最低気温が10℃を下回ると大気の乾燥が始まり、皮膚の乾燥も感じやすくなるそう。手や脚のガサガサやゴワゴワが気になるこれからの時期は、美肌を保つためにも“保湿ケア”がマスト!
そこで、今回はより効果感を得るための正しいハンドクリームの使い方をご紹介! また、手荒れや脚の肌荒れの重症化を防ぐ毎日のハンドマッサージ&フットマッサージ法を、野村皮膚科医院院長・医学博士で、日本皮膚科学会認定専門医の野村有子さんにレクチャーしてもらった。
ハンドクリームの選び方
現在、薬局のコーナーには市販品だけで100種類以上あるとも言われているハンドクリーム。さまざまな種類があって、どれを選んでいいか悩む人も多いはず。野村さんは選び方をこうアドバイスする。
「ハンドクリームを大きく分類すると、ビタミン系、保湿系、尿素系の3種類に分けることができます。それぞれ期待できる効果が変わってくるので、症状に合わせて選びましょう」(野村さん・以下同)
そこで、症状別ハンドクリームの効果的な使い分けを解説する。
●乾燥によるガサガサな肌
おすすめのクリームの種類:ビタミン系
「全身に使えます。ビタミンE配合のクリームは血行を改善し、冷え対策に◎。また、水分と油分を補給し、保湿の働きもあります。あかぎれ、しもやけにもおすすめです」
●かさつき、粉ふきな肌
おすすめのクリームの種類:保湿系
「全身の乾燥が気になる箇所に使えます。かさつきや粉ふきが消えても、毎日のお手入れとして継続することが大切です」
●角化してゴワゴワなお肌
おすすめのクリームの種類:尿素系
「手、指、ひじ、膝、かかとなど角化(皮膚の表面の角質層が厚く硬くなること)している箇所に使います。尿素系は、皮膚の角化したところを溶解する働きがあります。ある程度ゴワゴワが取れたら、ビタミン系にするとよいでしょう」
ハンドクリームの塗り方
効果を得るためには、塗るタイミングや使用量なども重要になってくるそう。
まずは、クリームを使うタイミングだが、「就寝前のケア」が最も効果的なんだとか。
「寝ながら集中ケアができて、翌朝しっとり感を実感できます。また、手袋や靴下を着用すれば、べたつきが気にならず浸透も高まりますよ」
ハンドクリームの使用量は、人差し指第一関節1つ分が目安になるそう。
「人差し指第1関節分を両手に塗ります。症状が気になる部分は重ねづけをします。就寝前には手袋を着用すれば、べたつきが気にならず浸透も高まります。最初の3日は使う量を意識し、症状が改善されたあとはいつもどおりの使用量で大丈夫です」
そして、塗り方だが、血行を改善するビタミン系ハンドクリームを使用するときは、同時にハンドマッサージをすることが有効だという。
「マッサージをすることで塗りムラがなくなり、ハンドクリームの効果をより実感でき、さらに末端の血流の改善に役立ち、冷えの予防につながります」
手荒れの重症化を防ぐ毎日のハンドマッサージ
そこで、野村先生とユースキン製薬が監修した、ビタミン系クリームで血行を促進して手荒れの重症化を防ぐマッサージを伝授!
【1】人差し指の第一関節までクリームを指に取り、クリームを手の甲にのせる。
【2】両手の甲を重ね合わせて、少しずつ広げていく。
【3】手のひらを使って、親指側から小指側へ、しっかりとすりこむようになじませる。
【4】親指から順に指を握り、つけ根から指先に向かいひっぱるように、クリームを指の1本1本に丁寧に塗り伸ばす。
【5】爪の周りも忘れずに塗る。側面を強めに刺激することで健康な爪を育てるので、押しながらマッサージする。
【6】指の股は特に乾燥しやすい場所なので、両手を組みなじませる。
【7】親指と人差し指の間は凝りやすい場所なので、反対の手の親指を使って気持ちのよい強さで押して刺激する。
【8】最後に手袋をはめて、保湿効果を高める。
時間がある人は、もう一度クリームを取り、手首からひじにかけてもケアを。ひじは円を描くようになじませよう。
脚の肌荒れを防ぐフットマッサージ
また、肌荒れの重症化を予防する、脚のフットマッサージもご紹介! 手と合わせて、脚もしっかりマッサージして血行をよくし、美肌を保とう。
【1】クリームを人差し指の第二関節まで指に取る。
【2】膝とすねに、クリームの色が消えるまで塗る。
【3】膝を手のひらの体温であたためるように3秒間包み込む。
【4】クリームを人差し指の第二関節まで指に取る。
【5】ふくらはぎとくるぶしに、クリームの色が消えるまで塗る。
【6】足首を両手でつかみ、内側のくるぶしの横を親指で3回押す。
【7】そのまま足首を両手でつかみ、膝の方へ引き上げるようにマッサージ。気持ちいいと感じるくらいの強さで、3往復行う。
【8】クリームを人差し指の第二関節まで指に取る。
【9】かかとにクリームの色が消えるまで塗る。
【10】たっぷり塗ったクリームを浸透させるように、かかとを手のひらで3秒間包む。
【11】両手の親指の腹を使い、足の裏の気持ちいいと思うところを押し、刺激する。
【12】最後に、靴下をはいて保湿効果を高める。
寝る前にちょっとしたひと手間を加えれば、乾燥の時期も肌荒れに悩まくてすむはず。寝る前の習慣として、取り入れてみては?
この人に聞きました:野村有子さん
野村皮膚科医院院長・医学博士、日本皮膚科学会認定専門医。1986年、慶応義塾大学医学部卒業後、同大学医学部皮膚科教室に入局。同大学助手、神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科勤務を経て、1998年、横浜市に野村皮膚科医院を開業。あらゆる皮膚疾患について丁寧に説明をし、治療からスキンケアにいたるまできめ細かな指導を行っている。
【データ】
ユースキン製薬
http://www.yuskin.co.jp/about/massage/
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