野菜や魚には季節がある。出荷が始まる「走り」、食べ頃の「旬」「盛り」、終盤の「名残り」…。いまの季節に “最旬”となるのがエリンギだ。
エリンギは、日本では1990年代から栽培され始めた比較的新しいきのこで、ひらたけの一種。自生はせず、すべて菌床栽培されている。あわびに似たシコシコとした歯触りで、風味は淡泊。食べやすく、また安価なので、調理には非常に便利な食材だ。
数あるきのこの中でも栄養価は高く、疲労回復効果のあるビタミンB群、食物繊維、利尿作用のあるカリウムが豊富。また、低カロリーで、炭水化物、脂質、たんぱく質の代謝に有効なパントテン酸やナイアシンがたっぷり含まれているので、ダイエットにもぴったりの食材といえる。
そんなエリンギを楽しむコツを、家庭料理研究家の松田美智子さんが紹介する。
「エリンギはとにかく、新鮮なものをオリーブ油でさっと焼き、パラッと塩を振って食べるのが最高です。その上で、もしも余ったらオリーブ油に漬けておいて、鬼おろしとおしょうゆでいただくのもいいし、パスタなどと合わせても。シンプルに味わうのがいちばんだと思います」(松田さん)
通常、2、3本のパックで売られていることが多いエリンギ。なるべく大きさが均等で、軸・かさともに硬さと張りがあるものを。軸は太くて白く、かさは内側に巻き込んでいて開きすぎていないものがベスト。たまにかさに白いカビのようなものが見られるが、これは気中菌糸というエリンギの一部で無害。気になるなら、ひと拭きすれば落ちる。
エリンギは、高温と湿気、光に弱いので、すぐに使わないときはキッチンペーパーでかさを崩さないように交互に包んで、冷蔵庫で保存するのが◎。1週間ほどはもつけれど、張りを失って黄ばんできたら劣化している証拠。
そこで、エリンギをおいしく味わうためのレシピを紹介しよう。
エリンギのグリル焼き 鬼おろし添え
【1】エリンギ2本はキッチンペーパーで汚れを拭きとり、オリーブ油大さじ2、塩小さじ1/2、白こしょう少量を全体に絡めて10分置く
【2】しっかりと予熱した魚焼きグリルに【1】を入れ、3~4分焼く。軸に包丁で切り込みを入れて、手で食べやすい太さに裂く。鬼おろし(大根おろしでもOK)、しょうゆ各適量といただく
エリンギの梅ぼし煮
【1】エリンギ2本はキッチンペーパーで汚れを拭きとり、半分に切ってから櫛形に切る
【2】土鍋(厚めの鍋でも可)にだし1と1/2カップ、酒大さじ3、みりん大さじ2、梅干し1個(種から果肉を外し、たたいておく)を種ごと入れ、【1】を加える
【3】中火かけて沸騰したら弱火にして蓋をする。汁気がなくなるまで煮る
撮影/鍋島徳恭
※女性セブン2016年10月13日号
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