痩せたいからカロリーの低いメニューを選ぶーーダイエッターにとっては当たり前のことだが、管理栄養士の菊池真由子さんは、「カロリーにこだわりすぎ、低カロリー食ばかり食べている人は痩せない」という。痩せるために知っておくべき食事の選び方の極意を菊池さんが伝授してくれた。
ざるそばは天ぷらそばのカロリーの半分だが…
例えば、低カロリー食の代表ざるそば。カロリー高めの天ぷらそば459kcalと比べると、284kcalでほぼ半分だ(カロリー数は菊池さんの著書『図解食べても食べても太らない法』より)。
「ざるそばは麺とつゆだけですから、当然カロリーは低い。一方、天ぷらそばは、麺とつゆにえびや野菜など複数の揚げも物がトッピングされているため、カロリーは一気にハネ上がります。油を吸収しやすい揚げ物は、油に含まれる脂肪の量もカロリーに反映されるため高カロリーになる」(菊池さん・以下同)
ところが、「低カロリー」こそ痩せない落とし穴だった。
「脂肪分のないざるそばは消化も早いんです。一方、天ぷらそばは、脂肪分が多いため消化に時間がかかります。ある調査では、消化までの胃に滞留する時間は、そばが約2時間半に対し、えび天ぷらは約4時間。つまり、ざるそばの方が、早く胃が空っぽになる分、お腹も空きやすい。ついつい間食してしまい、結果的には天ぷらそばよりも摂取カロリーが増える傾向にあるのです」
効果的なダイエット食事を選ぶなら…
シンプルな食事の方が低カロリーで太らないと考えがちだが、実は、具材がたっぷり入ったバランスのよい食事の方が、健康的に痩せるためには効果的だという。
「食材が多いほど胃にとどまる時間が長くなるので消化にも時間がかかります。消化している間は、胃の中に食べものがあるため、食欲が起こりにくい。さらに、食材の種類が多い分、栄養素も豊富に摂取できます。天ぷらそばなら、えびでたんぱく質、野菜でビタミン・ミネラル・食物繊維が一食で摂れる。実は、栄養バランスが整うことで、余分なカロリーが体につきにくいというメリットもあります」
朝食、ランチ、夕食…単品メニューの選び方
単品メニューは、朝食、ランチ、夕食でも男性が選びがちだが、選び方に注意が必要だという。
「単品メニューの中で、私がおすすめしたいのが、【1位】石焼ビビンバ、【2位】五目ラーメン(または、タンメン)、【3位】冷やし中華。どれも、一度に多くの食材(特に、野菜)を食べられるので、栄養バランスが整います。ただし、ビビンバのご飯の量には要注意! 糖質オーバー分が脂肪になってしまうので、ご飯は少なめに」
“そんなに食べてないのに、ぜんぜん痩せない…” とお嘆きの人。食事のあとについついつまみ食いしていませんか? 具材たっぷりのバランスのよい食事に変えて、つまみ食いゼロを目指しては!?
教えてくれたのは:管理栄養士・菊池真由子さん
管理栄養士。健康運動指導士。NR・サプリメントアドバイザー。日本オンラインカウンセリング協会認定上級オンラインカウンセラー。大阪大学健康体育部(現・保健センター)、阪神タイガース、国立循環器病センター集団検診部(現・予防検診部)を経て、厚生労働省認定健康増進施設などで栄養アドバイザーを務める。ダイエットや生活習慣病の予防対策など、のべ1万人の栄養指導に携わる。その活動の集大成として刊行した、『食べても食べても太らない法』(三笠書房)が10万部超え、『図解食べても食べても太らない法』(三笠書房)が16万部超えのベストセラーに。最新作『食べれば食べるほど若くなる法』(三笠書房)は5万部超え。
●高たんぱくでメタボ対策にも最適!日本そばのおすすめレシピ
●ヨーグルトで痩せる!?ダイエット効果を上げるための選び方と食べ方
●太らないおつまみ|コンビニやスーパーでも買えるアーモンドがオススメの理由
●こんにゃくに美肌効果が!? 食べる量の目安とおすすめ料理を紹介
●【名医が愛するコンビニ飯】133kcal杏仁豆腐など「低カロリー」「栄養バランス」で厳選6品