症状が出たらすぐにのむ
充分な効果を実感するためにはのみ方が重要だという。樫出さんは「お湯に溶かしてのむ」のがポイントだと説明する。
「顆粒やシロップの葛根湯を、お湯に溶かしてのむと吸収がよくなります。特に症状がつらいときは、お湯で葛根湯をのんだ後に、もう一杯お湯をのむと葛根湯が持つ体を温める作用が促され、早くよく効きます。逆に冷たい水でのむと、その効果が充分に発揮されないこともあります」
独特のにおいや味が苦手という人は、お湯に溶かした葛根湯に甘味を加えるのも一案だという。
「1才未満の乳児にはのませたらダメですが、お子さんにはちみつを入れてのませる人もいます。黒糖を加えるのもおすすめです」

のむタイミングは「症状が出たとき、なるべく早く」が鉄則だ。西洋薬の場合、「1日3回毎食後」というように、のむ回数と時間が決められており、途中で服用をやめるのはよくないとされることが多い。しかし、このルールは東洋医学に基づいた漢方薬には当てはまらない。
「葛根湯の場合は1回のんだだけでも『症状がよくなったら、もうのまない』のが基本です。決められたタイミングと回数できっちりのむという西洋医学的な考えではなく、自分の体と相談しながら服用することが重要です。一方で、のんでも症状が改善しない場合は、違う漢方薬に変えた方がいいでしょう」
「予防」や「健康目的」にと、毎日のむのも避けるべきだと続ける。
「葛根湯はあくまでも症状を治すときに活躍する漢方薬なので、風邪を予防したり体質を改善したりという効果はありません。毎日のむための漢方薬はほかにたくさんあるので、目的に合わせて選ぶことが大切です」
つらい症状にフォーカスする
どんな薬にも副作用があり、それは西洋薬だけでなく漢方薬も同じ。特にほかの薬との併用には注意すべきだと樫出さんは話す。
「例えば葛根湯に配合されている麻黄の成分『エフェドリン』は、気管支を拡張し呼吸を楽にする効果があります。ただし、市販の総合感冒薬や鎮痛剤などさまざまな薬に含まれているので、重複すると効果が強く出すぎてしまう可能性がある。花粉症の薬にも配合されているので、花粉症薬をのんでいる人は服用前に成分を確認し、重複を避けるようにしてください。
ほかの漢方薬を日頃から服用している場合も、葛根湯を併用することでむくんだり血圧が上がったりするケースがあります。葛根湯をのむ際は、普段のんでいる漢方薬はいったんやめた方がいい。そのときいちばんつらい症状にフォーカスするのがよいでしょう」
また、漢方では体質が重要な要素となる。葛根湯にも合う人と、合わない人がいるという。
「葛根湯に含まれる麻黄は心臓に負担がかかる生薬の1つ。体の弱い人がのむと動悸が起きて眠れなくなるといった副作用が出る可能性もあるので、おすすめできません。特に心臓や腎臓など循環器の疾患がある人は注意が必要です。また、高熱で食事もとれないような状態でのむのはやめた方がいい。服用の際は医師や薬剤師によく相談してください」
体の不調を整える葛根湯。賢く、正しく活用して、つらい花粉症の季節を乗り切ろう。
※女性セブン2026年3月19日号