食事で痩せるためのポイント3つ
痩せるためのメソッドは「内臓脂肪」や「皮下脂肪」に溜まった中性脂肪を燃焼させる方法です。いちばん大事なのが、「食間を空けて間食をしない」こと。
食事と食事の間を6時間以上空け、間食をしない。食後3時間ほどすると血糖値が下がって空腹を感じますが、ここで食べるのを我慢すると、血糖値を保つために体内に蓄積された中性脂肪が糖質に変わり(これを「糖新生」と呼びます)、エネルギーとして消費されるので痩せることができるのです。食間には、お水やお茶、コーヒーなど、無糖のものならいくら飲んでも構いません。秋に丸々と太った熊やリスが冬眠中も生きているのは糖新生により中性脂肪から糖が作られるためです。そして、春にはしっかり痩せて冬眠から目覚めるのです。
2番目は「よく噛む」こと。人間の1日のエネルギー消費量のうち、約6割が「基礎代謝」、約3割が「活動時代謝」、残りの1割が食事に伴い消費される「食事誘発性熱産生(DIT)」です。たかが1割といっても、3000kcalの10%にあたる300kcalを散歩で消費しようとすれば2時間、ジョギングでも30分はかかるのですから、有効に使うべきです。よく噛むことで食べものが液体状になり、DITが誘発されやすくなり、逆に早食いだと、胃袋に食べものが固形のまま停滞して、DITがよく噛んで食べたときの20分の1にまで下がってしまうことが分かっています。ですから、ゆっくりよく噛んで食べるだけで消費エネルギーが増え、ひいては痩せることにつながるのです。
3番目は「夜のでんぷんを控える」こと。でんぷんは炭水化物の一種で、米、小麦、とうもろこしなどの穀類、じゃがいも、さつまいもなどのいも類に多く含まれ、ご飯、パン、麺類、お菓子類もそうです。現代人は、総カロリーの約6割を糖質(糖類+でんぷん+アルコール)から、そして、総カロリーの約4割をでんぷんから摂取していますから、痩せるために夜はこれを控えることが重要です。糖類やでんぷんは、脳や体を動かすエネルギー源ですので、体を動かす朝食や昼食にはいいですが、活動を休止する夜には控えるべき。夕食は、野菜、たんぱく質を中心にして、ご飯やパンは少量に抑えることが大切です。夜の糖類やでんぷんを控えることで、睡眠中も燃焼モードが続きます。
取材・文/鈴木知子
◆教えてくれたのは:医師・高橋弘さん
ハーバード大学医学部内科准教授、セレンクリニック診療部長等を経て、2008年12月医療法人社団 ヴェリタス・メディカル・パートナーズ 理事長、2009年5月麻布医院院長に就任。2010年4月麻布労働衛生コンサルタント事務所開設。
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