タレントの野呂佳代(35歳)が、全国各地から患者が診察に訪れる“行列のできる”ダイエット専門医「工藤内科」の工藤孝文さんに、ダイエットのお悩みを相談。
「どうしたらダイエットはうまくいくのか?」がテーマの第1回目に続いて第2回目となる今回の相談内容は「ダイエット成功のためには、何をどう食べたらいのか?」。専門医のアドバイスで、野呂ちゃんは美ボディのための一歩を踏み出すことができるのか?
* * *
工藤:食事でもダイエットを意識していますか?
野呂:テレビで見たダイエットは、何でもやってみますね。最近も、おからパウダーをコーヒーに入れる…。
工藤:それ、ぼくが考えたダイエット法なんですよ。
野呂:えーっ!! そうなんですか!? おからパウダーは売れすぎちゃってるみたいでお店で全然見つからないんですよ。“おからコーヒー”は、もちろんやってますし、みそ汁にもおからパウダーを入れてます。実は、私の母が、私をダイエットさせるってあきらめないんですよ。ダイエット情報にものすごく詳しくて。常にテレビを見て、ダイエット情報を集めては私に教えてくれるんです。ちなみに、小学館から出ている“やせおか”シリーズも、全部買って持ってきてくれたんですよ(笑い)。
「おからとコーヒーは最強の組み合わせです」
工藤:いいお母さんじゃないですか。おからは、体内の痩せホルモンを増やしてくれる食材なんですよ。
野呂:痩せホルモンなんて、あるんですか?
工藤:アディポネクチンといって、体内で生成され、脂肪燃焼や血糖値の減少を促し、血管の修復と拡張、悪性腫瘍の増殖抑制など、健康を維持するための必須ホルモンなんです。
野呂:ぜんぜん知りませんでした。そのアディポネクチンが、おからに入ってるんですか?
工藤:おからには、アディポネクチンを増やす、βコングリシニンという成分が含まれているんです。元々、大豆由来のたんぱく質には、体内で作れない必須アミノ酸が豊富で、内臓脂肪や中性脂肪を減らす効果があります。
野呂:そうなんだ。“おからコーヒー”やっててよかった!
工藤:実は、コーヒーにも脂肪燃焼効果があるんです。ですから、ダイエット効果のある2つの食材を組み合わせたおからコーヒー(→おからコーヒーダイエットのやり方はコチラ)は最強! ちなみに今、患者さんがいろいろ試してる中で、ぼくが、今いちばん注目しているのが、おからヨーグルト。ヨーグルトにおからパウダーを混ぜるだけ。患者さんの中には、腹持ちがよすぎてお腹がすかない、全然ほかのものを食べたいと思わない、という人が続出してまして。ダイエット食として、おからコーヒーを超えるかも。
「食事のときはまず”酢納豆”を食べています」
野呂:私も、やってみます。おからヨーグルトはおいしそうだし。そういえば、さっき、先生が大豆由来のたんぱく質には脂肪を減らす働きがある、っておっしゃってましたが、私、“酢納豆ダイエット”もやってるんです。
工藤:ほんとに、いろいろやってますね~。
野呂:超簡単で、納豆にお酢をかけて混ぜるだけ。正直、おいしくは感じないんですが、食事する時に最初に食べると、糖の吸収率が減るらしく、糖尿病の人にいいみたいだから、当然ダイエットにも効果あるだろうと、実践してます。
工藤:おっしゃる通り。糖質もまったく入ってないので、糖質オフにもなりますね。お酢には、内臓脂肪と中性脂肪を低下させる作用があります。さらに、おからにも納豆にも含まれる大豆イソフラボン。これが、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするので、更年期障害、月経痛などし、女性特有の症状を緩和するほか、肌のハリや弾力、潤いの元コラーゲンを生成する美肌効果まであるんですよ。
野呂:美肌効果も! それ、いいことずくめじゃないですか! おいしくなくても続けますよ。酢納豆を食べると、確かにお腹は満たされます。朝ごはんだって、酢納豆以外にもいろいろ用意してたんですけど、最初に酢納豆を食べちゃうと、ほかの食べ物がいらなくなる。だから、食べ物を家に置かないようにしました。本当は、パンとか大好きなんですけどね。あると食べちゃうから。朝食は、酢納豆か、ウーバーイーツでサラダを頼むか、そういう感じです。
でも、昼と夜が問題で…。ダイエットを始めた途端に、1か月間のドラマ撮影が始まっちゃって。茅ケ崎の海沿いでの撮影だったんですが、食べるお店が何にもないんですよ。近所に、コンビニもないんですから、カフェなんてあるわけない。コンビニまで車で30分もかかるんですよ。しかも、昼ごはん休憩は30分だから、行けるわけない。ダイエットを始めて、食べ物には気をつけたかったのに、ランチはお弁当屋さんのお弁当を食べるしかなくって。さすがに、ズラリ並んだ差し入れのお菓子には、手をつけませんでしたが、ストレスが溜まりまくりですよ。私のデブポイントの原因は、このストレス!
工藤:デブポイントに、自信ありげですね。
野呂:撮影にずっと集中してるので、緊張からか、お昼は、そんなにいっぱいは食べられないんですよ。
「ぼくも1日で4.5kgぐらい太ることがあります」
工藤:確かに。緊張状態になると、自律神経の交感神経が優位になりますから、食欲は抑えられますね。
野呂:お弁当は、とりあえず半分くらいしか食べられない。時間もないし。撮影が夕方くらいに終わって、ようやく帰るでしょ。1時間ちょっと、電車に乗ってるんですが、撮影の緊張もほどけて、心身ともにリラックスしてるし、時間もゆったり感じられて。ホッとするわけですよ。それでやっちゃったのが、電車に乗る前に、おいしいクロワッサン屋さんとかに寄って、電車でバリバリ食べながら帰る。せっかく、酢納豆で糖の吸収率を抑えても、意味ないですよねー。ただ、思ったより太らなかったのは、クロワッサンを食べてしまった、っていう罪悪感が、なんとなくあって。夜ご飯を、ちょっと控えたのがよかったのかな。
ところが、お休みの日となると、ストレスが一気に爆発して、俄然、“食べモード” に。“休みだー、おいしいご飯、食べた~い!” って。お寿司屋さんに行ったら、出されただけ食べちゃう。めっちゃお腹いっぱいなのに、出される最後の1貫まで食べ続ける。レストランに行けば、フルコースをペロリ! 遅くまで、友達としこたま飲んじゃうとか。で、結局、平日の昼夜を減らしても、その分、休日でガッチリ食べてしまって、プラマイゼロ。もう、悪循環ですよね。いつも、ダイエットをやろうとした時に限って、仕事で食事制限できなかったり、友人から食事に誘われたり、障害があるんです。まっ、言い訳なんですけどね。
工藤:ぼくはね、ぜんぜん問題ない食事の内容だと思いますよ。95点くらい。
野呂:ウソでしょ!? えっ、ほんとですか?
工藤:ぼくも1日で4.5kg太ることもあります。普通に。
「食べてるのにスリムな体形を維持できるのはなぜ?」
野呂:えっ、どうして?
工藤:ドカ食いしたいから。ぼくもロボットじゃないんで、悩んだり、疲れたり、ストレスが頂点に達したりするんです。そんな時は、3日連続で飲み会行ったりして、5kg以上太ったりします。
野呂:それって、ダイエットの医師としては、どうなんですか?
工藤:ドキッ! 痛いところをつきますね。
野呂:じゃあ、それは置いといて。どうして先生は、そんな食べ方をしているのに、スリムな体形をキープできるんですか?
工藤:太ってしまったら、前向きになるしかないんで、翌日から切り替えて、ダイエットを始めます。第1回目でお話しした、目先の体重の増減にとらわれず、年単位で目標体重に戻せばいいんですから。
野呂:そうでしたね。年単位ダイエットでした。そうか、私も、後悔しないで、また始めればいいだけなんだ。
工藤:その通り。
野呂:気持ちをポジティブに変えるだけで、ダイエットに対するモチベーションも上がりますね。いかん、いかん、後ろ向きになって、また自己嫌悪のスパイラルにハマるとこだった…(汗)。
工藤:あーでもない、こーでもないと後ろ向きに考える人は、結局、自分に言い訳して、逃げてるだけ。ダイエットも成功しません!
野呂:そっか。ダイエットも考え方ひとつでうまくいくんですね。
タレント:野呂佳代
のろ・かよ。タレント。1983年10月28日生まれ、東京都出身。2006年から2010年まで「AKB48」2期メンバーとして活躍後、2012年まで「SDN48」に在籍し2010年にはキャプテンに就任。タレントとして『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)で大ブレイクし、女優、声優として活躍の幅を広げる。現在放送中のドラマ『こんな未来は聞いてない!!』(FODで配信中)では、未来からやってきた30歳の佳代役を演じている。
医師:工藤孝文
くどう・たかふみ。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は、福岡 県みやま市の工藤内科で地域医療を行っている。ダイエット外来・糖尿病内科・漢方治療を専門とし、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)減量外来ドクター、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)漢方治療評論家・肥満治療評論家など、メディア出演多数。日本内科学会、日本糖尿病学会、日本東洋医学会、日本肥満学会、日本抗加齢医学会、日本女性医学学会、日本高血圧学会、日本甲状腺学会、小児慢性疾病指定医。11月8日に著書『たった7秒で座るだけダイエット』(晋遊舎)が発売予定。
撮影/黒石あみ
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