不調改善

20種類ほどあるアミノ酸、食品、サプリなどによる効果的な摂取方法

アミノ酸は、体内で酵素となってさまざまな物質の代謝にかかわったり、抗体となって細菌やウイルスから体を守っている。人のたんぱく質を構成しているアミノ酸は20種ほどと言われているが、それぞれに高い健康作用を持っていて、その力を発揮するために必要な摂取量がある。それらを満たせば、健康の悩みも改善できるはずだ。以下にあげた症状は、アミノ酸によっとどう解決できるのか?

【目次】
風邪をひきやすくなった
肌がカサカサ、しわが増えた
眠りが浅く、すぐ目が覚める
髪がパサついてまとまらない
ドライマウスが気になる
年をとって、太りやすくなった
ウオーキングしても、足が思うように進まない
疲労感があり、集中力がない
疲労感があり、集中力がないちょっと無理をすると筋肉痛になる
二日酔いが抜けにくい
骨粗しょう症が気になる
冷えやむくみが気になる

窓を見つめてぼんやりしている女性
写真/ゲッティイメージズ
写真13枚

風邪をひきやすくなった

風邪ウイルスをマクロファージが指令を出した免疫細胞によって撃退されているイメージイラスト
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細菌やウイルスなどの侵入をブロックするには免疫力が必要だ。『味の素』ダイレクトマーケティング部・金子雅美さんが話す。

「アミノ酸のシステインが2個結合したシスチンと、茶葉に豊富なテアニンを一緒に摂ると、免疫細胞に指令を出すマクロファージやNK細胞の働きが活性化して免疫力が高まり、風邪やインフルエンザの予防効果があると報告されています」

肌がカサカサ、しわが増えた

女性が食べて、化粧品で潤して美肌になっているイメージイラスト
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肌表面の角層(角質層)は、NMFという天然の保湿因子が水分を保ち、真皮は、張り巡らされたコラーゲン繊維がハリと弾力を保っている。NMFもコラーゲンも主成分はアミノ酸だ。

「良質なたんぱく質と、コラーゲン合成を促進するビタミンCを併せて摂ると、美肌につながります。アミノ酸入り化粧品を使用するのも◎」(日本抗加齢医学会専門医の倉知美幸さん)

眠りが浅く、すぐ目が覚める

スッキリと目覚めている女性のイメージイラスト
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体や脳を疲労から回復させる睡眠。その質を高めるのにもアミノ酸が有効だ。

「えび、いわしなどに多く含まれるアミノ酸のグリシンには、深部体温を下げて深い眠りに入りやすくし、途中の覚醒を減らし、睡眠を安定させる働きがあります。就寝前に摂取すると心身の疲労も回復でき、目覚めもスッキリします」(金子さん)

髪がパサついてまとまらない

髪の毛が絡まって困っている女性のイメージイラスト
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髪の成分も約90%がアミノ酸。

「肌はダメージを受けると自ら修復しようと働きますが、髪や爪には自己修復機能がない。ですが、肉などの良質なたんぱく質からのアミノ酸摂取で、新しく生えてくる髪や爪をケアすることはできます。またアミノ酸配合のヘアケア製品などを使えば傷んだ髪の修復は可能です」(金子さん)

ドライマウスが気になる

口臭に困っていた男性が白菜や玉ねぎ、味噌が入った食事をとっているイメージイラスト
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口が乾燥して話しにくい、食べ物がのみ込みにくいなどの症状を引き起こすドライマウス。これは唾液を出す能力の低下が原因だ。

「旨み成分でもあるグルタミン酸は、大唾液腺と小唾液腺の両方から持続的に唾液を出させ、食べやすさやおいしさに役立ちます」(金子さん)。グルタミン酸は昆布、みそ、トマト、白菜、玉ねぎなどに多く含まれる。

年をとって、太りやすくなった

ふくよかな女性がアミノ酸を摂って、代謝アップやエネルギー消費アップ、脂肪燃焼アップしているイメージイラスト
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加齢とともに太りやすくなるのは、基礎代謝の低下が1つの原因。これを高めるには、基礎代謝に不可欠な40%以上の筋肉を維持し、増やすことが大切。

「筋肉の材料になるたんぱく質、特にBCAAを摂取して軽い運動や筋トレを行うこと。運動により基礎代謝以外の活動エネルギーも上がり、脂肪燃焼を促進。太りにくい体に導きます」(立命館大学スポーツ健康科学部教授・藤田聡さん)

※BCAA=筋肉やエネルギー代謝に深くかかわっている3種の必須アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)の総称。赤身の肉やチーズ、卵などに多く含まれる。

ウオーキングしても、足が思うように進まない

すぐに疲れていた女性が、元気にウオーキングしているイメージイラスト
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運動するとすぐに疲れてしまい、体が思うように動かなくなるのは、筋肉や体のエネルギー不足を脳が察知して疲労感をもたらし、それ以上の運動を続けにくくさせるから。

「BCAAは、筋肉のエネルギー源であり、体全体のエネルギー源であるブドウ糖の原料でもあります。運動前や運動中に摂れば、持久力アップが期待できます」(藤田さん)

疲労感があり、集中力がない

疲労回復するためにヒスチジンを脳内でヒスタミンに変化させているイメージイラスト
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脳にはヒスタミン神経という神経細胞があり、寝る、起きるなど体のリズムを保ったり、集中力、判断力などを発揮する際に役立つ。

「アミノ酸のヒスチジンを摂取し、これらの機能を充分に発揮させることが大切です」(金子さん)。ヒスチジンはかつおだしに多く含まれており、体の疲れを和らげ、血流を促す効果があることも報告されている。

ちょっと無理をすると筋肉痛になる

筋肉痛になるしくみと、アミノ酸がどう使われているのかをイラストで図解
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強めの運動時にブドウ糖が不足すると、筋肉中のたんぱく質がアミノ酸に分解され、その中のBCAAがエネルギーとして使われる。

「その結果、損傷した筋肉を修復する際に炎症が起こり、痛みが生じるのです。損傷を抑え、すみやかな回復を促すためにもBCAA摂取は有効。運動の前後、睡眠前にサプリメントなどで摂れば、翌日の筋肉痛が軽減できます」(藤田さん)

二日酔いが抜けにくい

二日酔いが起こるメカニズムを図解
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二日酔いは、自身の代謝能力以上に飲酒し、肝臓でのアルコール分解速度が追いつかず、アセトアルデヒドが体内に残ることによって起こる。(※アセトアルデヒド=アルコールが肝臓で分解されて無害化される途中で生じる、毒性の強い物質)

「アミノ酸のアラニンとグルタミンには、肝臓でのアルコール分解促進作用があるので、飲酒中やその前後に摂れば、二日酔いの予防に役立ちます」(倉知さん)

オルニチンも肝臓で無毒化作用をサポート。グルタミンはまぐろの刺し身や牛乳に、アラニンは甲殻類やしじみに多い。

骨粗しょう症が気になる

正常な骨と骨粗しょう症になった骨を図解して比べている
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骨=カルシウムのイメージが強いが、骨の芯の部分はアミノ酸から作られるコラーゲン。

「カルシウムは骨密度に関係していますが、コラーゲンは骨質に関係します。骨密度が高くてもコラーゲンが劣化した骨は弾力を失い、折れやすくなります。また、関節のクッション材である軟骨もコラーゲンが支えています。健康で丈夫な骨や関節作りにも、アミノ酸の摂取は重要です」(『味の素』のアミノサイエンス統括部・小林久峰さん)

冷えやむくみが気になる

冷えを訴え、足がパンパンにむくんでいる女性のイメージイラスト
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冷えは、血液の流れが悪くなり、血液が手足の末端まで行き届かなくなることが原因の1つ。また、下半身に水分や老廃物が滞り、足にむくみが出ることもある。

「血流がスムーズになれば冷えやむくみの症状は改善されます。すいかから発見されたアミノ酸・シトルリンには、血流改善作用があり、冷えやむくみ解消に導きます。新陳代謝も活発になり、美肌効果もあります」(倉知さん)

イラスト/あきばさやか

※女性セブン2019年1月31日号

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