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【築50年の実家の相続という大問題】「家はあってもお金はない」家族にこそ起きやすい食い違い、解決策は“具体的な数字”を出して話し合うこと

「実家の大問題」の解決法とは(写真/PIXTA)
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 超高齢社会のいま、「親の老後」は子供にとってこそ大問題だ。自分自身も年齢を重ねながら、親の介護や相続、さらには墓守まで、次から次へと難題が降りかかってくる。いったい何から手をつければいいのか、どんな準備が必要なのか……。「実家の大問題」の解決法を専門家が解説する。【全5回の第4回】

財産がないからこそ起こる「争続」

 都内で夫と2人の子どもと暮らすAさん(62才)は9年前から兄とともに岡山県にある実家の片づけと認知症となった母の介護に取り組んできた。

 約5年間の介護を経て、Aさんの母は施設で亡くなった。悲しむ間もなく、Aさん兄妹に「相続」という大問題が襲いかかる。

「残ったのは、築50年のボロボロの実家と、わずかな預貯金のみだったんです。実家の評価額は土地も入れて約800万円、預貯金はたった300万円でした。誰も住まない岡山の家を、兄は生まれ育った家だからと売りたがらない。兄の妻は頻繁にお見舞いに行っていたのは私たちなのだから、少し多めにもらいたいと言い出し……初めて兄妹の足並みが揃わなくなりました」(Aさん)

 Aさんのように、「家はあってもお金はない、ごく普通の家族」こそ、相続時に意見の食い違いが起きやすいと実家相続介護問題研究所代表の江本圭伸さんは言う。

「相続争いはお金持ちだけの問題だと思われがちですが、お金持ちの敵は『相続税』のため徹底した準備をしています。家を売却しないと財産を平等に分けられないような普通の家族こそ、事前の話し合いが必要。重要なのは金額を濁さず、具体的な数字を出して話し合うことです」(江本さん)

 「実家の大問題」解決チャート
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「家はあってもお金はない」なら、家を相続する人が、ほかの相続人に「代償金」を支払う方法がある。例えば、実家が2000万円で預貯金が100万円、相続人が子供2人の場合、法定相続分では、合計2100万円を1050万円ずつとなる。相続人の1人が家を取得したい場合、もう1人に差額の950万円を自分の財産や親の保険金などから支払えば、家を売却しなくてもすむ。ベリーベスト法律事務所の弁護士・田渕朋子さんが語る。

「複数の相続人が家を欲しがった場合は、もっとも高額な代償金を提示した人に家を取得させるケースもあります。一方で、家を取得させたい子がいる場合、親がその旨を遺言書で指定し、生命保険金の受取人にすることで、代償金を支払えるように取り計らうこともあります」

 争わずに金額に色をつけるのもひとつの手だ。

「例えば、3000万円の家をきょうだい3人で分けるなら、3等分ではなく、親の面倒をみた妹は1200万円、兄2人は900万円ずつと、ほんの少しでも差がつくことで、妹が報われたと感じ、納得できることもよくあります」(江本さん・以下同)

 Aさん兄妹も、兄が管理などの責任をすべて負う条件で実家を相続し、Aさんは預貯金を相続する形で互いに納得した。

 大切なのは、介護が始まる前から、親が何をどこに持っていて、それがいくらなのかを全員が知っておくこと。お金の「ブラックボックス」をなくしておくことが、実家の問題を解決するいちばんの方法なのだ。

「親の年金収入や財産状況のほか、医療や介護にかかるお金も含め、すべての収支を全員が知っておくこと。それがなければ話し合いもできません。子供から尋ねても嫌がられるので、私もいい年だから、一緒にエンディングノートを書こうよなどと、無理のない方法で切り出しましょう」

(第5回に続く。第1回から読む

※女性セブン2026年9月3日号

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