新型コロナウイルスが流行し、インフルエンザへの感染もまだまだ油断できない。
そこで、免疫力をアップさせる生活習慣や食事をまとめて紹介する。
手軽にできる免疫力アップ法
道具や食材など特別なものを使わない免疫力アップ法なら、準備不要ですぐ実践できるので手軽。早速トライしてみて。
瞑想で免疫力アップ
漠然と不安になったり、元気が出ないときに大切なのは、今、目の前にあることだけに集中すること。この集中する過程を「マインドフルネス」と言い、集中するためには、瞑想が最適。
医療法人和楽会理事長・貝谷久宣さんは、「瞑想とは、考えない練習です。雑念を払って“無”になること。雑念と無を行き来することで脳が活性化し、ストレスを軽減します。また、脳内で怒りの感情をつかさどる扁桃体の活性を和らげて、穏やかな気持ちに。血流を促すので、免疫力を上げるとも言われます」と語る。
《基本の“いす瞑想”のやり方》
1.いすに浅く座って力を抜く。
2.腰とひざは90度に曲げる。
3.口は軽く閉じて、舌は上あごに付ける。
4.顔は正面、目線は少し下げる。
5.手は法界定印にする(上写真)。手の平を上に向けて右手を下にし、第2関節あたりまで重ねる。親指の先は軽く触れる程度に。
6.この状態で20分ほど集中。時間がないときは数分でもOK。
リンパ液の巡りをよくして免疫力アップ
医学博士・総合内科専門医の根来秀行さんが教えてくれたリンパ呼吸は、免疫力アップにも効果的だという。
「人体はもともと睡眠時に横になると自然とリンパ液が流れるしくみですが、あお向けでリンパ呼吸を行い、横隔膜を動かすとリンパ液の流れが改善し、ダイエットや美肌、免疫力強化などにつながるのです」(根来さん)
つまり、横隔膜を動かすくせをつけることが免疫力アップのカギに。そのためには、「寝るだけストレッチ」を習得するのが早道。いすに足をのせ、腰にバスタオルを当て、鼻からゆったり呼吸をする。その際、お腹が上下しているか確認しよう。
免疫力アップに効果的なツボ
これまでに約6万人の施術をしてきた整体師の吉田佳代さんが、著書『たった10秒でやせるツボ』(SBクリエイティブ)から教えてくれたツボにも、免疫力アップにつながるツボがある。10秒押すだけでOKだから、試してみて。
へそから指4本分下にある「関元」は、ヨガや呼吸法などで重視される丹田と同じ位置。押すことで体温を高めて代謝を促進するので、ダイエット効果◎。生理痛を緩和する他、腰痛や疲労回復、免疫力アップにも効果抜群だという。
睡眠の質を向上させて免疫力を上げる
「睡眠と免疫機構との間をつなぐのがメラトニンというホルモンです。例えば、目の不自由なかたは網膜で光を感受できないため、メラトニン分泌量が高まり、免疫機能が強化されて、がんの発症頻度が低いことが知られています。風邪や肺炎に対する防御力を高めるためには、快適な寝具で、部屋を真っ暗にして、メラトニンがたっぷり分泌される状態で眠ることが重要です」と、同志社大学大学院生命医科学研究科・アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一教授。
寝具メーカー・西川の研究機関「日本睡眠科学研究所」と、睡眠が健康状態に及ぼす影響について共同研究を行っている米井さんは、質の良い睡眠のために自分に合った快適な寝具を使い、体への負担を軽減することが欠かせないという。
今日から実践できる方法については、西川の「日本睡眠科学研究所」が認定した眠りのスペシャリスト「スリープマスター」の富下瞳さんが教えてくれた。
「入眠後の約3時間を深く眠ることがポイントです。眠る1時間前までにぬるめのお湯に入浴し、深部体温を一度上げることで放熱を促しましょう。自律神経の副交感神経を優位にすることで寝つきもスムーズになります。質の高い睡眠をとることが、体を守り、健康を維持、免疫力のアップにもつながります」
免疫力アップが期待できる緑茶のいれ方
帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科 健康科学研究科健康栄養学専攻長 教授・医学博士の松井輝明先生によると、水出し緑茶に免疫力アップ効果が期待できるという。
水出し緑茶とは、常温水(16~30℃程度)はもちろん、冷水(5~15℃程度)よりもさらに低い温度の氷水(0.5~4℃)でいれたお茶のこと。熱湯でいれてから氷で冷やすわけではなく、初めから冷たい水の中に茶葉を入れて抽出する。
水出し・氷水出しでお茶をいれると、カテキンの一種であるエピガロカテキン(EGC)の割合がエピガロカテキンガレート(EGCG)よりも多く抽出される。EGCは免疫細胞の一種であるマクロファージを活性化させるとされ、EGCの割合がEGCGよりも多いほうが免疫機能が効果的に働くと言われている。
免疫力を上げる食材を使ったレシピ5選
免疫力アップ効果が期待できる食べ物を、食事に積極的に取り入れることも効果的。そんな食材を使った簡単レシピを5つピックアップ。
にんにくたっぷり「かぶとにんじんのガーリックホットマリネ」レシピ
にんにくの食物繊維パワーで腸内環境を整え、ビタミンA・C・Eを合わせて摂取することで、活性酸素の生成を抑制&除去し、免疫力が向上するという。そこで、「女性セブン」で紹介したレシピをピックアップ。
《材料》(2人分)
にんにく…4片 かぶ…中2個 にんじん…1/2本 オリーブオイル…小さじ2 塩・こしょう…各少量
【A】マヨネーズ・粒マスタード…各大さじ2、レモン汁…大さじ1
《作り方》
【1】耐熱ボウルに厚めに横スライスしたにんにく、かぶ(茎・葉は3㎝長さに切り、根は皮をむき6等分のくし形切り)、にんじん(1cmの厚さの半月に切る)を入れ、オリーブオイル、塩、こしょうをかけて混ぜる。ラップをふんわりとかけて電子レンジ(600W)で6~7分野菜がやわらかくなるまで加熱する。
【2】【1】が熱いうちに混ぜ合わせたAを加えて和える。
免疫力アップにビタミンA豊富な「うなぎの混ぜごはん」レシピ
「ABC HEALTH LABO(エービーシー ヘルス ラボ)」が教えてくれた「うなぎの混ぜごはん」。これは、免疫力アップに効果が期待できるビタミンAが豊富なうなぎを使ったレシピ。
《材料》(2人分)
うなぎ(蒲焼き)…80g にんじん…25g 枝豆…80g 油揚げ…1/2枚 白ねぎ…15g 青じそ(せん切り)…6枚 塩…少々
【A】米…70cc 発芽玄米…70cc 水…140cc
【B】市販のうなぎのたれ…5cc しょうゆ…小さじ1 塩…少々
《下準備》
・米と発芽玄米は洗米して、30分ほど吸水させ、水気を切っておく。
・油揚げは、熱湯をまわしかけ、油抜きをする。縦半分に切り、幅5mmに切っておく。
・うなぎは、幅2cmの短冊切りにし、耐熱容器に入れてラップをふんわりとかけ、電子レンジ(500W)で1分ほど加熱しておく。
・にんじんは、皮をむき、せん切りにし、耐熱容器に入れてラップをふんわりとかけ、電子レンジ(500W)で50秒ほど加熱しておく。
・枝豆は、塩でこすり洗いし、耐熱性容器に入れてラップをふんわりとかけ、電子レンジ(500W)で2分30秒ほど加熱する。粗熱がとれたら、さやから取り出しておく。
・白ねぎはせん切りにし、水にさらし水気を切っておく。
《作り方》
【1】鍋に【A】、【B】、油揚げを入れて、沸騰後、フタをして弱火で10分ほど炊く。
【2】火を止め、うなぎ、にんじん、枝豆、白ねぎ、青じそ(4枚)を加えて、10分ほど蒸らす。
【3】ごはんを切り混ぜて、器に盛り付けて、青じそ(2枚)を飾る。
納豆菌が免疫力向上に◎「ヘルシー納豆餃子」
「マラソン界のシンデレラ」と呼ばれた最強美人ランナーでアスリートフードマイスター・料理研究家の市橋有里(いちはし・あり)さんは、免疫力アップ食材として納豆を紹介。
「納豆菌には免疫力そのものを高めてくれる物質も含まれているので、日頃から納豆を食べ続けることで、免疫力アップが期待できます」(市橋さん)
毎日でも食べたい納豆を飽きずにいただくレパートリーとして、「ヘルシー納豆餃子」のレシピを教えてくれた。
《材料》(30個分)
納豆…1パック 豚ひき肉…100g キャベツ…150g(1/4個) 塩…小さじ1/4(キャベツの塩もみ用) 納豆のたれ…納豆のたれ1袋+しょうゆ小さじ1/2 卵…1個 ごま油…大さじ2 餃子の皮…30枚
《作り方》
【1】 キャベツをみじん切りにして、軽く塩もみする。
【2】 ボウルに【1】のキャベツと、ごま油以外の他の材料を全て加えてよく混ぜ、皮で包む。
【3】フライパンにごま油大さじ1を入れて熱し、【2】をこんがりと焼く。仕上げに、ごま油大さじ1を回し入れると、香りが増し、フライパンにも付きにくくなる。
免疫力を上げる3つの食材で作る「ごぼうとケールのデトックスサラダ」
市橋有里さんが、“食べる自己防衛”として、免疫力・抵抗力アップに役立つ「ごぼうとケールのデトックスサラダ」のレシピを伝授!
市橋さんによると「ごぼうとケールのデトックスサラダ」に使う、ごぼう、ケール、しいたけは、全てデトックス効果と免疫力を高めることに役立つ食材なのだとか。
《材料》(2人分)
ごぼう…1本 ケール…2枚 しいたけ…3個
【A】オリーブオイル…大さじ3 ホワイトバルサミコ…大さじ1 はちみつ…大さじ1 粒マスタード…大さじ1 塩、こしょう…適量
《作り方》
【1】 ケールは食べやすい大きさにちぎり、ごぼうは斜め薄切りに水にさらし、しいたけも薄切りにしておく。
【2】 フライパンに分量外のオリーブオイル大さじ1を熱し、ごぼう、しいたけの順にさっと焼く。
【3】 器にケールを盛り付けたら【2】をのせ、合わせた【A】をまわしかける。
→「ごぼうとケールのデトックスサラダ」の栄養価などを詳しくみる
β-カロテン豊富な春菊たっぷり「秋のシーザーサラダ」
市橋有里さんが紹介してくれたレシピから、免疫力を高めてくれるサラダをもう1品。「秋のシーザーサラダ」に使われる春菊に豊富に含まれる、抗酸化作用のあるβ-カロテンは体内でビタミンAに変わって、呼吸器を守ったり、粘膜や皮膚を健康に保ったりしてくれる効果があり、免疫力アップも期待できるという。
《材料》(2人分)
春菊…1袋 柿…1/2個 お好みのシーザードレッシング…適量 こしょう…少々 くるみ…5個
《作り方》
【1】 春菊は葉の部分だけをちぎり、柿は皮をむいて、いちょう切りにする。
【2】 ボウルに【1】を入れ、シーザードレッシングをかけ、よく混ぜる。仕上げにこしょうを振り、くるみをトッピングする。
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