「コルスタ(コールドスタート)」とは、冷たいフライパンに油と食材を入れてから点火する調理法のこと。焦げ付きの心配なしで肉や魚、野菜のうま味が絡み、減塩やダイエットの強い味方にも。さらには油はねがないのでコンロやレンジフードのベタ付きもなし。コルスタ生活、始めてみよう!
台所の大掃除が不要になりました
「昨年末の大掃除の際、よし、レンジフードを掃除しよう!と気合を入れてカバーを開けてみてびっくり。それまでは毎年恒例だった油汚れのベタベタ、ギトギトが見当たらず、さっとひと拭きして終わっちゃったんです」と、料理研究家で編集者の柳澤英子さん。
その理由は、52才の時に1年で26kgのダイエットに成功した柳澤さんの料理メソッドの1つ、「コルスタ(コールドスタート)」にある。
「コルスタは、冷たいフライパンに油と具材を入れてよく混ぜ、蓋をして中火でじわじわ火を通す調理法。油はねがなく、焦げ付きによる煙も出ないので、コンロはもちろん、レンジフードも汚れるチャンスがなかったんだと思います」
フライパン料理といえば、まず油を熱してから食材を「ジューッ」と加熱するのが常識とされているが、「それは鉄のフライパンを使っていた過去の常識。お肉はゆっくり火を通すと硬くならずにジューシーに仕上がりますし、野菜の栄養も損なわれにくいんです」(柳澤さん)。
また、フライパン1つで済み、生焼けや煮崩れの心配もないから、料理が苦手な人でも「やってみよう!」という気になるのがいい。火の扱いが心配な高齢者も、これなら料理がおっくうにならない。
「点火する前に、油と食材をしっかりと混ぜ合わせることを忘れずに。あとは食材同士でおいしく仕上がってくれます」(柳澤さん)
フライパン1つでOK!コルスタの基本
焦げにくいフッ素樹脂加工が施されたフライパンがベスト。煮ものやスープに便利で、キャベツや白菜などかさのある野菜もしっかり収まる。
ポイント1 蓋をすると早い!
蓋をして熱を閉じ込めれば、食材にもすばやく火が通って効率的。フッ素樹脂加工が施されたフライパンが最適だが、使い込んだ鉄のフライパンでも可。
ポイント2 ダイエットにも最適!
野菜をたっぷり摂れる
好きな野菜を好きなだけIN。じわじわと野菜の水分を引き出しながら食材をまとめていくのがコルスタのスゴいところ。しっとりとかさが減るので、キャベツ半個分も気がつけばペロリ。
たんぱく質 UP、炭水化物 DOWN
コルスタ調理で肉や魚あるいはチーズなどのたんぱく質と、多彩な野菜をしっかり、お腹いっぱい食べることで、ご飯などの炭水化物を無理なく減らすことが可能。おかずをたっぷりひと口、ご飯をちょっぴりひと口…を繰り返すと効果的。
鶏むね肉のたらこマヨネーズレシピ
続いて柳澤さんに「コルスタ」の絶品レシピを教えてもらった。
(※料理はすべて保存が可能です。調理時間はあくまで目安。様子を見ながら加減してください。塩はできれば粗塩、顆粒コンソメは無添加のものがおすすめです)
《作り方》(2食分)
【1】たらこ1腹(約60g)は薄皮を除いてほぐし、マヨネーズ大さじ3と混ぜ合わせておく。鶏むね肉250gは観音に開いて4等分に切る。
【2】フライパンにオリーブ油小さじ2、鶏むね肉を入れ、塩・こしょうしてよくなじませる。皮を下にして並べ、酒(または水)大さじ2をふる。蓋をして中火にかける。
【3】3分ほどたったら裏返し、半月切りにしたズッキーニ1/2本分を加える。蓋をして弱めの中火でさらに3分ほど蒸し焼きにする。
【4】皿に盛り、たらこマヨネーズをかける。
ズッキーニは鶏むね肉の間に散らすように加える。ゆっくり火を通すコルスタなら、パサつきがちな鶏むね肉もジューシーに。
油や水分が少なくて済むのもコルスタの利点。また、食材のもつうま味が調味料になるので、シンプルな味つけで充分おいしい。
サーモンのクリームチーズ煮レシピ
《作り方》(2食分)
【1】生鮭2切れはひと口大に切る。玉ねぎ1/2個は薄切り、赤パプリカ1/2個はたねとわたを除いてひと口大に切る。フライパンに玉ねぎを敷き、生鮭を並べる。
【2】顆粒コンソメ小さじ1、塩・こしょう各少量をふり、赤パプリカ、クリームチーズ60gをのせ、白ワイン(または水)大さじ4を回しかける。蓋をして中火にかける。
【3】3分ほど経ったらやさしく混ぜ、ふたたび蓋をして弱めの中火にし、さらに3~5分煮る。
【4】器に盛り、オリーブ油小さじ2を回しかけ、好みでドライパセリをふる。
生クリームを使うよりも低カロリー&低価格。鮭とも相性がよく、クリームチーズのほのかな酸味がこれまたよく合う!
生鮭は大きめに切ると見た目のごちそう感がUP。ダイエット中にもおすすめ。
白身魚のトマトパッツァレシピ
《作り方》(2食分)
【1】こんにゃく(アク抜き不要タイプ)1/2枚はスプーンでひと口大にちぎる。トマト1個はヘタを落としてざく切りにする。しめじ1/2パックは石突きを取り小房に分ける。ベーコン1枚は1cm幅に切る。
【2】耐熱用の保存容器にたらなどの白身魚2切れを並べ、塩・こしょう・ガーリックパウダー各少量をふる。こんにゃくとそのほかの食材をのせ、顆粒コンソメ小さじ1を散らし、蓋をして冷凍する。
【3】凍ったままふんわりとラップをして電子レンジで5分加熱する。
【4】魚以外を軽く混ぜ、ふたたびふんわりとラップをしてさらに4分加熱する。器に盛り、オリーブ油小さじ2を回しかける。
豚肉と白菜のさっと煮レシピ
《作り方》(2食分)
【1】豚肩ロース薄切り肉250gは半分の長さに切る。白菜1/6株はざく切り、しょうが1片は細切りにする。
【2】フライパンに白だし大さじ2~3、水1/2カップ、白菜の軸の部分を入れて蓋をし、中火にかける。
【3】3分ほど煮たら残りの材料をすべて入れ、蓋をして2分ほど煮る。
【4】全体を混ぜ、塩気が足りない場合は白だしで味を調える。さらに2分ほど煮て器に盛る。
教えてくれたのは…:柳澤英子さん
やなぎさわ・えいこ。料理研究家・編集者。52才の時に「食べてダイエット」を可能にする独自の食事法を始め、1年で26kgの減量に成功。そのレシピをまとめた『やせるおかず 作りおき』(小学館)シリーズが大ヒット。料理が苦にならない簡単なアイディアレシピは、幅広い層から支持されている。
写真/鈴木正美
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