
あの「ランウェイ」に、スターたちが再び集結―5月1日の公開からわずか2週間で映画『プラダを着た悪魔2』は、日本国内での興行収入が30億円を突破し、“プラダ”旋風を巻き起こしている。“働く女性のバイブル”として愛されてきた作品の待望の続編は、20年の時を経て、なぜいまなお私たちを夢中にさせるのか。ファッションモデル・タレント・執筆家の押切もえさんが自身の体験を交えながら、ストーリーやファッションの魅力を語る。
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前作が公開されたのは、私がまだ駆け出しのモデルだった頃。シャネルやクロエなど、リアルタイムで憧れていたブランドのアイテムを大きなスクリーンで見ることができて、ワクワクしたのを覚えています。当時は仕事で落ち込むことも多かったのですが、「ファッションってやっぱり楽しい」と励まされました。
前作の完成度が高すぎて続編は難しいといわれていたなか、満を持しての公開です。前作からそれぞれの道で活躍してきた出演者たちが、もう一度集まるなんて、それだけで期待感が高まります。久しぶりの“再会”では、それぞれが20年の間で成長していました。特にファッション誌『ランウェイ』の危機を救うため理念を犠牲にして、なりふり構わず動いたアンディは、夢と理想のために突き進んだ前作と違って、大人の仕事をするようになったなと感じました。

ミランダが年齢とともに老いや弱みといった人間らしい部分を見せるようになったのも共感できました。前作の強さを貫いてほしいとの意見もあるようですが、私は強さに固執しないミランダに前作以上の魅力を感じたんです。劇中のせりふの通り「人間は完璧じゃない」んですよね。すごくシンプルで昔からある言葉だけど、いまの私に大切なことだなと胸にすとんと落ちました。
劇中で描かれたファッション誌の衰退もすごく身に染みます。何日も前からイメージを膨らませてボディーメイクして撮影に臨むモデルとしては、雑誌ではなくスマホの小さな画面でサッと見られると重みがなくなるようで寂しい限りです。ファッション誌というひとつの文化がなくなることを憂うミランダの心情に、「わかる、わかるよっ」と映画館で思わず声を出しそうになったほど。最後にミランダがアンディに語る言葉には、変わりゆく時代にあっても流されない芯の強さが大事だという力強さを感じました。すごく重いせりふでしたが、夢を叶えて自由を手に入れるためにはきれいごとばかりじゃダメなんです。

今作も前作に引き続き、ストーリーだけでなくファッションの見どころも満載です。ほんの一瞬のシーンでもファッションに対する細やかな愛情が半端じゃない。ファッションのこれまでの歴史を改めて再発見する機会にもなりました。
私ももう46才。まだまだ失敗も反省も多くて、へこむこともある。空回りしながらも前に進むアンディの姿を見ると、やっぱり逃げてばかりでは成長できないなと感じます。登場人物への応援が、自分へのエールとなって返ってくるんですよね。どんなことも素敵な自分になるための栄養だから頑張っていこうと、改めて思わせてくれました。
※女性セブン2026年6月4日号