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そして「変わり者同士」の恋が始まった【第7話中編】『YES!逆張り人生~高須克弥物語~』

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すべて想像の逆を行く男、高須克弥の破天荒な人生を描く連載『YES!逆張り人生~高須克弥物語~』! 読めば悩みが全て吹き飛ぶ、そんなパワフルすぎる人生を、どうぞご堪能あれ。

第7話:デリカシーのない初夜の話【中編】

シヅは動物好きで、優しい性格の持ち主。(本人提供)
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* * *

「ドンドン!」

 翌朝、ドアを激しく叩く音で目が覚めた。克弥が起き上がり、「友達かな?」と目を擦りながらドアに向かうのをシヅは布団の中から見ていた。ドアを開けるや否や相手が叫ぶ。

「あんた昨日キャベツ盗んで逃げただろ!」

 克弥の後ろ姿で見えないが、大家のようだ。

「僕じゃありません。証拠はあるんですか?」

「あんたの仲間が『高須逃げろ!』って言ってたんだから、あんたに決まってんだろ!」

──あの同級生、やっぱりバカだったんだ。

「すみません。僕です。一応、地面に百円置いてきたんですけど」

──意外とすぐに謝れるのね。

「あんなもんで許せるか、ばかやろう! 今日中に出てけ! でないと警察に突き出すぞ」

 バタン!という音と共に静寂が訪れた。ここで何を言うかがその男の度量を示す。シヅは待った。克弥が振り向き、目が合った。

──さあ、何を言う?

「いやー、大家の息子が飼ってる鳩を食べたことがバレなくてよかったよ」

──は?

 シヅは完全にフリーズした。初夜が明けた朝に聞く告白としては、あまりにもサイコパスである。しかもそのサイコ野郎はシヅのフリーズを余所目に話し続ける。

「夜に食べるものがなくなってさ、ジビエってことで塩ふって。流石に何度もやるとバレるから一回きりだけど、うまかったなあ」

 シヅは怒りに震えながら色々と言いたいことを我慢して言葉を絞り出した。

「……私、動物好きだから。今後、ペットを食べたら許さない」

 高須克弥という男はどんな動物でも一切、「可愛い」と思ったことがないという、これまた不思議な性格をしていたが、これ以降ペットを食べることはしなかった。

* * *

 その後、アパートを追い出された克弥は大学の近くに引っ越した。シヅのアパートも近く、お互いの家を行き来する生活が始まった。シヅが授業を受ける間、克弥は麻雀をする。シヅが代返をし、ノートも見せてくれ、テストではカンニングまでさせてくれるのだから克弥はすぐに頭が上がらなくなった。元々女性に頭を下げるのは得意だったので、何かあると謝るのは必ず克弥で、克弥はシヅの謝罪を生涯聞いたことがない。こんな克弥と付き合うのだからシヅも変わり者だったのだろう。お嬢様ゆえの浮世離れ感がすごかった。(後編につづく)

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【プロフィール】
家守鷹主(いえす・たかす)/テレビ局プロデューサーとして高須克弥氏と出会い、十数年来の友人。今回、その人生を小説として描きたいと依頼したところ、高須氏は一言“YES”と快諾し、ペンネームも命名。かくして、希代の人生物語が幕を開けた。

高須克弥(たかす・かつや)/1945年、愛知県生まれ。医師(美容外科、整形外科、形成外科。学位は医学博士)。2018年に自身の全身がんを公表(発病は2014年)。

※女性セブン2026年7月23日号