健康・医療

「痩せたいなら午後3時におやつを!」ダイエット外来医師が語るその理由

3時を指している時計
おやつをたべるなら午後3時に! その理由をプロが解説(Ph/photoAC)
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ダイエットをしたいけれど、どうしても甘いものに手が伸びてしまう…。悩める私たちに、「午後3時に食べれば大丈夫!」と解決策を提示してくれるのは、ダイエット外来の医師・工藤孝文さん。工藤さんの新著『午後3時に食べるだけダイエット やせるスイーツ』(秀和システム)には、太りにくい「スイーツの食べ方」が詳述されています。その中から、なぜ3時に食べれば太りにくいのか、どう食べたらよいか、教えていただきました。

なぜ午後3時に食べれば太りにくいのか

「甘いおやつはダイエットの天敵」。そう信じている人は多いでしょう。ところが、ダイエット外来で多くの患者を診てきた工藤さんは、「食べる時間とルールさえ守れば、むしろ痩せやすくなります」と話します。どういうことでしょうか?

バームクーヘン
時間とルールを守ればおやつもダイエットの味方になる(Ph/photoAC)
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「まず食べる時間は、午後3時がおすすめ」と、工藤さん。

「人間の身体には『体内時計』の機能が備わっています。本来私たちの体は、朝になると目を覚まし、日中は仕事や家事などで心も体も活動的になります。そして夜になれば疲れて休息を欲し、自然と眠くなります。

その中でもっとも脂肪がつきにくいのが、活動的な時間帯である午後3時頃だということが、科学的にわかっています」(工藤さん・以下同)

体内時計をコントロールする「BMAL1」が関係

なぜ午後3時頃に食べると脂肪がつきにくいのか、工藤さんの解説は続きます。

「理由としては、体内時計をコントロールする時計遺伝子『BMAL1』というたんぱく質が深く関わっています。BMAL1は、余ったエネルギーを脂肪に変えたり、体脂肪が分解されてエネルギーになるのを抑制したりする働きがあります。そのため、『肥満遺伝子』とも呼ばれています。

このBMAL1は1日の中で増減し、朝10時から午後4時までは働きが低下します。中でも午後3時の前後1時間はもっとも分泌が少なく、食べても太りにくいゴールデンタイム。ところが午後10時から深夜2時は活動のピークを迎え、太りやすくなる“魔の時間”に変わります」

午後3時前後は脂肪遺伝子の分泌が低下する(Ph/photoAC)
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このことから、「午後2時から4時の間に食べれば太りにくい。つまり、スイーツを食べるなら午後3時がベスト」と工藤さんは結論。

「そして午後3時に食べることでその後のドカ食いも防ぎます。夕食まで血糖値が安定するため食への衝動が爆発することなく、夕食時の食事量も自然に減っていくのです」

さらに、午後3時におやつを食べる際は、次の3つのポイントを意識するとより痩せやすくなると話します。

【1】罪悪感を持たず思いっきり「おやつ」を楽しむ

「スイーツはダイエットの大敵」だと信じてきた人にとって、スイーツを食べる際、どうしても罪悪感を持ってしまいがち。ですが、その罪悪感こそ、太りやすくなる原因なのだと、工藤さんは強調します。

「罪悪感はストレスへとつながり、ストレスはドカ食いを招く。暴飲暴食への負のループにはまります。

おやつを食べている女性
食べる時は幸福感を心から味わう!(Ph/photoAC)
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ですから、スイーツを食べているときだけは『甘い物=太る』という概念は忘れましょう。そして見た目の美しさや香り、おいしさなど五感を通して存分に感じ取ってほしい。今目の前にあるスイーツを食べる喜び、幸福感を心から味わうことです。その行為により、幸せホルモン『セロトニン』が分泌するのです。

スイーツを食べてセロトニンが増えれば、ストレスによる夕飯時の過食をさらに防ぐことができるでしょう」

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