気温が低い冬は、他の季節以上に手足の冷えや体温の低下に悩まされがち。
そこで、体を温める効果のある食べ物をチェック。さらに手軽な運動も取り入れて、体の冷えを撃退して。
冬の冷え対策に食べたい温活効果のある食べ物4選
のべ10万人以上の患者を診てきたダイエット外来医師の工藤孝文先生が、著書『高野豆腐ダイエットレシピ』(河出書房新社)で紹介している生薬(漢方の素材となる食べ物)には、冷え対策に有効な食べ物も。
蘇葉(しそ、大葉)
辛味成分に体を温め、熱を下げる効果がある。香り成分のペリルアルデヒドは、食欲増進、吐き気を防ぐ。蘇葉はしその葉を乾燥させた生薬で、解毒・健胃薬などに用いられる。
桂皮(シナモン)
主成分ケイヒアルデヒドが血行を改善し、肩こりや冷え性などを緩和する。健胃、整腸作用、精神安定効果も期待できる。
大棗(なつめ)
なつめは、漢方では大棗(たいそう)という名で呼ばれる。甘みがあるので、そのまま食べてもおいしく、滋養強壮に有効。体を温め、消化器系の働きを整えて、リラックス効果がある。
生姜(しょうよう)
生の生姜に含まれるジンゲロールには、発汗作用を高め、熱を下げたり、免疫力をアップさせる効果が。乾燥させた生姜は乾姜(かんきょう)と呼ばれ、ショウガオールが豊富で、脂肪燃焼や冷え性改善の効果が期待できる。
冷え対策ができる食材を使った冬に食べたいレシピ5選
「マラソン界のシンデレラ」と呼ばれた最強美人ランナー市橋有里(いちはし・あり)さんが教えるヘルシーレシピから、冷え対策にオススメのレシピをピックアップ。
冷え性や風邪の予防にも効果的な「鱈ときのこのホットサラダ」
低カロリー高たんぱくの鱈は、冷え対策にも◎なのだとか。鍋料理のイメージが強い鱈を斬新な食べ方でいただく、「鱈ときのこのホットサラダ」を紹介する。
「鱈は、良質なたんぱく質が豊富で脂質が少なく、とてもヘルシー。その上、ビタミンA、D、E、カリウムなどもバランスよく含まれていて、胃腸を温めたり、血行をよくしたり、冷え性や風邪の予防にも効果的なので、鍋料理以外にもたくさん食べてほしいですね」と市橋さん。
《材料》(2人前)
鱈(生)…2切れ(100g/1枚) しめじ(他のきのこでもOK)…2パック ケール…1袋 しょうゆ…大さじ1 オリーブオイル…大さじ3 塩、こしょう…少々
《作り方》
【1】 鱈は4等分に切り、塩をふっておく。ケールは葉の部分だけを食べやすい大きさにちぎっておく。きのこ類は石づきを切り落とし、ほぐしておく。
【2】 ケールをボウルに入れ、オリーブオイルを加えてケールに油がまわるまでよく混ぜておく。フライパンに油をしいて熱し、鱈をこんがりと焼く。さっとフライパンを拭いて、きのこを炒め、しょうゆで味つけする。
【3】 器に【2】のケールを盛り付け、きのこ、鱈を乗せて、こしょうをふる。
鶏むね肉のたんぱく質で熱を生み出し冷え対策「鶏がゆ」
「たんぱく質が不足したり、朝食を抜いたりすると、体が冷えやすくなってしまいます」と教えてくれた市橋さんは、冷え対策にもなる朝食にぴったりの料理として「鶏がゆ」の作り方をレクチャー。熱を生み出し、筋肉の元にもなるたんぱく質を豊富に含む食べ物の1つと言える鶏むね肉がはいった温かいおかゆを食べて、寒い冬の冷え対策を。体を温めて冷えとり効果が期待できるしょうがをトッピングするのもオススメ。
《材料》(2人分)
もち米…1カップ 鶏むね肉…100g 鶏がらスープの素…大さじ2 塩…少々 ごま油…大さじ1 酒…大さじ1 水…1400cc
《作り方》
【1】 もち米は洗って鍋に入れ、ごま油をまぶしておく。
【2】 水に酒大さじ1を入れて、沸騰してから、鶏むね肉を中火で4分程茹で、鶏むね肉だけを取り出す。
【3】 【2】の出汁で【1】を強火にかけて炊く(※米と出汁の量は1:8目安)。沸騰したら、吹きこぼれないように火を弱め、鶏がらスープの素を加え、20~30分程度、好みのとろみになるまで煮る。
【4】 とろみがついたら、塩で味を調えて器に盛る。
冷え対策に陽性食材の里芋を使った「里芋グラタン」
「里芋グラタン」の主役は、冬が旬の里芋。里芋は体を温める陽性食材(体を温める働きがある食材)に分類されるということで、冷えの対策にもぴったりの食べ物と言えるそう。
「加えて里芋は、今回使っている鶏肉、チーズ、玉ねぎなど、これらの食材も陽性食材なのですが、それらと合わせることで温活効果がUPするんです。このグラタン1品で、ビタミンB1、B2、C、食物繊維、アミノ酸も豊富に摂れる優秀メニューです」(市橋さん)
《材料》(2人分)
里芋…200g 豆乳…50~75ml 鶏肉…100g 玉ねぎ…1/2個 しめじ…1パック 白だし…大さじ1/2~1 チーズ、オリーブオイル、塩・こしょう…適量
《作り方》
【1】里芋は皮をむき1cmほど(火が通りやすくなる)にスライスして水から茹でる。玉ねぎは薄くスライスし、しめじは石づきをとってほぐしておく。鶏肉は一口大に切って塩を軽くふっておく。
【2】フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、鶏肉、玉ねぎ、しめじの順に入れて鶏肉に火が通るまで炒める。
【3】里芋に竹串がスッと通るくらい柔らかくなったら、少し冷ましてフードプロセッサーでつぶす。(フードプロセッサーがなければ、すりこぎなどでつぶす)
【4】オーブンを230~250℃に温め、耐熱容器に【2】を入れて【3】を乗せ、最後にチーズをふりかけて10分ほど焼き色がつくまで焼く。
陽性食材のレンコンで冷え対策ができる「温活チヂミ」
冬に旬を迎えるレンコンは、「体を温める“陽性食材”なので、温活にはもってこい」と市橋さん。この「温活チヂミ」のレシピでは、こちらも陽性食材の玉ねぎを使用しているので、温活効果もアップするとか。
《材料》(2人分)
れんこん…200g えび…100g にんじん…30g 玉ねぎ…50g 薄力粉…40〜60g 白だし…大さじ1 サラダ油…適量
《作り方》
【1】玉ねぎは薄くスライスし、にんじんは千切りにする。レンコンは皮をむいてすりおろしておく。
【2】ボウルにレンコン、白だし、薄力粉を入れ、【1】の玉ねぎとにんじん、さらにえびも入れてざっくりと混ぜる。
【3】フライパンにサラダ油を入れて熱し、【2】をこんがり両面焼く。
「簡単温活ボロネーゼ」
体を温めてくれる食べ物のしょうがは、トマトやなすといった陰性食材の体を冷やす性質を抑える効果があるので、冷え対策にも。これらの食べ物を使った「簡単温活ボロネーゼ」は3ステップで簡単なうえ、冬にもいただきたいレシピになっている。
《材料》(2人分)
豚ひき肉…200g なす…1本 にんじん…1/2本 玉ねぎ…1個 トマト缶…1缶 コンソメ…1個 オリーブオイル…大さじ2〜3 しょうが‥ひとかけ
《作り方》
【1】玉ねぎ、にんじん、なす、しょうがをみじん切りにする。
【2】鍋にオリーブオイル、しょうがを入れて熱し、豚ひき肉を入れる。
【3】残りの具材をすべて入れ、10~20分煮込み、塩こしょうで味を調える。
冬の冷えにも有効な簡単エクササイズ「相撲体操」
土俵入りや四股や仕切りなど、力士の動きをアレンジして作られた「相撲体操」は、足腰強化だけでなく、血行や代謝の促進にも◎。冷え性や腰痛、肩こりも改善、脳も活性化し、ダイエット効果もあるなど、いいことずくめ。全部で12型ある「相撲体操」から、冷え性にも有効な「四股の型」を紹介する。
「四股の型」は、力士にとってもっとも重要な型で、毎日200回、時によっては1時間以上行う場合もあるという。足が高く上がらなくても、きちんと片足で体重を支え、静止するだけでも股関節周りの筋肉を鍛えることができる。
●やり方
【1】足を肩幅より開き、腰をまっすぐ下に落として胸を張る。
【2】左足に体重を移動させ、
【3】左ひざを伸ばして立ちながら右足を上げ、
【4】できる限り上げたところで少し静止。
【5】つま先から足を下ろしていき、
【6】力強く踏み込む(左右各3回から初めて、徐々に回数を増やす)。
●ポイント
全身の血行がよくなり、冷え性にも有効。腰を下ろすときは、まっすぐ下ろし、お尻は突き出さない。四股は、足を高く上げるより、軸足をしっかり伸ばすことが重要。軸足の親指に目線を落とすと、バランスがとりやすくなる。
イラスト/うえだのぶ
運動よりも手軽な冷え対策に「指ヨガ」
「指ヨガ」とは、手の指を回し、手のひらを押すことで体全体の血液循環を促し、自律神経を正常に保つ健康法のこと。ヨガ歴40年、国内外でヨガを指導する龍村修さんが「指ヨガ」のやり方を教えてくれた。これはお風呂のあと、手が温まった状態で行うとより効果的だけれど、基本的にいつ行っても大丈夫とのこと。
「指ヨガを行えば、冬の間に収縮した筋肉がほぐれるだけでなく血液循環が促されることで肩こり、冷え性の改善も期待できます」(龍村さん)
交感神経の緊張や運動不足による血行不良、食生活が影響して起こる冷え性。それを改善するには、まずは手のひらを合わせ、指を絡めるように手全体をすり合わせて温めたあと、気になる部分に相応する部分をこする。
脚の冷え対策なら、親指と小指全体を手のひら側からこする。目安はうっすらと手が赤くなるまで。
続いて、親指と小指全体を手の甲側からこすって血行をよくする。時間がなければ片手だけでもOK。
「全身で行う通常のヨガでは、ポーズをとるときにゆっくり息を吐きますが、指ヨガも同じ。痛くて気持ちいい程度の強さで手を押したりもんだりしながら、息を『ふーっ』と声が出るくらい意識してゆっくり吐いてください。押すときに吐く、もむ力を弱めたときに息を吸う。その繰り返しです」(龍村さん)
イラスト/とげとげ
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