《4月から自転車の交通違反にも罰金》オバ記者、原チャ免許を取って気づいた“自転車の危険さ”「罰金だけでなく、自転車講習を義務づけてかわいいシールを付与したらいい」

4月からの道路交通法改正で、自転車の交通ルールが変わり、違反者に罰金が科せられることとなる。女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子氏は、今回の改正について何を思うのか? オバ記者が綴る。
* * *
「走る罰金おばさん」だったと思う
さぁ、あと1か月足らずで始まるよ。何がって、自転車で交通違反をしたら青切符を切られて罰金を取られる制度よ。
その額がまたエグいんだわ。
走りながらスマホを注視したり通話したら、罰金1万2000円! 右側通行、信号無視、歩道の自転車走行、これらみんな6000円だって。さらにさらに、イヤホンをつけて走ったり、雨の日に傘をさしての運転は5000円。横二列になって走っても、1人3000円の罰金。
都心を自転車で走ることに30代で目覚めた私は、これら、全部やっていました。おそらく、1日走ったら5万円は間違いなく吹っ飛ぶ「走る罰金おばさん」だったと思う。
そうそう、「お酒を飲むから今夜は自転車で行くよ」というのも酒気帯び運転扱いとなって、〈3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金〉。明らかな酒酔い運転をしたら〈5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金〉って、もう、絶対にしたらダメでしょ。さらに、「ちょっとくらいいいじゃん。飲んじゃえ、飲んじゃえ」とすすめた人も〈2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金〉よ。

私ら昭和ど真ん中生まれの人間にとって、「幸せ」「ごきげん」の象徴として脳裏に刻まれているシーンがある。『8時だョ!全員集合』(TBS系)でのほろ酔いの加トちゃんだ。自転車を右に左に動かしながら、「♪わぁぁたしぃぃがぁ、さぁさげぇえたぁ、とくらぁ」と当時の大ヒット曲『女のみち』を気持ちよさそうに歌っていたあれよ。20代初めだった私は、その当時つきあっていたバカ男と同じようなことを何度もやっていたような気がする。
正直なところ、60才になるまでは、「誰も歩いていない信号でなぜ停止するかわからない」というのが、自転車に乗るときの私の基本姿勢だったの。だって、頭の中に道路交通法がないんだもの。お巡りさんだって「ダメだよ」とは言うけど、「すみませ〜ん」と謝ればお咎めなしだった。
原チャの免許を取って気づいたこと
でも、人って立場が変わると世の中の見え方が変わるのね。60才で原チャ(原動機付自転車)の免許を取って道路交通法の中に入ったら、世の自転車たちが危なくて見ていられなくなったんだわ。
東京は相変わらずスポーツ車が流行っていて、なんと、原チャで時速30kmで走っている私を追い抜こうと煽ってくるのよ。でも、おばちゃんはそんな挑発には乗りません。速度を落として先に行かせるわよ。
そういえば、私より10才以上年上のセンパイって、なぜか体に合わない27インチの自転車がお好きなのよね。手に余るハンドルをフラフラさせながら公道を正面から走ってくるもんだから、たまったもんじゃない。あと、夜でただでさえ見えづらいのに、黒っぽいジャンパーを着ていきなり私の前に横入りしてくる高齢者の自転車運転に何度肝を冷やしたことか。激しく心臓を波打たされて以降、私は日が落ちたらもぅ原チャに乗らないことにしている。
そんな話を東京近郊に住む60代のK子にしたら、彼女は「ルール違反の自転車に青切符は大賛成」と言う。
「近所の子育てママは、ほんと無敵よ。大きな電動アシスト自転車の前と後ろに子供を乗せて、買い物してきたエコバッグを左右のハンドルに引っかけて、すごいスピードで車の間をすり抜けるんだから。トラックだって電動ママには道を譲るからね」と言う。「パートと子育てで息つくヒマがない保育園の送り迎えママは、くわえたばこで片手運転するしね」。
私は思うんだよね。罰金で縛るだけじゃなくて、自転車に乗る人全員に自転車講習を義務づけて、とびきりかわいいシールを付与したらいいんじゃないかと。
あと、東京の交通事情に関してどうしても言いたいことがあるの。
それは、銀座通りや浅草、秋葉原の通りなどをヘンな着ぐるみを着た外国人が乗り回している”ゴーカート”よ。なぜ彼らはヘルメットなしで公道を堂々と走れるのか。扱いとしては普通自動車だそうだけど、国際免許があればアレを好き勝手に乗り回せるなんて、なんだか甘すぎると思うんだわ。
もう1つ。道路に緊張感を漂わせる電動キックボードにも困ってる。制限速度が時速20kmとはいえ、16才以上なら誰でも免許なしで道路を走れるんだよ。自転車をガチガチに取り締まるだけじゃなく、外国人の無法者や暴走キックボーダーを野放しにしておくのは、どう考えてもおかしいって。
【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。
※女性セブン2026年3月19日号