「このコスメ、高かったし…」「まだたくさん残っているから…」と、捨てられない化粧品。あなたの家にも眠っていませんか? 毎日肌につけるものだからこそ、正しい使用期限を知り、寿命を見極めないと肌への負担が増え、肌トラブルを招きます。さて、何から捨てますか?
開封したコスメは1年以内に使い切る
大人の女性はもちろん、最近では男性や小学生までもがしているメイクや肌のお手入れ。でも、「捨て時を過ぎたコスメ(化粧品)を使い続ける人も多い」と、日本化粧品検定協会代表理事の小西さやかさんは言う。
「使用期限が明記されている化粧品は多くありませんが、未開封のものは3年、開封後は1年で使い切るのがおすすめです」(小西さん・以下同)
ただし、これは製造日からの目安。流通や店頭在庫として経過する時間も含まれている。
「ですので、1年以上在庫として店頭に置くお店は少ないと思いますので、購入してから長くても2年以内に使い切るのが理想です」
化粧品は製造基準により、未開封の状態で3年以上持たない商品は、使用期限を明記する義務がある。防腐剤の入っていない商品などがその対象となるので、開封時にパッケージに記載されている製造年月日や使用期限を確認しておこう。
「開封後については、たとえ未使用であっても、開封した時点で粉塵(ふんじん)や雑菌が入るため、1年以内に使うことが大前提。マスカラやアイライナーなど乾燥しやすいアイテムは、使ったらすぐふたをしましょう。口紅やマスカラなど直接つけて使うものは、面倒でも使用した部分をティッシュオフするなど、毎日の気遣いが、2次汚染を防ぎコスメを雑菌から守ることになるんです」
ほかにも、コスメは温度変化を嫌うため、日の当たる場所から冷蔵庫などの寒い場所に移動させるのはNG。常温でいいので極端に温度が変わらない場所に保管しよう。
ファンデーション/アイシャドー/チーク
◆パウダータイプの場合
【ここが捨て時!】
固形パウダーの場合、変なにおいや変色がでたら替え時。ほかに古くなるとファンデーションの表面の一部が固まる「ケーキング」状態になることがある。この場合は表面を少し削るともとのように使用できる。
【ポイント】
ケーキングはパフとファンデーションとの摩擦や、顔の皮脂がファンデーションに付着することで起こる。防ぐためにはこまめにパフを洗い清潔に保とう。
【捨て方】
中身は可燃ごみに。この時、粉が飛び散らないようビニール袋などに入れる。容器は識別マークに従って分別して廃棄を。
◆リキッド・クリームの場合
【ここが捨て時!】
クリームやリキッドなど水分の多いタイプは、水分と油分という本来混ざり合わないものを混ぜるため、乳化剤が使われていることが多い。これらは時間が経つと分離したり、嫌なにおいがすることがあるので、変化を感じたら手放そう。
【ポイント】
カビなどの菌は、基本的に水に発生しやすいため、ワンシーズンで使い切るのがベスト。長くても開封後、半年くらいを目安に使い切ろう。
【捨て方】
中身は可燃ごみに出す。だが、液状の場合は新聞紙や布に含ませてから捨てよう。容器は洗って識別マークに従って分別し、廃棄を。
マスカラ
【ここが捨て時!】
化粧品の中でも特に乾燥しやすいアイテムなので、3か月~半年をめどに。まつげに液体が絡まなくなった場合や、毛先が液体ではなくダマのようなポロポロした状態になった時は、買い替えを。
【ポイント】
乾燥したマスカラを使用すると、ダマなどが目に入りやすい。マスカラ液は目に入ると危険なため、早めに見極めよう。
【捨て方】
中身は付属のブラシでかき出して可燃ごみに。固まっている場合は容器ごとお湯に少しつけておくと中身が溶けて出しやすい。
アイライナー/アイブロー
【ここが捨て時!】
マスカラ同様、アイライナーやアイブローも乾燥に弱い。色がつきにくくなったり、かすれてきたら、捨て時のサイン。特にリキッドタイプは水分を含むため乾きやすく、ペンシルタイプよりも使用期限は短い。
【ポイント】
目のまわりはほかの部分に比べ皮膚への吸収率が高く、刺激になりやすい。また古いものを使うことで菌やウイルスなどが目に入り、最悪失明につながることも。
【捨て方】
ペンシルタイプやリキッドタイプはそのまま可燃ごみに。繰り出しタイプの芯は抜いて可燃ごみとして捨て、容器は識別マークに従って廃棄。
下地クリーム/日焼け止めクリーム
【ここが捨て時!】
日焼け止めクリームは、ほかのクリームに比べ油分が多いので、開封後は変質しやすい傾向がある。分離・変色した場合や、異臭がしたら買い替えを。開封したら翌年に持ち越さず、ワンシーズンで使い切るものと割り切ろう。
【ポイント】
肌への紫外線の影響を減らす「紫外線吸収剤」が含まれているため、直射日光の当たる場所に置いておくと、UV効果が下がる場合がある。高温多湿の場所を避けて保管しよう。
【捨て方】
中身は新聞紙や布に含ませて可燃ごみに。スプレータイプは必ず火気のない屋外で中身とガスを出し切ること。容器は識別マークに従って廃棄。
口紅/グロス/リップクリーム
【ここが捨て時!】
口紅やリップクリームの油は料理に使う油同様、空気に触れると酸化しやすく、古くなるとにおいが変化することがある。嫌なにおいや変色、口紅まわりに液体が出る発汗や、白い粉が見える発粉など油が溶け出している状態が起きたら処分を。
【ポイント】
唇に直接つけるため、汚れや雑菌の混入が心配なアイテム。面倒でも口紅を塗った後は、毎回口紅の表面をティッシュペーパーで軽く拭き取ることで長持ちさせられる。
【捨て方】
スティック状のものは繰り出して中身を出し、ティッシュで包んで根元から折り、残った部分は綿棒などでかき出し可燃ごみに。容器は識別マークに従って廃棄しよう。
教えてくれたのは:日本化粧品検定協会 代表理事・小西さやかさん
東京農業大学 食香粧化学科 客員准教授。化学修士(サイエンティスト)として科学的視点から美容、コスメを評価できるコスメコンシェルジュ。その知見から最短で最適な美容法「なまけ美容」を推奨。
※女性セブン2020年2月13日号
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