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【介護施設の選び方】立地は介護に関する最終判断をする「キーパーソン」の近くがベスト、費用より重要なのは“相性”、見学時には「3つ笑顔」を見落とさない

介護施設の選び方とは(写真/PIXTA)
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「総人口の約3人に1人が65才以上」という超高齢社会のいま、「親の老後」は子供にとってこそ大問題だ。自分自身も年齢を重ねながら、“老い先長い”親の介護や相続、さらには墓守まで、次から次へと難題が降りかかってくる。いったいどんな準備が必要なのか。「実家の大問題」の解決法を専門家が解説する。【全5回の第3回】

大切なのは「キーパーソン」を決めること

 都内で夫と2人の子どもと暮らすAさん(62才)は、9年前から兄とともに岡山県にある実家の片づけと認知症となった母の介護に取り組んできた。

 一度認知症になったら、症状を巻き戻すのは難しい。コンロの火の消し忘れや、徘徊をホームヘルパーに報告され、Aさんは遠距離介護の末に母を高齢者施設に入れることを決意した。

「兄夫婦は同意してくれましたが、母のきょうだいや遠い親戚が猛反対したんです。うば捨て山だ、親不孝者と……。

 散々反対されているうちに、私たちも母がかわいそうなんじゃないかと不安になっていき、しばらく決心がつきませんでした」(Aさん・以下同)

 だが、悩んでいる間にも母の認知症は進んでいく。悩み疲れて、兄妹関係や夫婦関係もギクシャクし始めた頃、兄が「このままではいつ、けがや火災があるかわからない。文句を言うなら、介護にかかるお金を全部出してくれ」と親戚を説き伏せ、母が入る施設探しに踏み切った。母は79才になろうとしていた。

「まずは立地からでした。実家のある岡山か、私の住む東京か、兄の住む関西か。結局、親戚を説得した兄が母の介護に関する最終決断をする『キーパーソン』になり、関西で施設を探し始めました」

リスクを避ける介護施設の選び方
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 実家相続介護問題研究所代表の江本圭伸さんが言う。

「施設は、キーパーソンの家の近くがベスト。手を回しやすく、いざというときはすぐに駆けつけられる心理的安心感もあります。

 立地の次に重要なのは、費用より相性。相性を見るには、本人を連れて複数の施設に見学に行くしかありません。ショートステイをしてみることでスタッフや入居者と顔見知りになれば、施設への拒否感を軽減することにもつながります」

「入居者」「介護中のスタッフ」「控室でのスタッフ」の笑顔

 見学時に見落としてはいけないのが「3つの笑顔」だと介護アドバイザーの横井孝治さんは言う。

「『入居者の笑顔』と『介護中のスタッフの笑顔』、そして『控室でのスタッフの笑顔』です。休憩中にぐったりしていたり、黙ってスマホを見ているだけの職場は人間関係が悪く、離職率が高くなりがち。悪い労働環境はやがて高齢者虐待や事故を招きかねません。

 また施設長やスタッフに“過去にどんなトラブルがあったか”と質問するのを忘れずに。包み隠さず、再発防止策まで話してくれるかどうかも、重要な判断材料です」

「ここなら信頼できそうだ」と思える施設が見つかったら、費用について話し合おう。このとき、相続まで視野に入れて、家族全員でお金について話し合っておくと、次なる問題も解決しやすくなる。

 重要なのが、介護に貢献した人に対して渡す財産について。ベリーベスト法律事務所の弁護士・田渕朋子さんが語る。

「同居して仕事を辞め、専門職に匹敵するレベルの介護を無償で行っていた場合などは、法定相続人でない親族に特別寄与料が認められる可能性があります。認められるためには、介護記録を細かく残しておくことが不可欠です」

 介護はされる側もする側も年を取っていき、過酷さが増すマラソンのようなもの。だからこそ、亡くなった後に誰も損しないよう、事前の話し合いが何よりも大切なのだ。

(第4回に続く。第1回から読む

※女性セブン2026年9月3日号

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