健康・医療

《絶対に後悔しない最期のために…》70才以降のお金との向き合い方 節約に走るのではなく「自分で貯めたお金を使いきる」ことが大切 いちばん不要なものは「がまん」

通帳を見つめる女性
70才以降は節約ではなく、自分のためにお金を使うべきだ(写真/PIXTA)
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 100年にわたる“人の一生”を1日に置き換える「人生時計」の考えでは、70才は「午後5時」にあたる。仕事や家事をようやく終えて、自由時間を迎えたばかり。楽しいことがまだまだたくさん待っている時間帯だ。では、悔いのない最期を迎えるには、どのようにして60代、70代以降を過ごしていけばいいのか。そして、生活のために必要な“お金”はどうすればいいのか──。医師や専門家に「60才ではじめること」「70才でやめること」を取材した。【全3回の第3回。第1回から読む

60代の「仕事」「へそくり」で老後資金にスパート 

 老後が不安だからといって、70才以降に節約にばかり走るのは考えものだ。そもそも70才以降は第二の人生のはじまりでありながら、立派な老後でもある。高齢者専門の精神科医である和田秀樹さんが解説する。

「一生懸命に貯めたお金を“不安だから”と使わないまま亡くなってしまったら、大きな後悔が残ります。日本は国民皆保険で、大きな病気をしてもかかる医療費は一定。なのに日本人は貯金ばかりで、お金を使い切れないまま亡くなってしまう人があまりにも多い」

 80代、90代になる前に、節約はやめて自分のためにお金を使うべきだと、専門家は口をそろえる。「人が亡くなるときはあの世に何も持っていけない」と語るのは医師・作家で諏訪中央病院名誉院長の鎌田實さんだ。

「生まれたときにゼロなら、亡くなるときもゼロ。大切なのは、自分で貯めたお金を上手に使い切ること。80代になるとだんだん体が動かなくなるので、やりたいことにお金を使えるのは70代のうち。ここで全資産のうち自分の葬儀代として200万円ほどを残し、あとは3分の2を老後資産に、3分の1は自由に使って、楽しく暮らすべきなのです」(鎌田さん)

「オーバー70終活」準備リスト
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 それでも不安なら、60代のうちから「へそくり」をはじめればいい。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが言う。

「へそくりがあると突発的な支出に対処でき、心理的な余裕が生まれます。収入の5〜10%を目安に、自分名義の銀行預金かたんす預金にこっそり回すだけ。中には、夫の年金だけで生計を立て、自分の分の年金は全部へそくりにする女性もいます」

 70代で節約をやめるため、60代のうちに働いて老後資産をつくるのもいいだろう。仕事は老後資産寿命だけでなく、健康寿命を延ばすのにも役立つ。

「頭も体も動かさなければならないので、長く働き続けるほど、健康寿命を延ばせます。実際、就業率が高い都道府県ほど平均寿命が長く、老人医療費が少ないことは統計で明らかです」(和田さん)

 週に何回かのアルバイトでも、外に出て誰かと会話し、社会とのつながりを得ながら、お金も手にすることができる。

「役割意識を持って責任を果たすことで〝自分は社会の役に立っている〟と感じ、自己肯定感が上がる。通勤が運動になり、日常的に働くことで生活リズムが整うのも仕事をする大きなメリットです」(三原さん)

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