が柔軟な空気になっていけば、地域全体の力も引き出されるはずです。(後編へ続く)
◆シーラホールディングス会長 杉本宏之さん
1977年生まれ、神奈川県出身。高校卒業後、宅建主任者資格を取得し不動産会社に営業職として就職する。2001年に独立し、エスグラントコーポレーションを設立。05年、不動産業界史上最年少で上場を果たすが、09年に民事再生を申請。2010年にシーラテクノロジーズを創業し、事業の拡大を続け、2023年に米国ナスダックへの上場を実現。業界の発展にも積極的に関与し、一般社団法人AI不動産推進協会の監事、一般社団法人日本不動産クラウドファンディング協会の理事、新しい都市環境を考える会の理事を務める。2025年に株式会社クミカと経営統合を行い、同年6月1日付でシーラホールディングスへと商号変更。代表取締役会長に就任した。
◆港区長 清家愛さん
1974年生まれ、東京都港区出身。青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科卒業後、産経新聞に入社。記者として社会部で、主に事件、行政取材を7年間担当する。退職してフリーランスとして働くも、出産後に待機児童問題に直面。ブログ上で同じ悩みを持つ母親たちの声を集めて行政に提言する「港区ママの会」を発足。2011年から港区議会議員を4期13年務め、2024年に港区長に就任した。