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《キムチやヨーグルトも要注意》腸の老化を防ぐために…「腸に悪影響を及ぼす添加物」「選び方に注意すべき食べ物」 加工食品を通して複数の添加物を摂取することの問題も 

腸の老化を防ぐために避けるべき食品とは(写真/PIXTA)
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 心身の健康を保ち、元気でいるために重要になる腸活。しかし、いくらせっせと腸活しても、腸にダメージを与える食べ物を口にすれば効果は台無し。病気や体の老化に直結する“腸の老化”を防ぐために私たちが避けるべきものとは何か。 

 人生100年時代、いつまでも若々しく健康でい続けるための鍵を握る「腸」。腸が元気なことで、老化防止や病気の予防、さらには美容やメンタルまで健やかでいられる。 

 内科医の大西睦子さんが腸の機能についてこう話す。 

「腸は単なる消化器官ではありません。栄養を吸収するだけでなく、免疫を担って病気や炎症を抑え、さらにバリア機能で異物を通さない壁を持つ、体にとって非常に重要な臓器です」 

 こうした大切な腸の機能を損なう危険性があるもの、それが食品に含まれている添加物だ。 

 私たちの食生活にもはや欠かせないものとなった添加物について、さいとう内科クリニック院長の斉藤雅也さんが警鐘を鳴らす。 

「例えば、加工食品やコンビニのお弁当などに含まれるような添加物は、腸の免疫細胞を不活化させます。それにより、感染症に対する免疫低下、発がんリスクの高まり、高齢のかたの場合は悪性腫瘍につながるリスクが上がります」 

コンビニ食品などは、腸の免疫細胞を不活化させる(写真/PIXTA)
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 消化器外科医の石黒成治さんは、添加物による腸漏れリスクについて指摘する。 

「腸の内側には粘膜があり、腸の上皮細胞を守っています。ところが添加物はそのバリアを破壊し、傷つけてしまう。その結果、本来なら腸のなかで閉じ込めて便と一緒に排出するはずの未消化の食べ物や、細菌、細菌由来の毒素が腸の隙間から血液のなかに入りこむ。これがリーキーガット症候群、いわゆる“腸漏れ”の状態です」 

 腸漏れになると腹痛や慢性疲労、アレルギー、肌荒れなど全身にさまざまな症状が現れる。もしこれらの不調に悩まされているとしたら、その原因は普段口にしている食品に含まれる添加物かもしれない。 

天然由来でも気をつけたい添加物 

 ひと口に添加物といっても、種類によって腸に与える影響には大きな差がある。特に「警戒すべき添加物」は何なのか。石黒さんが真っ先に挙げるのが、「乳化剤」だ。 

「本来混じり合わない水と油を均一に混ぜ合わせる(乳化させる)ために使われるのが乳化剤です。粘度を高める目的で用いる場合は増粘剤、増粘安定剤などと表示することもあります。 

 代表的なのがカルボキシメチルセルロースで、これを摂取すると腸内環境が悪化し、短鎖脂肪酸という食物繊維を発酵してできる有益な脂肪酸が低下します。また、ポリソルベート80という乳化剤は、腸の粘膜を直接破壊し、腸のなかで炎症を引き起こすというデータが出ています。しかし、いずれも食品表示には一括して『乳化剤』と書かれるため、私たちには判別できません」(石黒さん) 

 添加物には「天然由来」もあるが、だからといって安心安全とは限らない。医学博士で一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会代表理事の岩崎真宏さんは、卵黄の成分として知られる乳化剤の一種、レシチンの名を挙げる。 

「卵から摂取する分にはそれほど問題はありませんが、添加物として使うと悪影響が出やすくなる。腸内細菌がレシチンを代謝すると、トリメチルアミン-N-オキシドという有機化合物が生成され、動脈硬化を促進することがわかっています。たとえ天然由来であっても、抽出方法や過剰に摂取することで腸内環境を荒らす要因となります」(岩崎さん) 

腸に危険を及ぼす添加物
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 ほかにも天然由来で気をつけたい添加物があると石黒さんが続ける。 

「ゼリーや豆腐などにも使われているカラギナンという『増粘剤』に注意です。海藻由来の添加物ですが、多く摂取すると腸漏れを引き起こすというデータも得られています」 

 人工甘味料の摂りすぎも禁物だ。特にスクラロースは、カロリーがゼロで砂糖の約600倍もの甘さを持つことから、「ノンカロリー」や「カロリーオフ」といった食品や飲料に使われることが多いが、大西さんはこう注意を促す。 

「スクラロースは腸内に棲息する有益な細菌群、腸内細菌叢(マイクロバイオーム)に悪影響を与える可能性が指摘されます。腸内細菌叢は消化を助けたり免疫システムを強化するなど、重要な役割を果たしている有益な細菌群ですが、げっ歯類を対象とした研究ではスクラロースが腸内細菌叢のバランスを崩し、炎症を悪化させる可能性があることが示されています」 

 味だけでなく、見た目を整える添加物にも要注意だ。 

「タール色素などの合成着色料は、お菓子や漬けもの、清涼飲料水などを美しく着色し食欲を刺激します。しかし、これらは腸内細菌によって分解される過程で生じる物質が、腸の粘膜細胞のDNAを損傷し、炎症を引き起こすリスクが報告されています」(斉藤さん) 

 さらに石黒さんは、ハムやソーセージなどに使われる亜硝酸ナトリウムにも注意を促す。 

「色を鮮やかに見せる発色剤や防腐剤として広く使われていますが、大腸がんの発症リスクを上げることがわかっています。この亜硝酸ナトリウムの分解物であるニトロソアミン類にも、発がん性がある可能性が指摘されています」(石黒さん・以下同) 

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