
さまざまな料理との相性がよい万能食材の「しょうが」は血行促進、冷え予防など健康効果もお墨付き。そんなしょうがの効果をより引き出す「しょうが油」をご存じだろうか。常備すれば、梅雨バテに負けず健康に過ごすための強い味方になる。
脂肪燃焼、血行促進、腸活、アンチエイジング―美しく健康に過ごすための“スーパー調味料”としていま注目されているのが、しょうがとオリーブオイルで作る「しょうが油」だ。
しょうがは漢方薬の7割以上で使用
なぜ「しょうが油」が健康にいいのか。しょうがの健康効果について、イシハラクリニック副院長の石原新菜さんが解説する。
「しょうがに含まれる『ジンゲロール』や『ショウガオール』には、血行を促進する作用があります。そのため、冷えや肩こりなど血流悪化による不調に効果があるだけでなく、代謝がアップして、コレステロール値や中性脂肪値、血糖値の改善も期待できます。ほかにも痛みや炎症を抑えたり、殺菌作用があるなどさまざまな働きがあり、生薬として漢方薬の7割以上にしょうがが配合されています。それくらい多様な効果を持っていますね」
ジンゲロールやショウガオールはポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用があり、アンチエイジング効果も期待できるという。
「紫外線のダメージによる活性酸素を除去し、肌のターンオーバーを促してくれます。胃の粘膜を刺激して消化を助ける健胃作用もあり、胃腸の調子も整いやすくなります」(石原さん)
一方、オリーブオイルにも健康を支える成分が豊富に含まれている。管理栄養士の菊池真由子さんが言う。
「オリーブオイルに含まれるオレイン酸は腸内を潤し便の排出を促す作用があるため、便秘が解消されて腸内環境が整いやすくなります。特にエクストラバージンオリーブオイルは、オレイン酸や抗酸化作用のあるビタミンEも豊富なので、老化予防に役立ちます」
“太る”“健康に悪い”と敬遠されがちな油だが、選び方次第では味方になると石原さんは言う。
「オリーブオイルには悪玉のLDLコレステロールなど血中の脂質を減少させる効果があります。オリーブオイルを使う地中海食を食べている人は、心疾患や肥満、糖尿病など生活習慣病のリスクが低下するといわれています」
実際、しょうが油を1か月食生活に取り入れたことで「体重が2kg減って、血管年齢も実年齢より10才も若くなった」という声もある。しょうがとオリーブオイルが持つそれぞれの健康効果が合わさることで相乗効果を発揮し、“最強の調味料”となるのだ。
皮はむかないのがポイント
しょうが油を作るには、しょうがと油を「1対1」で合わせて作るのが基本だ。菊池さんが誰でも簡単にできる黄金レシピを伝授する。
「すりおろしたしょうが100gに対してオリーブオイル100ccの割合が目安です。市販のしょうがは1袋80g程度のものが多いので、その場合はオリーブオイルを80ccに減らしてください。フライパンにオリーブオイルを入れて中火で温め、細かな泡が立ったら弱火にして、しょうがを加えます。そこから1分ほどヘラで混ぜながら加熱しましょう」(菊池さん・以下同)
しょうが油作りで大切なのが、「焦がさないこと」。焦がすとしょうが特有の香り成分が失われるため、火加減には注意。
「火加減は常に弱火から中火の間にし、温度を上げすぎないのがコツです。粗熱が取れたらガラス瓶に入れて蓋をし、冷蔵庫で保存して1~2週間以内に使い切ってください」
しょうがは、千切りやみじん切りで作ってもいいし、皮も余すことなく使おう。
「ジンゲロールなど健康にいい成分は、皮のすぐ下に多く含まれているので、皮はむかずにそのまま使ってください。しょうがを洗った後に水分が多く残っていると油となじみにくく、油はねの原因にもなるので、表面の水気は軽く拭き取りましょう。
オリーブオイルのほかに、同じく熱に強くて酸化しにくいごま油や米油で作るのもおすすめ。ごま油には血液サラサラ効果のあるセサミンが豊富で、米油には強い抗酸化作用を持つトコトリエノールが多く含まれています」(石原さん・以下同)

香がよく減塩効果も
しょうが油を常備すれば、いつものメニューの味わいを変えたいときに役立つ。
「炒め物からスープ、ドレッシングまで幅広く使える万能調味料です。炒め物に少し加えれば香りがたつし、スープやパスタに少しかけてもいい。意外と相性がいいのが和食。納豆や冷ややっこ、湯豆腐にかけてもおいしく食べられます」
しょうがの辛味と油のコクにより、塩分を控えても物足りなさを感じることがなく、減塩にもつながる。
「肉や魚などの焼き油として使うと、しょうがの香りと辛味で、塩分を減らしても満足感を得やすい。減塩すれば血圧対策やむくみ防止にもつながります。夏バテで食欲がないときには、チャーハンや焼きそばに入れれば、しょうがの香りが食欲をそそります。ただし、しょうがは過度に摂ると胃に刺激があるので、しょうが油は1日にスプーン1杯程度を目安にしてください」(菊池さん)
石原さんも、食べすぎには注意してほしいと話す。
「油は1gあたり9kcalあり、炭水化物やたんぱく質に比べて2倍以上も高い。いくら健康にいい油でも太る原因になるので、上手に使いましょう」
手軽に作れる万能調味料「しょうが油」。日々の食事に上手に活用したい。
万能調味料「しょうが油」レシピ
《材料》
すりおろしたしょうが(皮つき)100g、オリーブオイル100cc
《作り方》
【1】フライパンにオリーブオイルを入れて中火で温める
【2】細かな泡が立ってきたら弱火にして、しょうがを加える
【3】ヘラで混ぜながら1分ほど加熱して火を止める
【4】粗熱が取れたらガラス瓶に入れて蓋をし、冷蔵庫で保存する
《ポイント》
★皮も使うのできれいに洗い、水分は拭き取る
★【2】では弱火と中火の間にして温度を上げすぎない
★冷蔵庫に入れたら1~2週間以内に使い切る
★すりおろしでなく、千切りやみじん切りでもOK!
※女性セブン2026年6月11日号