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「インバウンド、円安と時代は確実に変わっている…」オバ記者がコンビニの新装開店で実感した“押し寄せる時代の波” 

コンビニで感じた時代の波 

 違うのは人前での居眠りだけじゃない。欧州の人、というのもずいぶん乱暴な言い方だけれど、彼らは「肩こりをしないんじゃないか説」があるの。その場しのぎの“観光語”しか知らない私のリサーチ力なんかたかが知れているけれど、イタリアやフランスで知り合った人に「肩こり」を伝えようとして成功したためしがないのよ。いろんなジェスチャーをしてもポカンとされるだけ。仲よくなった人に肩を触らせてもらったこともあるけど、いわゆる“ガチガチ”とはほど遠いんだわ。パリに留学経験のある人に聞いたら、向こうにも鍼灸院はあるんだって。彼女は体調が悪くなると鍼を打ちに通ったそうだけど、そこの顧客は日本、中国の人がほとんどだそう。つまり、欧州人とアジア人は体質が違うのか? 

 それと関係があるかないかわからないけど、体感温度も違うんじゃないかと思うよね。秋葉原を歩いている中国や韓国などアジア系の人は、私と同じ、長袖シャツに薄いダウンコートという“中途半端な春の装い”をしているけれど、すれ違いざまに「えっ?」と振り返ったのは欧州の3人の若者だ。日中の最高気温が5℃で夕方から北風も吹いた日に半袖Tシャツで、首から腕からバリバリのタトゥーを見せて歩いているんだよ。冷たい風に首をすくめるでもない。富士山をとんでもない薄着で登って遭難した外国人が時々ニュースになるけれど、薄着で無事下山した外国人はその何十倍もいるんじゃないかと思う。 

欧州人とアジア人は、基礎体温が異なる(写真/イメージマート)
写真2枚

 人類みな兄弟、とわかったつもりでいてもわからない。それでも、インバウンド、円安と時代は確実に変わっているんだなと思うのよ。つい最近、うちの近所のコンビニが改装のため半月ほど店を閉めた。いやぁ、いつものコンビニが利用できなくなるとこんなに不便だとは思わなかったね。何を買う買わないじゃない。コンビニは私の意識の中にあって、いつでも受け入れてくれる。それがなくなったら、世界の一片が削り取られたような気持ちになったの。で、待ちに待った新装開店の日に一番乗りしたら、なんとイートインスペースが消えて売り場に変わっている。そこでちょっとした作業をよくしていた私は、こんなところにも時代の波が押し寄せたのかとため息が出た。 

 さて、イランとアメリカの戦争で私たちの暮らしがどう変わるか。どう考えても、よくはならないよね。うとうと居眠りなんかしていたら生き残れないぞと思ったら、あ、ちょっと目が覚めたわ。 

【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。 

※女性セブン2026年3月26日・4月2日号 

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