料理・レシピ

豆乳のすごい効果、3つの種類、飲み過ぎの注意点、簡単レシピなど紹介

入手しやすく、リーズナブルな健康食品・豆乳に、過去最大のブームが来ているって知っていましたか? その種類から、スープやスイーツのレシピ、効果的な飲み方、飲み過ぎの注意点まで豆乳に関して詳しく解説します。

豆乳
豆乳人気が拡大中(写真/アフロ)
写真14枚

豆乳がブームになった理由とは?

昨年度の豆乳の生産量は過去最高を更新し、今年に入ってからも好調な数字をキープしている。日本豆乳協会事務局長の川村良弘さんが話す。

「2009年から豆乳の生産量が右肩上がりで伸びています。現段階で、今年は昨年より6%増加。前年度の過去最高を更新する見通しです」

現在、豆乳は第3次ブームを迎えている。

そもそも豆乳とは、大豆を原料とする、豆腐に固める前の乳液状の状態のこと。1978年に紀文が初めて三角紙パック容器入り豆乳の販売を開始して、日本に豆乳市場が誕生した。当時は物珍しさも手伝って消費が伸び、1983年に第1次豆乳ブームが到来。しかし数年も持たずブームは沈静化した。

「最大の要因はおいしくなかったこと。すっかり『豆乳=まずい飲み物』というイメージが定着して、当時のテレビでは芸人さんが罰ゲームをする時のアイテムは豆乳か青汁でした(苦笑)」(川村さん)

◆「豆乳=まずい」イメージを覆すため味を改善

障壁を乗り越えようと、各メーカーは競って味の改善に取り組んだ。同時に消費者の健康志向の高まりで大豆製品が見直され、“豆乳熱”が復活の兆しを見せた。

第2次ブームが発生したのは2002年末。スターバックスコーヒーが豆乳入りコーヒーを本格的に販売したことがきっかけだった。

「スタバの『ソイラテ』人気とともに豆乳需要が拡大しました。大豆に含まれるイソフラボンが健康によいとの説が定着したこともブームを下支えしました」(川村さん)

2003年には対前年比で2割くらいだった伸び率が一気に6割伸びた。次の2004年にかけても5割の伸び率をマークした。

豆乳の種類とは?

豆乳の種類は大きく3つだ。

・無調整豆乳

大豆を搾った乳白色の液状そのままのもの。大豆固形分8%以上→大豆たんぱく質換算3.8%以上

・調製豆乳

無調整豆乳に少々の塩や脂分などを加え飲みやすくしたもの。大豆固形分6%以上→大豆たんぱく質換算3.0%以上

・豆乳飲料

調整豆乳に果汁や紅茶、その他のフレーバーなどで味付けしたもの。大豆固形分2%以上→大豆たんぱく質換算0.9%以上

写真14枚

豆乳は進化を続けていると川村さんは言う。

「大豆を搾っただけの無調整豆乳や、そこに脂分や食塩を入れて調整した調製豆乳の味と質は年々向上。飲みやすさからかパックのまま無調整豆乳を飲む人も増えました。

各メーカーの企業努力で、飲料だけでなく、豆乳パンや豆乳鍋といった食用にまで用途が広がったことも市場の拡大を後押ししましたね」

豆乳の効果とは?

味、食べ方とも発展を続ける豆乳はなぜ健康にいいのか。

跡見学園女子大学マネジメント学部の石渡尚子教授(食生活学)は話す。

「大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似た構造をしています。最大の効能は、更年期障害や閉経で女性ホルモンの分泌が減少した人に、弱いながらも女性ホルモンの作用を与えられること。骨を強くするだけでなく、肌のハリをよくするといった美容への効果も期待できます」

写真14枚

女性ホルモンと似た作用があるだけでなく、抑制するという「裏作用」もある。

「女性ホルモンが過剰に分泌されると乳がんや子宮がんなどホルモン依存症のがんになりやすい。イソフラボンは“偽ホルモン”として本物の女性ホルモンが受容体に結合するのを防ぐ働きがあり、ホルモンの過剰によって起こるがんを予防します」(石渡教授)

◆大豆たんぱく質にも嬉しい効果が

豆乳に含まれる大豆たんぱく質にも嬉しい効果がある。

「たんぱく質は体内で燃焼したとき熱になりやすいため体温を上げ、血流をよくすることで代謝も上がります。また筋肉の疲労回復や脳をリラックスさせる効果も期待できます」(石渡教授)

なるほど、豆乳をうまく摂取すれば、女性ホルモンに作用し、健康にも美にも好影響を与えてくれそうだ。

豆乳の効果的な飲み方、タイミングや飲む量は?

では、どう飲むのがベストか。健康のため大切なことは、「毎日飲むこと」だ。

「イソフラボンは代謝が早く、摂取から6~8時間で約半分が排出されます。毎日摂取することが大切で、1日2回飲んでほしい」(石渡教授)

◆「朝と夜」に飲むのがおすすめの理由

豆乳を飲む時間帯は「朝と夜」がベストだ。

「朝寝起きにたんぱく質を摂ると体温が上がり、シャキッとして仕事や家事の効率が上がります。夜に摂取すると疲労回復効果でリラックスできます」(石渡教授)

ちなみにイソフラボンは熱を加えても冷やしても壊れにくい。凍らせてアイスにしても問題ないという。

◆毎日摂取する量の目安とは?

毎日摂取する量は「50~100mg」が目安になる。

「東北地方が調査したところ、元気な高齢者は1日100mg以上のイソフラボンを摂取していました。一般的には無調整豆乳200mlでおよそ50~100mgのイソフラボンが含まれます。豆乳のパッケージに『大豆イソフラボン』か『大豆イソフラボン(アグリコンとして)』と記載されているものがイソフラボンの含有量。ただし『大豆イソフラボン』は糖が付随したかたちのため、パッケージ表示から0.63をかけた数値が体内に入る純粋なイソフラボン単体の量になります」(石渡教授)

『大豆イソフラボン』の表記が100mgなら体に吸収されるイソフラボンは約63mgということだ。

豆乳飲み過ぎの注意点は?

いいこと尽くしのようだが、注意点もある。

「豆乳は意外と高カロリーで1本100キロカロリー前後あります。お茶碗半分のご飯くらいのカロリーなので、健康にいいからと飲みすぎると気づかぬうちに体重が増えています。一度に大量摂取するとアレルギーを発症する可能性もあります。

◆大豆イソフラボンはサプリではなく食品から摂取を

大豆イソフラボンはなるべくサプリメントではなく、摂りすぎの心配がない食品から摂取してほしい」(石渡教授)

今回はブームで終わらなさそう。目指せ豆乳美人!

豆乳スープなど人気の簡単レシピ

豆乳オリーブオイル「ミネストローネスープ」レシピ

豆乳ミネストローネ
写真14枚

サラダ油などの炒め油の代わりに、豆乳オリーブオイルを使用。さらに、仕上げに振る粉チーズの代わりにも。塩分、動脈硬化の危険因子になりやすいオメガ6系脂肪酸を控えることができる上、独特のうまみもプラスできる。

《材料(2人分)》
玉ねぎ…1/4個 薄切りベーコン…2枚 じゃがいも…1個 にんじん…1/3本 セロリ…1/5本 パセリ…少量 (炒め用)豆乳オリーブオイル…大さじ2 水…1カップ 固形コンソメの素…1個 カットトマト(缶)…200g 塩・こしょう…少量 (トッピング用)豆乳オリーブオイル…大さじ2

《作り方》
【1】玉ねぎ、じゃがいも、にんじん、セロリはすべて1cm角に、ベーコンは1cm幅に切る。パセリはみじん切りにしておく
【2】鍋に(炒め用)豆乳オリーブオイルを熱して玉ねぎを入れて炒め、半透明になったらベーコン、じゃがいも、にんじん、セロリを加えてさらに炒める
【3】【2】に水、固形コンソメの素、カットトマトを加えて煮立て、アクを取りながら野菜がやわらかくなるまで弱中火で煮て、塩・こしょうで味を調える
【4】器に盛り、(トッピング用)豆乳オリーブオイルをのせ、パセリをふる

→豆乳オリーブオイルを使ったスープ2種のレシピはコチラ

便秘改善「豆乳ごま純豆腐」レシピ

写真14枚

しめじとえのき茸は、腸内環境の改善に役立つ「食物繊維」を豊富に含む野菜。善玉菌のえさとなる豆乳も入っているので、便秘に悩む人にオススメ。

また、「カプサイシン」を含むキムチには、血行を促進し、代謝アップの効果が期待できるので、ダイエットにうれしい。肌寒い日の夕ごはんにどうぞ。

カロリー(1人分)…236kcal 調理時間…15分

《材料(2人分)》
豚バラ薄切り肉(幅3cm)…60g キムチ(白菜)…80g ごま油…小さじ1/2 白ねぎ(斜め薄切り)…30g しめじ(小房)…30g えのき茸(長さ3cm)…30g 木綿豆腐(ひと口大)…80g ニラ(長さ3cm)…10g
【A】水…140cc 無調整豆乳…120cc 鶏ガラスープの素…小さじ1/2 白すりごま…小さじ2 酒…大さじ1 みりん…大さじ1/2

《作り方》
【1】鍋にごま油を熱し、豚肉とキムチを入れて、中火で3分ほど炒める
【2】鍋に白ねぎ、しめじ、えのき茸を加え、軽く炒める。【A】の調味料を加え、中火で5分ほど煮込む
【3】木綿豆腐とニラを加えて温め、器に盛り付ける

→「豆乳ごま純豆腐」の詳細はコチラ

豆乳スイーツのレシピ

ギルティーフリーな「黒ごまプリン」レシピ

豆乳や豆腐で”置き換え”したた、ギルティーフリースイーツのレシピをご紹介します。

黒ごまプリン
写真14枚

◆カラメルソース→本みりん
◆卵液→豆乳・甘酒・葛粉・寒天

≪材料≫
本みりん…100ml 黒練りごま…大さじ1 くこの実…8個
[A]葛粉(片栗粉でも可)…大さじ3 粉寒天…小さじ1/2 水…50ml
[B]無調整豆乳…400ml 甘酒…50ml 甜菜糖…大さじ2 塩…少量

≪作り方≫
【1】鍋に本みりんを入れ、弱火にかける。沸騰したら5分ほどアルコールを飛ばしながら煮詰める。
【2】別の鍋にAを入れ、ダマにならないように混ぜる。Bと【1】を大さじ2加えてよく混ぜる。
【3】 【2】を弱火にかけて絶えず混ぜる。沸騰したらふつふつした状態を保ちつつ、混ぜながらもったりするまで、約2分加熱する。
【4】 【3】の半量を器にそれぞれ注ぎ、冷凍庫で約15分急冷する。
【5】 【3】の残りの半量は、温かいうちに黒練りごまを加えてよく混ぜる。
【6】2層になるよう【4】の上に【5】を注ぎ、冷蔵庫で2~3時間冷やす。
【7】 【6】に、くこの実を飾り、甘さを調節しながら残りの【1】をかける。

◆栄養Point
発酵食品である本みりん、甘酒はアンチエイジング、老化予防に効果的。黒ごまはミネラルやビタミンB群が豊富で、活性酸素の発生を抑え、老化や動脈硬化の予防にも◎。

→豆乳や豆腐を使ったスイーツレシピ4品はコチラ

関連キーワード